ケイの読書日記

個人が書く書評

江國香織「泣く大人」

2006-04-15 12:05:52 | Weblog
大好きな本・読んだ本


 江國香織さんの作品には、すごく反発するのですが、反面、抗しがたい魅力も感じます。小説よりエッセイの方がうんといい。

 贅沢というか、繊細というか、優雅というか…。

 育ちがいいんでしょう。江國滋という高名な文芸評論家の娘に生まれ、大金持ちという訳ではないのでしょうが、文化的にたいへん豊かだっただろう、ということは想像できます。
 
 彼女のエッセイに出てくる妹さんやお母様(そして彼女自身も)本当に浮世離れしていますものね。


 
 このエッセイの中に「3つの願い」という章があります。
 彼女の願いの1つ目は「ずっと仕事をしていけること」、2つ目は「最後には愛する男の腕の中で死ぬこと」、3つ目はまだ未定らしい。

 しかし、もうじき40歳になろうとする女性の願いが「最後には愛する男の腕の中で死ぬ」というのは、素晴らしい!というか、すざまじい。

 さすが、江國香織です。だから売れる恋愛小説が書けるんだ。
コメント (5)
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