滋賀県の郷土料理の「鮒寿司」を一度は食べたいと思っていたが、「臭くて食べられない」と聴くと怖さと興味半分で迷っていました。
長浜の街中で探した店先でも、お値段の高さもあり悩みましたが、思い切って店内に。
曾祖父の代からのレシピ「飯と米だけ」で、今も作っているとは店主の説明。
出てきたそれは僅か5切れ。特に強い匂いは感ぜず。これで¥2000
恐る恐る口に運んだら・・・・うん食べられる。
寿司だから飯のイメージがありましたが、それは無し。
かなり塩気が強いので飲み物無しでは食べられない。日本酒と合いそうです。
店主は曰く「湖の綺麗な水で育った子持ちの鮒しか使わない」「土産店の安価なそれは輸入されたもの」
「泥の中の鮒で作ったものは黄色のカビがはえる」
等々説明後「見ますか?」と倉庫に案内してくれました。
狭い庫内に漬物樽が積み重ねられ、15か月熟成。さすがに臭気(発酵臭)が漂っていました。
素材と作り方にこだわっている店主の誇りを感じた「鮒寿司」でした。
己高閣の見学後、休憩を求めて歩いていたら「オオサンショウウオを見ませんか」と声をかけられました。
近辺には、オオサンショウウオの生息地があります。
研究の為に捕獲したばかりのようでプラスティックのケースに収まっていました。
特別天然記念物に指定されている「オオサンショウウオ」を初めて目にしました。
体にチップが埋まっているので、生育状態などを見る為に捕獲して保護に努めているようです。
「生まれた時は魚で、成育と共に肺呼吸になる両生類。100年は生きると言われているけれど誰も見たことが無い。この子は40年かな」
と我が子のように慈しむ所員氏。
体を返して手足まで見せてくれました。
前足は4本、後ろ足は5本で丸く白い肉球状でした。爪楊枝の頭くらいで可愛い。
前述の店主氏やこの保護センター所員氏の喋る柔らかな近江弁(京都弁か?)に触れ、暖かな気持ちで旅が終わりました。