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つれづれの記

日々の生活での印象

原発事故ー海の汚染

2011年04月06日 00時07分32秒 | 日記
2011年4月5日(火)原発事故  海の汚染


◎原発事故の現況
 今回の原発事故では、確かなことは不明だが、状況証拠からすると、少なくとも2号機では、地震直後、冷却水が無くなり、暫く、空炊き状態になったと想定される。このことにより、温度が上がり、原子炉や燃料棒保管プールの燃料棒が溶融し、本体容器の一部が破損して、高濃度の放射性物質を含んだ汚染水が流出している、と言うのが、ほぼ確実なようで、極めて危険な状態にある。
 炉本体や保管プールを継続的に冷やす冷却系を回復して、何としても、事故を安定させる、と言うのが、当面の目標だが、具体的な見通しが立たない。理由は、建屋内に溜っている、危険な高濃度の汚染水を、除去・保管するためのタンク容量等が足りないことだ。
 さらに、まずいことに、ピットという、ケーブル用竪穴に汚染水が溜り、ひび割れた壁から、大量の高濃度の汚染水が、海中に流出していることが判明した。ともかく、これを止めないことには、海中への汚染が拡大するばかりである。高濃度の汚染水が、ピットに集まる経路や、出ていく経路を調べたり、ひび割れた出口を、化学剤で固める等、あれこれ、試みられているが、有効な手だてが、未だに見つかっていない。 
 原子炉等に外部から注入している水が、何らかの経路で、海に漏れ出している、と推定されることから、原子炉等に注入する水の量を、温度上昇が無い程度に、ぎりぎりまで抑えて、少なくしているようだ。

 この1週間程は、
  ・タービン建屋の地下で高濃度の汚染水が見つかり
  ・外の、トレンチでも、同様の汚染水が見つかり
  ・そして、ピットの割れ目から、その汚染水が海中に流出していることが判る
と言うことで、敵の本丸に近づこうとしているのに、その手前で、次々と厳しい抵抗に遭い、前に進めず、中々、作戦が立てられない状況だ。
 タービン建屋の地下や、トレンチやピットに溜っている汚染水の、表面での線量は、1000mSv/時以上と言われ、作業員の、1回の緊急作業での被曝上限250mSvを、遥かに越えているので、作業を強行するにしても、15分づつ交代で4回に分けなければならず、極めて危険である。
 更に、人命救助を例外とする、500mSv/時という上限もあるようだが、30分づつで交代しても、危険度は最大で、正に、文字通り、命がけの作業となる。
 ましてや、現時点で、原子炉のある建屋の中に入るなど、危険極まりない気違い沙汰だ。 

 ここに至って、大量の汚染水を溜められる、集中廃棄物処理施設を使う案が出て来て、このため、現在、その施設に溜めてある、低レベルの汚染水1万トンを、海に捨てるという、緊急事態の措置を、関係機関で決めたようだ。空になれば、3万トン程度の水が保管できるようだ。ここに、あちこちに溜っている高濃度汚染水(6万トンもあるという!)を移動することで、タービン建屋周辺での修復作業の安全を確保し、何とか、冷却系を回復して、早急に、汚染水の流出を抑え、本丸の原子炉の修復に進んで欲しいものである。
 今回の緊急措置とても、時間との勝負で、いずれ満杯になる訳で、事故の処理が長引く場合を想定して、放射能汚染水の本格的な保管設備として、メガフロートや大型船舶などの準備も検討されているのは、当然であろう。

◎原発事故に伴う、放射線被曝の危険性には、幾つかある。
○何といっても、事故の終息のため、事故現場で作業する人たちが
  ①直接的に放射線を浴びる外部被曝
がある。これは、当事者にとっては、極めて重要な安全事項である。この作業を何とか出来るようにするために、現場では、先述のように、高濃度の汚染水を処理する、様々な試みがなされている訳だ。

○事故原発から、直接的にでてくる放射線の強さは、距離が少し離れれば、急激に少なくなるので、その危険性は低くなる。 でも、事故原発から出てくる細かな粒子状の放射性物質が、空気中に舞い上がり、風や雨と共に、広範囲に飛散することが、問題となる。川等を経由し、この微粒子が水道水に入ったり、降下して微粒子が野菜に被着する。このように 
  ②汚染された水を飲んだり、野菜を食べる事による内部被曝
を引き起こす。これを、仮に1次内部被曝と呼ぼう。
 このことから、先だっては、水道水の飲用制限・解除が行われ、現在は、農産物の摂食制限、出荷制限が行われている所だ。これらについては、先日、下記のブログで触れたところである。
  原発事故―風評被害 (2011/4/2)

○更に、
  ③―1 汚染された海水で育った魚を、食べることによる内部被曝
  ③―2 汚染された土壌で育った野菜等を、食べることによる内部被曝
   (仮に2次内部被曝)
がある。今回は、この中の、③-1の、海の汚染について、触れてみたい。

◎昨4日から、原発事故に伴う緊急措置として、低レベルの汚染水を、海に捨てると言う事態になり、海の汚染に対する関心が高まっている。

最近の、原発周辺区域での、海水汚染の報道は、以下のようになっている。

○ピットから流出している高濃度汚染水(東電 取水口付近 4/2、4採取 5日公表)   
  高濃度汚染水の濃度    測定値Bq/cc  倍率    濃度限度Bq/l 
  4/2 放射性ヨウ素131  30万    750万倍     40
  4/4 放射性ヨウ素131  20万    500万倍     40
  4/4 放射性セシウム137        110万倍     90     

○放水口南の海水(東電 4/4 採取 4/5公表)
               測定値Bq/cc  倍率    濃度限度Bq/l  
     放射性ヨウ素131          1000倍     40

○原発沖合15km海面付近(東電 4/4採取 4/5公表)
               測定値Bq/cc  倍率    濃度限度Bq/l 
     放射性ヨウ素131           4.8倍     40    

○集中廃棄物処理施設内の水を海に放出4/4~(東電 4/4公表)
  放出する水の汚染度
                 測定値Bq/cc 倍率   濃度限度Bq/l           
           放射性ヨウ素  6.3    157     40

○原発30km沖合い5地点サンプル採取3/1 (文部科学省 4/3公表)
                   測定値Bq/l  濃度限度Bq/l 
  海水表層     放射性ヨウ素131  12max    40 
           放射性セシウム137 15.7     90  
  水深113ー160m   放射性ヨウ素131   4.8max  40
           放射性セシウム137 11.4      90

○原発南50km3/30採取(=いわき市沖合10km)(文部科学省 4/2公表)
                 測定値Bq/l      濃度限度Bq/l
  海面付近    放射性ヨウ素131  79.4      40
          放射性セシウム137 15.7      90
              
○放水口南100m(東電   3/21午後500ml採取  3/22未明公表)
              測定値Bq/cc  倍率    濃度限度Bq/l                
   放射性ヨウ素131   5.066  126.7倍    40
   放射性セシウム134          24.8倍    60
   放射性セシウム137          16.5倍    90

原発南50km(沿岸沖合10km)3/30採取(文科省  4/1公表)
               測定値Bq/l        濃度限度Bq/l
   放射性ヨウ素       9.4             40

 報道では、よく、「原子炉等規制法が定める濃度限度」と言われて、以下の数値
                           Bq/cc
           放射性ヨウ素I 131      40
           放射性ヨウ素Cs137      90
が示されている。この数値が、何処で、どのように規定されているのか、あれこれ調べてもよく分からなかったのだが、今日5日になって、以下が、根拠である事が判明した。
   平成12年科学技術庁告示第5号 「放射線を放出する同位元素の数量等」
この中で、大気中や水中に放出してよい、放射性物質の濃度限度が示されている。膨大な量に亘る表の中に、ヨウ素131とセシウム137について、海水濃度限度は、上記の数値(Bq/lで表示)であることを確認出来、セシウム134についても、以下であることがわかった。
                            Bq/l       Bq/cc
           放射性ヨウ素Cs134    6×10**(-2)    60
これらの数値は、下記のように、食品安全基準で示されている数値と、いささか異なってる。
            原子炉周辺の海水濃度限度        食品安全基準の飲料水指標
             (科技庁告示)             ( 厚労省通達)
            Bq/cc   Bq/kg   倍率    Bq/kg
 放射性ヨウ素131   40     40000  133    300
 放射性セシウム134  60     60000  300    200
 放射性セシウム137  90     90000  450    200
  
単位が異なるので、単純化のため、
 飲料水1kg≒海水1kg≒1リットル=1000cc
とすると、科技庁告示を1000倍すれば、厚労省通達と、Bq/kgで単位は揃うこととなり、参考のため、表示してある。
 これをみると、海水の基準が、飲料水の基準の、133倍から、300倍、450倍も、緩くなっている。この理由は、未調査だが、海水で育った魚が、人間に摂取されるまでの過程で、放射能の濃度が、かなり薄められることを、考慮しているためと思われる。
 ここで、理解に苦しむのだが、半減期の長さ等から、食品安全基準では、セシウムの方が厳しく設定されているのに、規制法の濃度限度では、逆に、ヨウ素の方が厳しくなっているのは、なぜであろうか?

 餌や、海水のプランクトン等を通して、牛や鶏や魚に、放射性物質が摂取され、これらが流通して、食べられるまでの期間は長い。半減期が8日と短い放射性ヨウ素については、この期間に毒性がかなり薄まる、と言うことから、食品安全基準では、指標値が示されていない。 一方、半減期が30年と長い放射性セシウムや、毒性の強いその他の核種について、肉、卵、魚等の数値が規定されている。
 ところが、北茨城市の平潟漁協は、4/1までに、沖合で試験的に採った5種類の魚について、放射能汚染状況の調査を行った。その中で、イカナゴ(コウナゴ)について、昨4日、測定結果を発表した。
            Bq/kg       食品安全基準 Bq/kg
   放射性ヨウ素    4080           規定なし 
   放射性セシウム    447            500           
 食品安全基準では、放射性セシウムについては、魚介類の規定はないので、根菜類を除く野菜類は、2000 Bq/kg としているので、これと比べると、かなり、高濃度である。 半減期が短い放射性ヨウ素については、魚の流通期間を考えると、2次体内被曝は無く安全だ、という、上述の想定は甘いのでは、という、現実を突きつけられた格好だ。 ただ、コウナゴについては、生で食べるよりも、干物が多いことをから、そう神経質になる必要はないが、魚の好きな日本人には、要注意と言うことである。  
 こんなことから、昨日の情報では、魚の安全性に関し、放射性ヨウ素についても、基準の見直しを行う、ということであった。また、セシウムについては、基準ぎりぎりである。
 所が、今日、同市の大津漁協は、イカナゴから、新たに、基準値を越えるセシウムが、検出されたと発表した。
             測定値  Bq/kg    食品安全基準 Bq/kg
    放射性セシウム     526            500 
 このことから、今が旬の、コウナゴ漁の、全面禁漁を決めている。
 食物連鎖の中では、コウナゴは、プランクトンの次の位置にあり、今後は、マグロ等の大きな魚類に、時間を掛けて、毒物が蓄積されて行く、前触れのように感じられる。
 国の方でも、魚の安全性に関し、放射性ヨウ素について、急遽検討を行い、新たに基準値を設けることとし、野菜類と同じ、2000Bq/kgを、暫定的な指標値とする、と発表された。
 先が見えない中で、事態は、海の汚染へと、矢継ぎ早に悪い方へと進んでいくようである。 いよいよ、魚介類についても、野菜と同様、風評被害が、本格化しそうな雲行きが懸念される。 






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原発事故   風評被害

2011年04月02日 23時10分02秒 | 日記
2011年4月2日(土)原発事故  風評被害


 福島第一原発の事故は、一向に収まる気配が無く、むしろ、深刻さを増しており、これに伴う、放射能汚染の問題が、大変な状況にある。最近では、海水や土壌の汚染が、表面化してきている。
 その中で、水道水や野菜の汚染が観測され、摂取制限、出荷制限が行われた、3/21以降は、放射能汚染が、極めて身近な問題になっている。現時点では、水については大半の制限が解除されたが、自治体によっては、乳児用の水について、自主規制をしているところもあるようだ。

 又、野菜等の農産物については、産地別、種類別に、下記のように、摂取制限、出荷制限が、今も継続中である。 

摂取・出荷制限
福島県産 非結球性葉菜類:ホウレンソウ カキナ コマツナ ミズナ チンゲンサイ 
             シュンギク
      結球性葉菜類:キャベツ ハクサイ レタス
      アブラナ科の花蕾類: ブロッコリー カリフラワー 
      根菜類:カブ(出荷制限のみ)      
      原乳(出荷制限のみ)
出荷制限
茨城県産 ホウレンソウ カキナ    パセリ
栃木県産 ホウレンソウ カキナ    原乳
群馬県産 ホウレンソウ カキナ

 農産物の規制に関しては、いわゆる、風評被害が、ひどいようである。今回は、以下の、当ブログの記事
    原発事故―放射能被曝量 (2011/3/26) 
の続編として、この風評被害について、触れることとしたい。

 これらの農産物については、出荷制限が、迅速に行われたため、市場に出回ることはなく、消費者側から見れば、どれも安全な筈なのに、リストアップされていない野菜の値段が、風評被害で、暴落しているようだ。生産地の農家やJAにとっては、出荷制限を受けている野菜だけでも深刻な上に、関係のない品目まで敬遠されると言う、ダブルパンチで、死活問題になっている。

 出荷制限に関して、産地と品目について、規制/非規制で分けると
   産地についてーー規制産地(A、B、C-----)/非規制産地(a、b、c-----)
   品目についてーー規制品目(い、ろ、は-----)/非規制品目(イ、ロ、ハ-----)
があるので、組み合わせとしては、
   ①A-い、②A―イ、③a―い、④a―イ
の、4つのパターンがある。現在は、
   ① A産の野菜の、い、が出荷制限
されているわけであるが、風評被害と言われるのは、 
   ②  A産の野菜は、イ、も危ない  例:福島県でのキュウリの暴落、 
   ③  a産の野菜の、イ、も危ない  例:埼玉県産のホウレンソウも売れない
  (④  日本の農産物はどれも危ない  例:外国での輸入規制)
のパターンであろう。 
 出荷制限については、県単位ではなく、市町村などの地域単位にして欲しい、という、JAなど、生産者側の要望が出されて、考慮される方向のようだ。一方、制限の解除について、今後、早急に、再検査(3回)を実施して判断する、との政府の意向が、漸く、示されたようだ。
 でも、事故が収束できず、被害が拡大しつつある原発事故の現状からして、残念ながら、当面は、解除ではなく、規制が強化される方向かも知れない。 
 今回の放射能汚染に関する風評被害について、いくつか触れることとしたい。

◎事故の終息に向けての見通しが見えない状況の中では、消費者として、先ず、最も関心があるのは、身近な放射能汚染問題に、どう対処するか、という身の廻りの安全性だ。安全が確かめられず、不安があると、どうしても敬遠しがちになり、風評も気になって来る。 
 又、買い物をする時、制限されている産地や、品目について、きめ細かに、ちゃんと記憶しているとか、メモを持ち歩くなどは、普通には難しいことだ。
風評被害と言うと、根も葉も無い出鱈目な情報に惑わされている、などと、言われるが、今回は、簡単には片付けられない様に思う。報道や、ネットで、連日のように示されている、安全性に関する情報が、難解で良く理解できないことが、大きな理由の一つに思える。
 情報伝達手段が多様化している現在での、社会心理学的な分析は、専門家に任せるとして、自分なりに、以下の様な事項を指摘したい。 
 
◎地域や品目について出荷制限等を行うに当たって、如何に客観的にデータを採取し、都合の悪い事項も隠ぺいすることなく公表しているか、と言う、政治や行政に対する信頼感が基本条件となる。政治や行政が、護ってくれている、というこの信頼感は、現状では、しっかり存在していると思う。これが崩れると、風評だらけ、となってしまうのだろうがーーー。
 
 その上で、危険な野菜は出荷制限をしているのだから、市場に出回っている野菜等は、産地や品目に関係なく、すべて安全である、ということを、大々的にPRすることだ。このことなら、国民の誰でもが理解できることで、後は、難しい事は分らなくてもよく、お上に、任せておけば安心、という、日本古来の、お上意識に頼ればいい。 

◎でも、現在の日本人には、規制に関係する行政や関係機関等を信用せよ、と言われても心配で、自分でも納得したい、という多くの国民が居る。又、お上と国民の間にあって、社会の木鐸たる、TVや新聞などのマスコミが、厳しく監視し、分りやすく報道してくれている(と、信じている)。このことから、規制の内容や、実際の観測データ等が公表されており、これによって理解を得ることも、重要となっている。
  
 放射能や放射線被曝に関する知識は、自分も含め、一般の国民は、殆ど持ち合わせていない、といえる。にも拘らず、提供される情報は、個別的で全体がよく見えず、極めて難解で、又、表現が曖昧なのである。 
TVの生中継で、現場で奮闘する東京電力関係者の記者会見の模様が、良く放映される。あの発表は、マスコミ関係向けに行われていると思われるが、テレビの視聴者には、良く分からない。会見場では、資料が渡されるようだが、TVでは手許には資料が無いのだ。
 又、質疑応答の様子も伝えられるが、殆ど聞き取れない質問に対して、回答だけが聞こえてくる。緊迫した、臨場感だけは、良く伝わってくるのだがーー。
 間に入った報道関係者が、分りやすく解説する努力は、してくれるのだが、掘り下げが不十分で、果たして、ご本人は、疑問に思うことは無いのかな、と思いたくなる時もある。

 これらの事も、放射能汚染問題での生活の不安感を増し、風評被害を助長する原因になっている、と思われる。

◎放射能汚染に関わる食品の安全性については、3月17日に、厚労省から、関係機関へ通達の形で出され、公表された、下記の
  食安発0137第2号  「放射能汚染された食品の取り扱いについて」
が基本になっている。 自分の場合、放射線被曝等について、ネットで検索している時に、この通達の存在を知ったのだが、それは、水道水や野菜の汚染が具体的に問題になる直前の、3月20日であった。
 この通達では、一覧表の形で、放射性物質別、食品品目別に、指標値が示されている。通達の宛先が、行政のその筋の関係者になっているからであろうか、国民の立場で見ると、きわめて難解で、不親切に思える。
あれこれ調べて、自分なりに、何とか理解した結果が、前述のブログ記事なのである。

 通達を改めて見て見る。
 一覧表の中で、放射性物質として挙がっている
    放射性ヨウ素131、放射性セシウム、ウラン
の名前は、何処かで(核実験、原発事故等で)聞いたことがあり、説明は無いのだが、今回の事故で、飛散すると推測される、主要な物質だろうと推測できる。4欄目にある、プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種(8種もの物質名!)は、その他、位になるのだろうか?   

 次に、摂取制限の指標値の欄に出ている、飲料水、野菜類等の食品群名は、誰にでも分るものだが、問題は、Bq/kgという、単位である。
 Bq、ベクレルという単位は、当初は面喰ったが、報道などで繰り返されたことから、放射能の強さや、放射性物質の量に関する単位、と言うことが、何とか分って来た。(他に、放射線被曝量をあらわす、シーベルトという単位もあるので、ややこしいのだがーー。)
 表で、食品群毎に示されている指標値は、この値を越えたら、その食品は危険だ、と言うことも、おおよそ分った。 例えば、飲料水に関して、東京都の水道水が、注)にある、乳児用の値100Bq/kgを越えたから、規制され、ミネラルウォーターが、売れたり、行政から配布された、ということだ。ここまでは、自分も含め、大半の人は理解できたと思われる。

 問題なのは、ここからである。自分は、先ず、以下のような思考を巡らせた。
 ・単位がkg当たりなので、水も、野菜も、肉も、魚も、毎日、1kgづつ食べると危険ということ? こんなに食べること は、あり得ないのだがーーー。
 ・野菜では、2000Bq/kgとあるから、1kgでなく、100gだったら、危険度は1/10になり、10倍、安全性が増すということだろうか?
 ・想定期間の事は何処にも書いていないが、摂取期間が短ければ、危険性は減る訳で、仮に想定期間が1年ならば、制限値を越える食品を1カ月食べると、危険度は1/12だけ増えると言うこと?
などと、疑問符(?)だらけの、堂々巡りになったのである。

◎ネットであれこれこれ調べていくうちに、一昨日になって、内閣府の中にある、「食品安全委員会」の記事中の、Q&Aにある説明によって、先の安全基準で、明示されていない、重要な前提条件が判明したのだ。これで、堂々巡りから解放されたのである。
 即ち、先の安全基準の一覧表にある指標値は、日本人の「平均的な摂食モデル」を想定し、「1年間」で、摂取する各種食品の量(できれば、この数値を、入手したいものだがーー。年間の摂取量を、意図的に1/2にすれば、危険度も1/2になろう)を想定し、放射性物質で汚染される可能性の高い食品群毎に、放射性物質を割り振り、食品重量当たりの摂取限度量を示したものだ、ということである。  
 従って、例えば、放射性ヨウ素131が指標値を越えて含まれている、水や、牛乳や、野菜や、肉や魚を、日本人の通常の食事パターン(実際は不明だが、一日3食、毎日など?)で、1年間食べ続けたら、危険である、と言うことだ。この場合、食べた放射性ヨウ素が体内に蓄積され、これが放射線を出すので、内部被曝するという、医学的な知見が基本的な前提となっている、のは当然であろう。 
 このような、「平均的な摂食モデル」で「1年間」、という重要な2つの条件が、安全基準の中で示されていないことは、国民の理解を広める上では、極めて問題である。
 これを解決する、具体的な提案としては、例えば、表の下に、下記のような注)があればいいと思われる。
 注)この表は、日本人の平均的な摂食モデルから、各食品群の、1年間の摂取量を想定し、放射性物質の許容量を割り振ったものである

 この指標値を越えた場合は、その食品の摂取はNO、と、明快に言い切るのが良い。乳児用の水が問題になった時、ミネラルウォーターが無い時は、水道水でも大丈夫、などと、曖昧な事が言われて、聞く方は惑わされた。乳児の飲み水を控えた場合、脱水症になる危険性の方が、もっと問題だ、などとも言われた。
 この場合は、期間が重要で、事故が治まるまで危険な水道水を使わざるを得ない期間が、仮に、3か月とすれば、安全性が、3/12=1/4だけ減少する、と言うことで、まだ3/4の余裕は残されている、と言うことは、はっきり言えることと思われる。 “実際は、可なりの安全性を見ているから、そんなに問題ではない” などと、専門家は、曖昧に仰るので、素人は、すっかり混乱してしまう。 
 
◎この安全基準に関することで、自分として混乱した、もう一つの事に触れたい。
 放射能汚染に関する、食品の安全基準については、3/17に暫定基準値が公表された訳で、ベクレルと言う単位で示されている指標値について、その内容は、自分なりに、理解できている、と思っていた。
 一方、先だっての発表後、取り急ぎで数回、食品安全委員会の会議がもたれ、現行の暫定基準値の再評価が行われたようで、3月29日の最終会合後に、その審議結果が公表された。会議の結論としては、指標値はこれまでとは変えない、ということのようだが、放射性セシウムについては、少し規制を緩めては、という意見も添えて、厚生労働省に、げた を預けたようだ。 

 当日の、これに関するTV報道を見て、安全基準の単位は、ベクレルBqと思っていたのに、いつの間にか、単位が、シーベルトSvに代わっている!? と思って、驚いたのである。
 Bqは放射能の単位で、放射性物質の量を表し、Svは、放射線の被曝量を表す単位で、2つの単位間での変換係数もある事は、承知していたのだ。 
 委員会では、現行基準で、ヨウ素は2mSv、セシウムは5mSvとしている数値を、見直す必要があるかどうか、を議論したようである。時あたかも、原発事故の作業現場で、タービン建屋の地下で、高濃度の汚染水が検出され、水の表面近くでは、1000mSv以上の線量が観測された、等、のニュースが流れていた。この様な時点で、放射性ヨウ素は2mSv、放射性セシウムは5mSvという話が出てきたので、自分としては、すっかり混乱してしまったという訳である。

 あれこれ調べていくうちに、これについても、31日になって、漸く、謎が解けた。  
 即ち、体内に摂取された放射性物質から出る放射線による、内部被曝量の許容値が決められているようだ。勿論、これは、医学的知見に基づくものだろう。この許容される線量が、放射性ヨウ素では2mSv(甲状腺等価線量は30mSv)のようで、これは、ICRPでの基準に基づいて決められている、という。
 先述の摂取モデルから、各食品の年間の摂取量を算出し、この線量を、各食品に割り振り、それを、放射性物質の量に直して、Bqの単位で表したものが、暫定基準値の一覧表である、と言うことが分ったのである。
 同様に、セシウムについても、内部被曝の許容線量が、5mSvとされており、これが各食品に割り振られて、Bq値で表示されているのであり、その他の物質についても同様であろう。

 安全基準では、ヨウ素に比べてセシウムの方が、指標値が小さく(厳しく)なっているのは、前者より、半減期が長い後者の方が危険だから、と理解している。
 一方、安全基準の前提になっている、許容される内部被曝量の線量では、ヨウ素が2mSv、セシウムが5mSvと逆になっている(ヨウ素の方が厳しい)のはなぜだろうか。
 これは、推測だが、体内に取り込まれる時、良く言われているように、ヨウ素は半減期は短く、危険性は低いのだが甲状腺に集中しやすく、セシウムは、半減期は長いので危険性は高いのだが、体内では広く分散されるので、このような特徴を考慮して、安全基準がつくられている、と思われる。

 TVや新聞では、安全基準の前提となっている、内部被曝の線量についての、上述の様な説明が見当たらなかったので、混乱してしまった。放送しているキャスターや、記者の立場からして、もう少し分りやすく噛み砕いて報道することは出来なかったのだろうか。

◎今回の東日本大震災での原発事故に伴う問題は、深刻さを増している。その中で、放射能汚染問題は、計画停電と共に、首都圏に住む人間にとっても、最も身近で不安を呼び起こす、怖い問題になっている。
 放射線被曝問題は、唯一の原爆被爆国である日本と日本人にとっては、極めて、センシチブな問題で、関心の高い問題だ。放射能の問題は、原爆や戦争を思い出させる、或る意味、日本人の、トラウマとも言えよう。 
 今回の様な、4機もの原発が、同時並行的に故障すると言う大事故は、誰もが想定出来なかった未経験の惨事であるが、君子危うきに近寄らず、で、誰しも、できれば敬遠したい、と思うのは当然だ。でも、実際に起こった原発事故からは、逃げるわけにいかず、全国民的な問題と言えよう。
 原発事故の関係当事者のみならず、国民一人一人が、改めて、出来る限り知識を深めながら、事故に向きあい、状況を注視しながら、冷静に行動することが求められている。 
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