ある朝、理髪店に行った。雨がしとしと降っていたので客は少ないだろうと思った。
ところが待ち客が3人もいた。髪が伸びすぎているので、日を換えて出直すのは面倒だ。やむなく待つことにした。
待つ間に、4人が来た。女性客も2人来た。理容師は男と女のふたりだけ。つまり回転率が速くないということだ。
やっと順番がきた。「雨なのに盛況ですね」と男性理容師に言うと「雨の日は農林関連のお客さんは仕事ができないから多いのですよ」という返事。
なるほど、ここの周辺は田園と山林に囲まれた小都市である。改めて実感した。
リタイア組や高齢者むならば雨の日は億劫で外出しないのではないかとふんだが、農業や林業に従事する人には結構高齢者がいるのだろう。
女性理容師は男の客の理髪もするが、女の客を専門的にやるようだ。美容師でもあるのだろう。そのため、待っている男の客に断わりを入れて順番無視で優先するらしい。男の客は不満でも文句をつけない。しかも、女の客は男に比べて時間を要するそうだ。ところが、ヘアーカット代金は男のカットと同料金とか。「時間はコスト」なのだから女性のカット代は割増するべきだろう。
そのことを男性理髪師に言えば「そんなことをすれば女性客は逃げるね」と応じた。男の客は常連になって浮気しないものだが、女客は値段が上がると逃げるようだ。