ケイの読書日記

個人が書く書評

コナン・ドイル「緋色の研究」

2010-06-13 21:11:59 | Weblog
 この「緋色の研究」は、児童向けに書き直されたホームズ物で、子どもの頃読んだ覚えがある。
 そりゃそうだ、ホームズとワトスンが出会った記念すべき第一作だもの。でも私はこのストーリーをキレイさっぱり忘れてしまっていた。

 それなのになぜこの「緋色の研究」を読んだ事が分かったかというと…ワトスンがホームズの知識の偏りを箇条書きにしている場面を、ハッキリ覚えているからだ。
 でも有名な「アフガニスタンへ行ってこられたんでしょう?」は全く覚えていない。
 また、事件の原因となったモルモン教の話も全く覚えていない。

 児童向けのホームズだから、大幅にカットされていたのかもしれない。(もちろんホームズがコカイン常用者だということはカット)

 そもそも私は子どもの頃読んだホームズには、あまり面白さを感じなかった。ルパンは恋愛あり冒険ありで夢中になって読んだが、ホームズについては、何でそんなに有名なんだろう?と不思議だった。
 やっぱりホームズは大人になって読まないと、その面白さが分からない。

 この「緋色の研究」にしても、奇妙な事件そのものよりも、ホームズの一風変わった独特な性格のほうがうんと面白い。
 そして19世紀後半ヴィクトリア女王時代の霧のロンドン、スコットランドヤード、ベーカー街のストリートキッズ達、こういう雰囲気は児童向けの本では決して味わえないものだから。

 そうそう、今回読み直してみて新発見が一つ。
 先日公開された「シャーロック・ホームズの冒険」の中に、ホームズの実験によって硬直状態になったブルドックが出てきた。ハドソン夫人はブルドックなんか飼ってたんだろうかと気になっていたが、ワトスンの犬なんだ。ワトスンがブルドックの仔犬を飼っているという記述があった。へぇー!!!!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする