娘が4歳の時に着たウールのアンサンブルの着物があります。
勿論、私が縫ったものではなく母の手製です。
夏に会った姪の子供が丁度3才になったのを思い出し、押入れから引っ張り出しました。
「う~ん、かび臭い。」
それは数回着ただけで、後生大事にしまっていたから当然の事ですが。
まずメリンスの長襦袢を石鹸で手洗いしてみました。
縮まぬことを祈りながら丁寧に押し洗いし、すすいで干したら新品同様に奇麗になりました。
次いで長着、羽織も同様に洗い、いよいよ「揚げ」に入ります。
それからが大変。
三つ身、四つ身の意味も分からぬ私が、本人の着丈と袖丈の寸法を聞いて
腰揚げと肩揚げを試み始めたのですから。
なにせ、くけ台等の和裁道具があるわけでなし、やりづらい事といったら・・・
と言うのは言い訳になりますが、たかが「揚げ」でこんなに手間取るとは思いませんでした。
上手く縫えずに縫ってはほどき、縫ってはほどきと奮闘すること数日間。
やっと本日終了。仕上げにアイロンをかけてご覧の通り。
ふぅ 疲れた。慣れぬ事を安請け合いするんじゃなかった。
でも、それだけ「手をかけて、作られた」お着物・・喜ばれますよ
「古いまんま」が流行っているの?
ヤングには新鮮に映るのではないかしら。
ミシンならさあっと縫えるのに一針一針進めるのは至難のわざでした。
姪にいい叔母さんを見せたかったのかも
着て貰える子供の顔を想像して針を進めました。
縫った人の温もりを感じ取ってくれたら最高です。
箪笥の中にはそんな愛情が沢山眠っているので何とかしたいのですが・・・