ケイの読書日記

個人が書く書評

森博嗣「数奇にして模型」

2014-11-19 10:53:47 | Weblog
 『すべてがFになる』が、あまりに面白かったので、この犀川・萌絵シリーズを読もうと図書館の書架を見たが…あらかた借りられてるらしく、このシリーズの9作目『数奇にして模型』しかなかった。
 TVドラマ化されたので、私のように読んでみようと思った人が多かったんだろう。ちなみに『F』は借りるの絶対無理だろうと思ったので、私にしては珍しく購入。

 いくら森博嗣が優れたミステリ作家でも、シリーズ9作目だと、パワーダウンした感は否めない。それでも、他の作家の「なんだよーーー。こんなんアリかよぉ」という作品よりは数段上。


 模型交換会会場の公会堂で、モデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態だった。同じ室内で、殴られ気絶していた大学院生に疑いの目が向けられたが、彼は同時刻にM工大で起こった殺人事件の容疑者でもあった…。

 『F』の時から3年たち、萌絵さんは大学4年生になっている。もうちょっと落ち着いて! 突っ走りすぎ! 読んでいてハラハラするなぁ。
 しかしねぇ…最後の最後まで、自分に向けられた害意を感じ取れないものかなぁ。こういった負の感情って、なんとなく分かるものじゃない? 理系の頭を持っている人って、そういう所が弱いのかなぁ。
 だったら萌絵さんの対抗馬として、感覚だけで生きている芸大生なんかが登場したら面白いかも。


 この小説の舞台となった鶴舞公園は、実在する広くて美しい公園です。レトロな建物も多く、公園内でコスプレの撮影会が開催されたりします。
 小説内で模型交換会が行われた公会堂も、なかなかレトロな外観なんですよ。
 名古屋駅から地下鉄で4駅だし(乗り換え1回あり)、若い人だったら歩いても1時間くらいだと思う。
 名古屋に来た時には、時間があったら、ぜひお立ち寄りください。
コメント
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