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2021年7月28日(水) ヤンバルの森 世界自然遺産へ登録
オリンピックの熱戦の興奮が渦巻く中で、7月26日に開催された世界遺産委員会が開催され、日本から推薦されていた、南西諸島の案件が、世界自然遺産に登録されたようだ。
本稿は、推薦が本決まりとなった時の、当ブログの以下の記事
ヤンバルの森などが世界自然遺産へ (2021/5/28)
の続編である。
◎世界遺産委員会
先日の5月12日に、世界自然遺産の登録を勧告する、世界自然保護連合 IUCN*から、南西諸島の、沖縄・奄美大島などの自然が、世界自然遺産に相応しい、との見解が示された。
*IUCN:International Union for Conser―vation of Nature and Natural Resources
今年の、世界遺産委員会は、7/16~7/30の間、オンライン形式で行われている。
コロナのパンデミックで、2020年には、世界遺産委員会が開催されなかったため、今回は、2年分が審議されている。
これまで、日本の世界自然遺産として、以下の4件があり、
・知床
・白神山地
・小笠原
・屋久島
これに、今回、ヤンバルの森の案件が加わって、5件となる。
◎今回の自然遺産
前稿にも引用したが、南西諸島に分布する今回の自然遺産の、対象地域と、主な固有種を示したのが、下図である。(図は、1383198_04 世界自然遺産への推薦についてより引用)
固有種としては、他に、トクノシマトゲネズミ、ハナサキガエル、ホントウアカヒゲ(鳥)なども棲んでいるようだ。
西表島には、ガジュマルの一種の、ヒルギの森が広がっている。
本件は、3年前に、申請した時、沖縄本島北部のヤンバルの森に関し、範囲が不十分と、差し戻しになってしまった経緯がある。
日本は、推薦のやり直しを行い、沖縄本島北部地域の見直しを行った。
この地域には、米軍から返還された、広大な森があり、それを含めることとしたようだ。
下図で、濃い緑のエリアが以前の推薦地域で、薄い緑の地域が、今回追加した、米軍からの返還地域という。(図は、やんばる世界遺産へ 奇跡の森の光と影 - NHK クローズアップ現代 より引用)
◎地元の知事や町長や住民の反響は大きいが、喜びと決意が入り混じったものだ。
自然の保護や種の保存という大義名分と、観光や生活との両立という難しいテーマがある。
これまでの国内の自然遺産は、人里から離れた奥地と言えるが、今回は、比較的人里に近い、里山的な存在のようだ。
野生動物が、道路上で死亡する事故を、ロードキル(road kill)というようだが、ヤンバルの森では、道路上に出てきたヤンバルクイナが、自動車とぶつかって轢死する事故も起きているという。 今後は、一層の注意が求められよう。(下図はネットより)