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つれづれの記

日々の生活での印象

e-Tax

2011年04月18日 00時37分39秒 | 日記

2011年4月17日(日) e-TAX


○例年の所得税の確定申告で、所管の税務署からは、早々と、申告用紙が送られてきたが、今年も、2/16~3/15の間に、行われた。
 確定申告は、かなり前の現役の頃から、EXCELを使って、収入等のデータを入力すれば、簡単に税額が計算できるようにしてあるので、申告用紙に転記するだけでよく、特に難しかったり、面倒なことではない。
 ネットを使った確定申告のe-TAXについて、国税庁は、5年間の普及キャンペーンを行っているが、今回分(H22年分)は、その、最終年度になっている。今回、e―Taxをやらなければ、最高5000円の税額控除が、受けられなくなるのは、何とも勿体ない上に、今後のこともあり、是非試してみようと、e-TAXに挑戦してみることとした。e-Taxついては、昨年の確定申告時に、凡その状況は把握している。
 若し、万が一、上手くいかない場合は、例年のように、申告用紙に転記し、証書類を添付するなどして、提出すればいいだけの事だ。
 
確定申告書等作成コーナーとe-Tax

○先ず手始めに、電子証明書の取得が必要だ。住民基本台帳カードは、大分前に、写真入りで、最寄りの支所(区民事務所)で作って貰い、既に持っている。カードがあるので、電子証明書は、簡単に貰えると思い、その支所へ行ったら、区内では、5つの特定の支所でしか扱っていない、と言う。仕方なく、指定された支所へ出直し、電子証明書を申し込んだら、手続きは、比較的簡単に、終了した。 途中で、住基カードの暗証番号が必要になり、普段使わない番号なので、うっかり忘れていて、慌てた。
 だが、有効期限の所で、予想しなかった、問題に出くわした。証明書の有効期限は3年だが、その前に、住基カードの有効期限は、あと2年程で切れるので、その後は、証明書も使えなくなる、と言うのだ。
 住基カードについは、有効期限(10年)が切れる前に、運転免許証や定期券のように、継続する手続きは、無いと言う。 新たに申し込んだ時から、10年間、有効になると言う。担当者は、手続きの不備を渋々認め、リクエストとして上げておきます、とお決まりのセリフながら言ってくれたので、引き下がった。勿論、電子証明書も新たに取得する必要があり、500円の手数料が必要になる。

○次は、パソコンに接続する、ICカードリーダーが、必要になる。都内の家電量販店で、NTT-COM仕様の、USB収容のカードリーダーを、3000円程で、買い求めた。箱には、公的個人認証サービス対応とあり、入手した。帰宅して、早速、添付のドライバーをインストールし、物は試しと、早速、住基カードや、交通用ICカードの、pasmoやSuicaをセットしても、読み取っている気配が無い。この機種に添付されている、説明書を良く見たら、非接触型カード対応とあり、接触型は、使えないとあるではないか! 手持ちの住基カードは、ICチップが見える接触型なのである。こりゃ、迂闊だった、接触型対応機種か、両型対応機種を買うんだった、と後悔したが、後の祭りである。
 この際、研究も兼ねて、接触型も買うつもりで、先日の量販店に行き、店員に尋ねた。店員は、買った機種の箱をみながら、この機種でも、接触型カードも扱えますね、と言う。箱を良く見ると、確かに、そう書いてあるし、更に、交通用に使われている、pasmoやSuicaのICカードが読める、「たどる君」という、フリーソフトもあることを、教えて貰った。
 帰宅して、早速、たどる君をダウンロードし、インストールし、いざ、交通用ICカードを読み込ませようとしたところ、
  ICカードリーダーを、バージョンアップしてください
との、エラーメッセージが出た! 買ったばかりのICカードリーダーを、バージョンアップしろとは、どう言うことか!
 結局、良く分からず、フリーソフトのたどる君の開発元に、メールで問い合わせて見た。その会社の担当の方から、2時間くらい後に、的確な情報を頂いた。
 その回答では、やはり、カードリーダーのファームウエアのバージョンが低いのが、エラーの原因、と言うことで、NTT-COMのサイトで、ファームウエアを入手するアドレスを教えてくれた。
 その通りにやって、ファームウエアを入手し、カードリーダーのバージョンを更新出来たことで、たどる君もすんなり使えるようになり、pasmoやSuicaの内容が、きれいに表示されるようになった、のは言うまでも無い。フリーソフトと言いながら、しっかりメンテしている、会社としての姿勢に、感心した次第。
 ICカードリーダーと住基カード

 購入した機種については、箱と、添付の説明書では、以下のようになっている
   箱    国税電子申告納税システムe-Tax対応 非接触型
         対応カード ICチップあり○ ICチップなし○
        交通乗車券の残高利用チェック「たどる君」対応
         ⇒疑問:なぜ、当初から、ファームウエアをインストールしていないのか?
   添付説明書 機種の説明本文:(注記)接触ICカードはご利用いただけません
         全機種の一覧表:(注記)すべての住民基本台帳カード、税理士カード利
                     用可能です。
         ⇒双方の表現が、矛盾している。説明本文で、接触ICカードでも、住民基本台帳カード、はすべて対応している、と明記すべきである。

 以上、カードリーダーのちょっとした騒動は、新たに買い足す必要も無く、結果としては、うまくいった訳で、いい、勉強になったのだが、箱や説明書の記述には、改善が必要と思われる。
 
○いよいよ、ネットのe-Taxにアクセスして、作業開始である。やはり、入口での、認証関係が、結構、面倒である。なり済まし防止等のための本人確認は、厳重である。作業用のパスワードも使ったりして、肝心の電子証明も有効となり、いよいよ、データの入力が始まった。
 収入関連のデータ入力は、そう面倒ではないのだが、往生したのは、医療費控除のためのデータ入力だ。この所、夫婦で病院通いをしている関係で、証書にして、300件くらいの、こまごまとしたデータなのだ。結局、1件1件、入力するしかなかった。ただ、慣れてくるにつれて、類似のデータの入力は、コピー機能を活用して、かなり効率アップが図られた。 
 データ量が多いので、一日で連続して完了するわけにいかず、作業を中断し、翌日に、再開する必要がある。調べたら、比較的簡単に、中断・再開が出来ることが分かった。
 途中までのデータを、e-Taxのセンタでなく、自分のPCにダウンロードして、保存するのである。このデータファイルを再び送信して、作業を再開できる訳だ。このようにして、数度、中断しながら、2日がかりで、主要なデータや、医療費控除のデータ等の入力が、無事終了した。

 キャンペーンでの、最高額5000円までの税額控除が、最も興味のあるところだ。納税額に応じて減税額が決まる、と思っていたら、大した税額ではないのに、ちゃんと5000円引いて貰えるようになっている、のには感激!
 収入から、各種控除を差し引き、最後に税額控除も行って、最終的に、所要納税額が表示される。納めるべき税額は、予め、自分のソフトで計算したのと一致したので、一安心。最後に、ネット経由で、申告データを送付して、手続きは、3月9日に完了した。
 若し、昨年のように、3月15日の期限ぎりぎりまで、申告作業を延ばしていたら、3月11日の大地震に遭遇してしまって、まともには、出来なかったように思われる。

○年金等の収入や、社会保険料等の支払いの証書類は、これまでは、申告書に貼り付けて提出したが、e-Taxでは、完全に自己申告制で、性善説である。でも、これでは、天下の税務署にしては、人が良すぎる! 訳で、別途、関係機関から、税務署にデータが送付され、1件毎に、クロスチェックを行うのだろうか。 或いは、昨年までの、通常の申告書に記載されている、データ類を、税務署で再入力し、それと、今年のe-Taxのデータを、照合して、違いが大きい時は、アラームを出すようなソフトなどが、あるのだろうか。
 証書類は、3年間は保存すること、となっているので、勿論、取ってあるが、これまで、何の連絡も来ていない所を見ると、問題はない、と税務当局は、判断したようだ。
4月22日に、指定の口座から、振り替えられる予定なので、それまでは、少し気になる所ではある。

 来年以降は、「おまけ」が無いので少し淋しいが、確定申告は、勿論e-Taxを利用する予定だ。今後、住基カードや、電子証明が、多くの方面に活用されていくことを期待したい。








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原発事故  レベル7に

2011年04月14日 12時44分29秒 | 日記

2011年4月14日(木)原発事故 レベル7に


○原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、 福島第一原発事故の事故レベルについて、12日、国際的な事故評価尺度(INES)に基づいて、レベル7と、発表した。これは、史上最悪と言われた、1986年のソ連のチェルノブイリ原発事故のレベルと、同じとなる。 
 事故のレベルは、各国が自己査定し、IAEAに報告するようになっているようだ。福島第一事故についての、国内関係機関の、評価の経過を見ると、
    事故当初  レベル4
    3/18  レベル5
   (3/25  朝日新聞が、レベル6と報道)
    4/12  レベル7 
と、深刻な方向に、変わってきている。

 事故レベルの判定は、主として、事故によって放出された放射性物質の推定量(単位ベクレル)を基準にしているようだ。
 新聞報道等によれば、各レベルの評価基準と、実際の事故での、推定放出量は、以下のようになっている。 
                                      TBqは、テラベクレル。

  レベル7 深刻な事故         チェルノブイリ事故 520万TBq
       数万TBq以上       福島第一事故     37万~63万TBq             
  レベル6 大事故 
       数千TBq~数万TBq
  レベル5 所外へのリスクを伴う事故  スリーマイル島事故
       数千TBq 

 日本では、これまでは、全体でなく、個別の原子炉毎に評価して、レベル5としていた、と説明しているようだ。もしそうなら、推定放出量を、単純に、事故になった、3機/4機で割ると
   (37~63)/3=12~21 万TBq
   (37~63)/4= 9~15
となり、やはり、レベル7になる。どうして、このような、単純で、すぐバレる釈明を、敢えてするのだろうか。

 原子力安全委員会としては、朝日新聞が報道する以前の、3/23の時点で、”レベル7相当と認識していたが、保安院にレベルの見直しは、求めなかった” という。この真意は不明で、自分には、釈明としか聞こえないのだが、深刻な事態になるリスクがあることを、公表して、国民や、世界に知らすべきか、伏せるべきか、悩んだのだろうか。癌の告知の是非、と似たような問題でもあろうか。
 当ブログでも、
   避難地域の見直し (2011/4/11)
の中で、触れてきたところであるが、今回は、避難地域の見直しなどはない、ようだが、どう言うことだろうか。 真実を知らせることなく、避難については、手回し良く実施していた、と言うことか。

○ここで、テラベクレルの、テラについて、触れたい。コンピュータの記憶容量等を表す時は、ギガ10**9 に続いて、テラ10**12 と言う単位も使われている。一方、日本語では、兆 に続く単位として、京 と言う単位があり、先日、この、京が、ニュースに登場した。国際的な、MKS単位系と、日本式単位表示との関係を、以下に示す。

    MKS単位    指数表示     日本式単位
     メガ      10**6    100万
  100メガ      10**8       億
     ギガ      10**9     10億
     テラ      10**12      兆
   10テラ      10**13    10兆
  100テラ      10**14   100兆
 1000テラ      10**15  1000兆
    万テラ      10**16      京  
  10万テラ      10**17    10京
 100万テラ      10**18   100京
1000万テラ      10**19  1000京

 10**3毎の、MKS単位と、10**4毎の、日本式単位とが、3と4の最少公倍数である12で、一致する単位が、テラと兆である。 今回、放出量で登場した単位、万テラは、京と一致し、10**16なので、、
   520万テラ=520京=520×10**16
などとなる。
   
○新聞報道によれば、今回の事故で、放出された放射能の推定量の算出根拠は、以下という。
                          単位: 万テラBq/京Bq

               福島第一   チェルノブイリ  
   放射性ヨウ素131    15万   180万
   放射性セシウム137   48万   340万     ヨウ素換算値
       計          63万   520万
  (原子力安全委と保安院とでは、見積もり数値が、多少異なるようだ)

 発表に当たっては、残存放射能の推定総量(放射性ヨウ素換算?)についても、以下のように示されたようだ。
  1~3号機 
    原子炉:運転中が自動停止⇒炉内に燃料棒が残っている
        事故当初:6.4億TBq⇒内、爆発等で放出されたのは、1/100程度の、37万~63万TBq 
        4/11時点:放出・自然減などで1/10に⇒0.72億TBqが残存
    1~3号機の保管プール:プール内の燃料棒⇒0.14億TBqが残存
  4号機   定期点検中で、炉内には、燃料棒無し
        保管プールの燃料棒⇒0.21億TBqが残存

  全体で、約1億TBqが残存している計算になる。

○福島第一事故は、これまでの放出推定値では、チェルノブイリ事故の1/10程度だが、今後、事故の処理が長引けば、放出量も増えるわけだし、本体の爆発等、現状よりも事態が悪化すれば、まだまだ、膨大な放射能が残存しているだけに、チェルノブイリに匹敵する値になる可能性も否定できない。
 今回の判定に対して、アメリカやフランスでは、想定内で妥当、としているようだが、ロシアでは、汚染地域の広がり(国外の北欧にまで及んだ)や人的被害(死亡者も)等から、評価が悲観的すぎる、としているようだ。

 現行の国際評価尺度に従えば、福島第一事故は、レベル7であることは、明白だ。チェルノブイリ事故と、同列ではおかしい、と言うのなら、尺度を変えればいい。大相撲で、最高位が大関しかなかった所に、横綱のポストをつくったように、例えば、放出量が100万TBq以上の、レベル8を新設し、チェルノブイリを格上げすればよい。

 冗談はさておき、日本の福島第一事故を、レベル7にせざるを得なかったことの、国際的な影響は、極めて大きいと思われる。
日本産の農産物は言うに及ばず、日本製の工業製品にまで、厳しい目が向けられることは、必定だ。 自社での検査だけでなく、公的機関の証明書が無いと扱わない、等の事態が、多数起こっているようだ。
 民生面を中心にした、国際的な日本支援の連帯の動きは嬉しいのだが、それに甘えることなく、経済活動、ビジネスの世界では、いささかの猶予も無い事を、肝に命じる必要があろう。どんどん他国に逃げて行ってしまうのを防ぐために、資金とマンパワーを結集して、早急に復旧、復興を成し遂げる、スピードこそ、勝負であろう。


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原発事故  避難距離の見直し

2011年04月11日 15時33分59秒 | 日記
2011年4月11日(月)原発事故  避難地域の見直し



○今日11日で、大震災後、1カ月である。地震と津波で被災した、宮城や岩手の地域では、仮設住宅の建設や、入居のニュースも流れる等、復旧・復興の動きも始まっている状況だ。
 だが、地震と津波に加え、原発事故被災地でもある、福島県は、先の見通しが全く無いまま、取り残されつつある。町や村全体で纏まって、遠隔地に避難したところもあるが、南相馬市などは、現在、市内に、
   避難地域、屋内退避地域(自主避難地域)、一般地域
の3地域を抱えるだけに、市長の悩みは深いようだ。

○今回の原発事故では、地震後、避難指示地域が設定され、時間の経過につれて、原発からの直線距離が、同心円状に、
   3km→10km→20km
と、拡大されてきている。
 又、その外側の、20~30km圏も、屋内退避指示地域に指定されているが、その後、この地域に対し、屋内退避から、自主避難へと言う、曖昧な勧告がなされている。
 そして、4月6日になり、距離だけでなく、積算被曝線量の考え方も考慮に入れて、避難地域を広げる方向で見直す、と発表され、震災1カ月後の、今日の4月11日を目途に、見直し結果が示されるようだ。
 この中で、避難地域でなく、立ち入り禁止の警戒区域とする一方で、例外的に一時帰宅等を認め、その場合の、防護方法なども含めて、検討されるようだ。
 日本の、原発の防災対策では、原発から8~10km圏は、万一の事故に備えて、避難対象地域になっているようだが、今回のように、更に広範な地域の管理は、わが国では、勿論、初めての経験である。

○当初、避難勧告や屋内退避勧告が行われた時の、根拠や前提が、良く見えなかった。
 先ずもって、この指示が
   ①今は安全だが、万が一の時の危険を避けるため、
なのか、
   ②今、既に危険だからなのか
のどちらなのか、がはっきりしない。知る範囲では、これについての説明は無かった。
 事故発生当初は、余り深刻でない事故、の様なニュアンスがあり、常識的に、前者の①と考えられたのだが、水蒸気爆発による建屋の破壊で、大量の放射性物質が飛散し、原子炉本体や保管プールでの、燃料棒の溶融という、極めて深刻な事態が、ほぼ現実になっている今は、後者の②になっている、と考えられる。当初、万が一と想定した事態が、現実のものとなっているのだ。

○又、調べていく中で、原子力安全委員会が決めている、避難、退避の指針値があることも明確になった。それによれば、原発周辺の空中での被曝線量が
   一般人の屋内退避  10mSv以上~50mSv以下
   一般人の避難    50mSv以上~
となっている。 この値の単位が、時間当たりなのか、積算値(例えば1年間)なのか、が、曖昧なので混乱したが、常識的に、後者の、1年間の積算値と考えた。
 1年間の積算値とすると、時間当たりの線量に直せば、1年365日=8760時間だから、
   屋内退避地域の線量値  1.1416μSv/時 以上~
   避難地域の線量値    5.7078μSv/時 以上~
が、屋内退避や避難の目安となる。

 30km圏内にある、避難地域、屋内退避地域(自主避難地域)での、線量は、現状では、どの位になっているのだろうか、知りたい所である。然るべき機関が、定期的に測定し、公表しているのだろうか。
 先日の7日、多数の警察官が防護服を着て、一斉に避難地域に入り、捜索活動を行った。NHKの記者も同行したのだが、どのくらいの線量だったのかは、残念ながら、伝えられなかった(報道しない様に、と言われていた?)。

○一般人が、1年間で被曝してよいとされる、人工放射線量(年間積算値)は、ICRPの勧告に基づいて、1mSv以下、とされている。
 この値は、退避地域の年間被曝量上限値10mSvの1/10であり、年365日間の平均では、
   10mSv/(24*365)=0.11416μSv/時
となり、この数値が、一つの目安になる。
 空中線量は、水蒸気爆発が多発した、3/14の2日後くらいが、ピークだったようだ。7日時点での、各地の大気中の放射線量の観測値を見ると、この値を越えている地点が、福島県浜通りや茨城県の海岸沿い、栃木県北部、宮城県南部、等に、多数見受けられる。
 8日や、その後のデータでは、低下傾向にはあるが、これらの地域での線量は、長期的な、増減傾向で観察する必要がある。事故が現状より悪くならないとしても、終息が長引くと、無視できなくなる事態もあり得よう。 
 万が一、これ以上深刻な事態である、原子炉本体(圧力容器、格納容器)の爆発などは、絶体にないように、と祈るような気持である。 

 この所、30km圏外の福島県飯舘村での観測値が、話題になっている。11の観測点での、11日間の積算値が、10.5mSvで、たった11日間で、屋内退避地域の、年間被曝量の積算値(10mSv)を越えている、という。時間当たりの線量にすれば、39.77μSv/時、と、極めて高い値である。言うまでも無く、この値は、避難地域の年間被曝量さえも、遥かに越えている!
 又、9日夜のNHKスペシャルでの報道では、飯舘村の掲示板に貼り出された、その日の空中線量は、18.6μSv/時で、計算するまでも無く
   1日で  18.6×24=446.4μSv/日
だから、2~3日で、年間被曝量の規定値 1mSvを越えてしまう、という値だ。

 ICRPでは、一般人が、1年間で被曝してよい、人工放射線量(年間積算値)に加えて(前述)、短期間(週や月程度のオーダー?)で、20m~100mSvを越える強めの放射線被曝がある時は、対策が必要、という勧告も行っているようだ。具体的には、簡単な防護や、屋内退避、一時的な避難など、となろうか。
 いずれにしても、30km圏外の地点だけでなく、30km圏内の地域での、線量の状況について、定期的に調査し、公表すべきと考える。得意の、無人の車やヘリで、測定出来るのではないか。
 これらの事から、6日の官房長官の会見では、30km圏外でも、積算値を見て、避難を勧告することもある、と述べており、今日にも、新たな、避難勧告の指標値や地域等が示されよう。

○事故当初、物流車両の運転手が、屋内退避地域には行きたがらないので、退避地域側から、規制地域の外に出かけて、物を受け取りに行く、というのがニュースになった。
 首都圏から、宮城や岩手に物資を運ぶトラックが、東北道ではなく、わざわざ日本海ルートを採っている、とも聞いた。放射線被曝についての知識を、殆ど持っていない一般国民からみると、不安はぬぐえず、これを、単純な、流言飛語に惑わされている、などと、決めつける訳にはいかない。

 事故後直ぐに、米国は、福島原発から、50マイル(80km)以内からは、避難するように、米国籍の住民に、呼び掛けたようだ。英国や韓国も同様のようだ。 日本の13マイル(20km)と比較すると、4倍もの違いである。
 事情を良く把握しにくい外国人には、安全サイドで行動するようになるのは、色んな事故やトラブルや政情不安の時も同じだが、それにしても、違いが大きすぎる。被曝の危険性に対する尺度が、異なるのだろうか。

○4/8の朝日朝刊によれば、過去の1986年(25年前)の、チェルノブイリ原発事故の時は、規制地域が、土壌汚染を基に決められ、
    汚染地域:放射性セシウム137が、3.7万Bq/m2以上の地域
         広さ14.5万km2(日本の面積の約4割) 住民数約600万人
    強制移住地域:放射性セシウム137が、55.5万Bq/m2以上の地域
         広さ約1万km2(岐阜県相当) 住民数約27万人
としたようだ。 放射性セシウム137の、30年という長い半減期を考えると、強制移住は、何時まで、継続されたのだろうか。現在は、どうなっているのだろうか。
 ここで、注意すべきは、チェルノブイリ事故では、土壌汚染を基に、規制地域が決められていることだ。しかも、その単位が、Bq/m2である。これは、日本の土壌汚染の表示単位 Bq/kgと異なっているのである。
 一方、福島第一事故では、規制地域の設定は、大気汚染を基にしていて、単位がSv/時になっている、というだ。
 両者の関係はどうなるのか、現時点では、不明であるが、先述の、米国等の避難基準も、チェルノブイリと同様に、単位が、Bq/m2になっているのかも知れない。

 一方、チェルノブイリでは、強制移住地域に住み続けた人たちが居るようだ。これらの人達が、86年~20005年の間に受けた、放射線被曝量(積算)の平均値は
    汚染地域    10~20mSv
    強制移住地域  50mSv以上
と推定され、キノコや野菜を食べ続けたので、体内に、放射性セシウムが、500~50000Bq位、蓄積していると言われるが、特段の健康被害は、報告されていない、ともいう。   

○原子力事故のレベルについての、日本政府の姿勢が頂けない。事故当初、原子力安全・保安院は、国際原子力事象評価基準(INES)に従って、今回の事故のレベルを、レベル4とした。其れが、3/18になり、リスクが増したとして、従来のレベル4から、レベル5に引き上げた。
 レベルの変更に当たって、事故のリスクがどう変わったのか、避難地域等の変更はなぜしないのか、等についての、保安院の説明が無く、不思議に思った。現在の様な汚染の事態を、見越してレベル5にしたのであれば、国民に対する、緊急事態の説明が全くなっていなかった、と言える。
 レベル5の事故は、これまでは、米国スリーマイル島原発事故があり、それと、同レベルとなったということで、国際的には、極めて大きなインパクトであった。
 ただ、スリーマイル島事故では、炉心溶融が起こって、燃料棒が、コリウム(corium 炉心溶融物)と呼ぶ塊になっていたようだ。コリウムの内部は、2千℃以上になる事もあると言う。福島第一では、その時点では、制御棒も働いているので、そこまでには至っていのでは、などとされた。でも、現時点では、福島でも、燃料棒の溶融は、ほぼ間違いなさそうである。

 9日夜のNHKスペシャルの情報には、驚かされた。スリーマイル島事故では、直後に
   強制避難地域  8km圏内
   自宅退避地域 16km圏内
が設定され、実行された。だが、3日後には、炉心の冷却系が回復できて、冷温停止状態になったと言う。そして、信じられないことだが、10日後には、避難が解除され、帰宅出来たようだ。それでも、事故になった原子炉内部に近付き、写真撮影ができたのは、3年後と言う。
 3/25、朝日新聞は、朝刊1面で、福島第一事故は、スリーマイル島事故のレベルを越え、レベル6相当だ、と刺激的に報道したのだが、その時は、何を早まって不安を煽るのか! と思ったのだが、今や、そのようになっている、と言えよう。
 歴史上最悪の事故と言われる、ソ連のチェルノブイリ原発事故は、試験運転中に、炉心自体の水蒸気爆発が起こったようで、最高のレベル7にランクされている。福島第一原発事故は、質的には、チェルノブイリよりは深刻さは低いものの、放射能の放出量では、スリーマイル島事故を遥かに凌ぎ、世界第2位にランクできるようだ。
 それにしても、事ここに至っても、事故レベルは、レベル5のままで、それ以降、変えていないと言うのは、保安院は、どのように考えているのだろうか。
 その筋の関係者や専門家には分っているが、国民には、はっきり言わずに、曖昧にして、不安を煽らない、と言う配慮も必要だろうが、悪い情報も、正しく伝えることも、重要である。

○スリーマイル島事故の例から、素人的に類推すると、福島第一事故では、これ以上悪くならない、という、楽観シナリオで、
    冷却系の確立まで(冷温停止状態維持)      数か月(4機あるので大変)
    原子炉の安定まで(コリウムや燃料棒が常温化)  半年~2年
    避難先からの帰還まで(生活環境の確保)     2・3年目~
    農水産業の回復まで(土壌の改良・選択養殖)   3年目~
    廃炉解体開始                      10年以上後~
などとなろうか。原子炉から3km位は、長期間の危険地域となるだろうか。

 三宅島地震噴火での全島避難の例でも、帰島までには数年を要している。それと比べても、今回の原発事故災害は、怖い放射能相手だけに、より深刻である。
 今後、更に爆発等の事態が起こる悲観シナリオでは、もっと長期化し、廃村等も避けられまい。

 重要なことは、このようなシナリオや見通しを、専門家の意見を踏まえ、関係筋から、公表し、事態の深刻さを共有して、対策を強化することである。
 他地域での、一般的な災害復興対策等とは別建てで、東日本原子力災害復興法等をつくって、取り組まなければならない。
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卒業式と「贈る言葉」

2011年04月09日 12時25分46秒 | 日記
2011年4月9日(土)卒業式と「贈る言葉」 
 

○春は、学校では、卒業と入学のシーズンである。この春は、東日本大震災で、被災地のこれらの風景は、いつもと違った。
 水をかぶった学校の、職員室の中から、用意していた卒業証書を見つけ出し、丁寧に泥を拭いても拭ききれず、汚れの残る卒業証書を、卒業式で手渡している風景があった。貰った子にとっては、一生忘れられない、宝となるだろう。
 ごった返す避難所の体育館の隅に、何とかスペースを作り、ささやかながらも、心のこもった卒業式を行った、地域もあった。
 これまで一生懸命に練習してきた「道標」の楽譜を見つけ、ピアノで伴奏する子もいたし、一昔前の定番の歌だった、仰げば尊し を素直に歌う、若い子たちもいた。

 一方、原発事故に伴う避難で、遠く離れた学校に転校する子を、暖かく迎える小学校の、入学式もあった。 転校してきた子に、下足袋を、新しく縫ってあげたり、運動着を集めている風景も、印象的である。
 被災した学校の瓦礫の中から、先生やボランティア達が、汚れたランドセルや筆箱等を、懸命に探し出してくれた。 この中から、自分の持ち物を見つけ、久しぶりに再会した友達と喜び合う、始業式の風景もあった。

 学校では、いじめ、などの話題が絶えない昨今だ。今回の大震災は、学校だけでなく、地域の日常生活の中でも、置き忘れて来ていた
   思いやり、やさしさ、心使い、御もてなし、お互い様、恩返し
などの感情を、自然に表に出せる心を、呼び醒ませてくれたようだ。人は、自分一人では生きられない、と言う、原点である。
 災害を乗り越えて、そこから立ち上がっていく、若い力に、これからを託したい。

○大震災の最中の、3月27日に、TBSで、スペシャル番組で放送された、3年B組の金八先生の卒業式も、又、感動的であった。
 理科の授業中に、教師に暴力を振るう、荒れた生徒が居た。その子を、見捨てることなく受け入れて、寄り添ってやろうと、職員室の教諭達や父兄に対して、土下座までして説得して回る、金八先生の姿勢は、余りにも立派で、出来過ぎの感はある。 
 が、切り捨てることなく、とことん付き合うことで、校内の空気が次第に変わってきて、その札付きの子も、まともになっていく、と言うストーリーだ。以前、この3年B組在学中は、名だたる悪だった卒業生たちも、今や、皆が、金八先生を応援したのである。
 最後に、金八先生自身が退職と言うことで、先生自身の卒業式が行われた。 そこには、番組の中で、一役買った卒業生も含め、沢山のOB・OGが参加し、金八先生の卒業を祝ったのである。

金八先生(ネットのサイトから借用)

 先生が、壇上から、一人ひとりの名前を、延々と読み上げる風景は、単調な繰り返しだったのだが、何故か、時間の経つのを、忘れさせてくれた。
 劇中劇の様な感じで、ドラマとしての先生の卒業と、32年に亘る長寿番組の終了という意味の卒業とが、二重写しになって、素晴らしく、全員で合唱した、「贈る言葉」は感動的であった。
 これまでの32年の間、自分は、この番組は何度か見たが、金八先生の桜中学と近くの河川は、今住んでいる足立区の、荒川と近くの中学校が、主な舞台となっている。

○海援隊の「贈る言葉」は、よく知られた歌だが、この歌は、この番組の、最初のシリーズの主題歌でもある。
 メロディは、音域も丁度よくて、歌いやすく、リズミカルである。 4拍子の2拍目から入る、
   ●オクル・コトバアアア●● (●は4分休符、・は8分休符の積り)
が何度も出てくるのが、親しみやすい。
 いまでも、卒業式で歌われる、人気の曲の一つのようで、当ブログの、下記の記事でも触れている。
    卒業式の歌 定番曲ベストテン (20011/2/12)

 今回、この歌の歌詞を、以下に、引用させていただき、改めて読み直して見た。

海援隊 贈る言葉  作詞:武田鉄矢 作曲:千葉和臣

暮れなずむ町の 光と影の中
去りゆくあなたへ 贈る言葉
悲しみこらえて ほほえむよりも
涙かれるまで 泣くほうがいい
人は悲しみが 多いほど
人には優しく できるのだから
さよならだけでは さびしすぎるから
愛するあなたへ 贈る言葉

夕暮れの風に 途切れたけれど
終りまで聞いて 贈る言葉
信じられぬと 嘆くよりも
人を信じて 傷つくほうがいい
求めないで 優しさなんか
臆病者の 言いわけだから
はじめて愛した あなたのために
飾りもつけずに 贈る言葉

これから始まる 暮らしの中で
だれかがあなたを 愛するでしょう
だけど私ほど あなたのことを
深く愛した ヤツはいない
遠ざかる影が 人混みに消えた
もうとどかない 贈る言葉
もうとどかない 贈る言葉
 
○以下は、この歌詞を、自分なりに解釈したものである。
 (  )は場景 、「  」は贈る言葉、{  }は贈り主の気持ち、
 →は意訳、⇒は自分のコメント である。

(暮れなずむ町の 光と影の中)
(去りゆくあなたへ 贈る言葉)
 ⇒はじめに、暮れなずむ、光と影の、ほの暗い、静かな風景が、目に浮かぶ。
  ここにある、去りゆくあなたへ「贈る言葉」は、一体、何、なんだろうか?
「悲しみこらえて ほほえむよりも、涙かれるまで 泣くほうがいい」
「人は悲しみが 多いほど、人には優しく できるのだから」
 →悲しみに遭った時は、それを堪えて、無理に微笑んだりするよりも、自分に素直になって、涙が涸れるまで思う存分、泣く方がいいよ。
  なぜって、悲しみを多く味わうほど、人の気持ちが分り、今度は、人に優しくできるのだからーーー。
{さよならだけでは さびしすぎるから}
{愛するあなたへ 贈る言葉}
 →「さよなら」という言葉を贈るだけでは淋しすぎるので、この言葉を、愛するあなたへ贈りたいのだ

{夕暮れの風に 途切れたけれど}
{終りまで聞いて 贈る言葉}
  →夕暮れの風で、ところどころ途切れて仕舞ったけれど
   終わりまで、次の贈る言葉も聞いてくれ!
「信じられぬと 嘆くよりも、人を信じて 傷つくほうがいい」
「求めないで  優しさなんか、臆病者の 言いわけだから」
 →人は信じられない、と嘆いて逃げるよりも、人を信じる勇気もって、裏切られたら 傷つく方がいいのだ。
  なぜなら、人にやさしさなんかを求めるのは、臆病者である自分を弁護する、
  言いわけなんだから
{はじめて愛した あなたのために}
{飾りもつけずに 贈る言葉}
 →これは、初めて愛した、あなたのために
  飾ることなく、贈る言葉なんだ

 ⇒ここまでは、一歩踏み込んでいるので、逆説的に聞こえ、理解しずらい感もあるが、平易な言葉で、人間関係の機微を表した、何と、素晴らしい言葉だろうか、と思った。 
  紋切り型風に、素晴らしい人生訓、処世術、などと呼びたくない、深い言葉である。
 
 ⇒そして、最後のフレーズは、相手に贈る言葉、と言うより、主人公の、心の叫び、とでもいえようか。大声で叫びたい思いを、じっと抑えて、静かに見送る姿であろうか。
「これから始まる 暮らしの中で、だれかがあなたを 愛するでしょう」
 →あなたのこれからの人生で、きっと誰かが、あなたを愛するでしょう、
 ⇒あなたの未来に、期待と信頼をよせています!
「だけど私ほど あなたのことを、深く愛した ヤツはいない」
 →分っているだろうか? 誰よりも、あなたのことを深く愛したのは、この私だ。 
 ⇒これからも忘れないよ、つらいことがあったらいつでも来いよーー。
 親しみを込め、自分を、ヤツと、呼びつつ、見返りを求めない姿勢だろうか
(遠ざかる影が 人混みに消えた)
(もうとどかない 贈る言葉)
(もうとどかない 贈る言葉)
 ⇒この最後の言葉(叫び)は、もう、届かないだろう。届かなくてもいい、という思いであろう。映画のラストシーンを見るように、抒情的である。

○この歌は、主人公である「私(ヤツ)」から、「去りゆくあなた」に贈る言葉である。 
 番組の主題歌であった事を考えると、第一義的には、先生の立場から、卒業生に対して贈ったもの、であろう。其れは、見送る人の淋しさの思い、というより、旅立ちの行く末を信じる、静かな歓び、心の強さ、と言えるのではないか。

 作詞者の武田鉄矢氏が、故郷の九州で過ごし、若くして、そこを後にするまで、母君との間で、多くのエピソードがあったようだ。この歌は、夕暮れの人混みの中に消えていくように、去っていく我が子を見送る、その時の、母の気持ちを表している、ようにも感じる。
 振り返って欲しいような、欲しくないような、じっと自分の気持ちを抑え、後ろ姿を見送る姿である。

 この「贈る言葉」は、去っていく卒業生や我が子や愛する人だけでなく、悲しみに遭っている人たちや、人間関係に悩む人たち、などなど、多くの人たちが受け取れる、メッセージでもあろう。

 





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原発事故  土壌の汚染

2011年04月07日 18時54分37秒 | 日記
2011年4月7日(木)原発事故  土壌の汚染


◎原発事故の現況
 昨日までの状況では、ピットの亀裂から漏出している、高濃度(基準値の750万倍!)の汚染水の流出は、完全に止まったようで、一安心である。
 でも、海中に漏れ出ている場所は、他には無いのだろうかと、心配である。海に面している敷地の長さからして、水面下の海中も含め、地震による亀裂が、他にも幾つかあるのでは、と考えるのは、素人なら、誰もが思うことだがーー。
 出口の一つは塞げたのだが、入口の経路については、未解明だ。 時間との勝負になるが、出口を止めたままでは、いずれ、満杯になり、再び、溢れだすのは、これも、小学生にも理解できる、自然の理だ。
 一方で、冷却用の水の注入を、ぎりぎりまで抑えては居るものの、止めるわけにはいかず(500トン/日?)、この水が、高濃度の汚染水となって、何らかの経路で、漏れ出していた、と考えられている。

 集中廃棄物処理施設のタンクも、空(カラ)に出来たようなので、ここに、汚染水を急いで移動し、タービン建屋内で修復作業が行える環境をつくらねばならない。2号機タービン建屋内だけでも、2万トンの汚染水があると言われ、これを移動するのに、数日もかかる! といった情報もある。
 学校のプール一杯は、25m×10m×2mとすると、約500トンとなるが、あれを、空にしたり、満杯にするのに、通常は、どの位かかるのだろうか。2万トンは、その40倍にもなる、かなり大きな値になる。
 単純な計算では、沢山のポンプを並列に使えば、所用期間は、いくらでも短縮できるわけだが、火事場での消防車のようにはいくまい。汚染水の移動に使われた、ボンプや、ホース等は、すべて、高レベルの放射能汚染物として、長期間かけて、廃棄処理しなければならなくなるわけだ。
 タービン建屋内での回復作業で、冷却系が戻ればしめたものだが、でも、その保証はないのだ。移動作業には危険性もあり、大量の廃棄物が出来たとしても、この限られた時間を生かすために、今は、万事を尽くして、やってみるしかない、と考える。 

 原子炉本体の、圧力容器内や、格納容器内の水素、酸素濃度を制御し、これらによる爆発を回避するために、窒素ガスの注入が開始されたようだ。若し、本体が爆発したら、建屋が吹っ飛んだ、先だっての爆発とは、比べ物にもならない、極めて恐ろしい、現時点で考えられる、最悪の事態となろう。
 
◎今回の原発事故に関し、先だってから、にわか評論家のように、以下のように、当ブログの記事にしてきた。ただし、自分なりに理解できた範囲内で、である。
   原発事故―死の灰の恐怖(2011/3/25)
   原発事故―放射能被曝量(2011/3/27)
  原発事故―風評被害  (2011/4/2)
  原発事故―海の汚染  (2011/4/6)

 今回は、前回の記事で積み残していた、
   ③―2 汚染された土壌で育った野菜を、食べることによる内部被曝
ということで、土壌の汚染、について触れてみたい。

◎土壌の放射能汚染については、文科省が、事故原発北西40kmの、福島県飯舘村での、調査結果について、3月24日に、下記のように公表した。 
   放射性ヨウ素131  117万     Bq/kg
   放射性セシウム137  16万3000 Bq/kg
 放射性ヨウ素の半減期は、8日と短いので、1か月もたてば、ほぼゼロになり、心配はいらないと思われるが、放射性セシウムは30年と、桁違いに長いので、危険性は長期に亘る。測定値は、降雨などの気象条件により、地点間のばらつきは、大きいようだ。
 日本には、現時点では、土壌汚染についての基準は無い。同地点で、地上の空気中で測定した、放射線の強さは、5mSv/時程で、かなりの線量ではあるが、退避基準の10mSv/時 にも達していない、とされた。(避難基準は50mSv/時)

 一方、IAEAは、3月30日に、このデータの放射性ヨウ素131について分析し、IAEAが避難を勧告する基準値の2倍にあたる、2000万Bq/m2になっている、と警告した。
 所が、IAEAは、4月1日になって、3/19~3/29の間に15回測定した、日本側のデータについて、更に詳しい分析を行った結果、汚染濃度は、700万Bq/m2で、避難勧告の基準を下回ったと、修正の発表を行ったようだ。(日本側からの、強硬な申し入れがあって修正した、とは思いたくないが?)
 表示単位が異なる上に、矢継ぎ早の修正とあって、情報が混乱した。

○土壌の放射能汚染に関して、日本と、IAEAとでは、以下のように、測定方法と表示単位が違っているので、ややこしい事が判明した。
  日本流:土壌を採取して検査し、土壌の重量当たりで表示⇒Bq/kg
      (地表近くの、2×2×5=20ccの土を採取、農産物と同様の表示)
  IAEA流:地表面で、放射能を測定し、面積当たりで表示⇒Bq/m2
 双方の数字が、どのような関係になるのかは不明なのだが、或るネット情報によれば、放射性セシウムについては、おおよそ、下記のように換算でき、
  16万3000Bq/kg≒800万Bq/m2
この数値は、史上最悪と言われる、チェルノブイリ原発事故での、土壌汚染の最高値500万Bq/m2(IAEA流)を越えている、という。

 この換算式が、放射性ヨウ素でも成り立つとして、全体のデータを整理すると、以下のようになる。

             日本流 Bq/kg  IAEA流 Bq/m2   
放射性ヨウ素131  117万        2000万 当初の分析
                        (避難勧告基準値の2倍)
                        700万 見直し分析
                        (避難勧告基準値 以下)
                         574万 ネット情報から換算
放射性セシウム137   16万3000     800万 ネット情報

 上述のIAEAの基準は、地上で生活する人が、被曝を避けるために避難するための、地表面での汚染基準と言うことに重点があり、農作物についての、土壌汚染の基準とは言い難い、と言える。

○4月7日の新聞報道によれば、福島県は、3/31から2日間に亘って、県内全域で、約10km間隔で選んだ70ケ所の農地の、土壌を調査したようだ。その結果、飯舘村を含む、7市町村で、高濃度の放射性セシウムが検出されたようだが、その他の地域の数値は、低かったと言う(数値は未公表?)。
 農水省では、3月下旬から、福島県を含む複数県内の150の地点で、土壌調査を進めているようで、イネの作付け前の、4月中旬までに、結果を公表の見込みという。これらの調査データを基にして、暫定的にでも、農作物に対する、土壌汚染の安全基準が、示されることが望ましいと言える。 

 野菜については、既に規制されている所だが、これからは、田植えなどの農作業が本格化するだけに、今後どう対処するかは、重要な時期に差し掛かっている。
 土壌から、放射性物質を吸収した食品による、2次的被曝については、長期的な監視と対策が必要となろう。
 空気中の放射能汚染で、葉もの野菜などから始まった、規制と風評被害が、次は、海水の汚染から、水産物の魚に拡大している。 更に、土壌の汚染から、根菜類、芋類、米、果物等の農産物にまで、規制と風評被害が、広まりそうな状況である。

 今や、原子力の平和利用や、放射線や、放射能汚染について、一人ひとりが、正しい知識を持ち、深めるとともに、その道の人達は、その知識・知見を、分りやすく伝え、広めることから始めよう。そのことで、誰もが、いたずらに不安に陥ることなく、冷静に行動できるし、その道の人達は、いたずらに、不安を掻き立てるのではなく、道筋を示して欲しいのだ。

○世界で、唯一の被爆国である日本で、今や、チェルノブイリ事故に匹敵する、人類史上最悪と言えそうな、原発事故に発展し、放射能汚染の恐怖にさらされている、というのは、何という、巡り合わせであろうか。
でも、事ここに至っては、天から与えられたこの試練は、今後に向けての、貴重なチャンスとしても、生かしていかなければならない。
 原発をやめ、自然エネルギーにしよう、などと言うのはたやすいのだが、電力に依存しきった現状を変えるのは、並大抵のことではないし、医療分野での放射線の利用等は、素晴らしい、恵みでもあるのだ。
 空や、海や、土(大地)は、自然環境を大事にしようと言う、エコのシンボルでもあるのだが、この掛け替えのない日本の自然が、かくも脆くも壊れ、危機に瀕している。
 この危機を、何としてでも、世界の英知を結集して乗り越え、時間がかかろうとも、さらに安全な原子力の平和利用を実現するとともに、素晴らしい日本の自然を、取り戻さなくてはならない。 

 
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