ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『人生という小さな時間』

2020-08-05 06:03:19 | 日記
梅雨明け宣言がなされましたが青空は広がらず、蒸し暑い一日でした。
孫たち一家は、昨日県内の温泉場へ。
本当は、ひ孫のUちゃんの大好きなディズニーシーへ行きたかったのですが、コロナの関係もあり温泉場に変更したとのこと。
孫一家にすれば豪勢とまでは行かなくとも、けっこうお高い感のある一泊二日のお出かけの様子。
夕方、テレビ電話が入り、ひ孫たちの嬉しそうな様子を見ただけで私も嬉しくなりました。
夜になってテレビ電話が入ることを期待して、夕飯の後片付けその他を早々に済ませて待っていましたが、残念、来ませんでした。
温泉地へ向かう途中、猪苗代湖で水遊びを楽しんだそうですから、疲れも出て眠気がでてしまったのでしょう。

数日前、市内の飲食店で爆発事故がありました。
近隣の住宅等にも結構被害が出ています。
現場近くには教会の先輩の方・Sさんのお住まいが在ります。
加齢による難聴のSさんですから、電話でのお見舞いは無理であろうと、牧師先生に状況を訊ねましたところ、牧師先生は、既にSさん宅を訪ねて下さっていたのでした。
「被害は無かった模様です」と教えてくださいましたので、私は、お見舞いの手紙を差し上げたところです。
Sさんから、早速〈お見舞い御礼〉の手紙が届きました。
ひと安心したところです。
Sさんは、90歳を超していますが、短歌の会なども主催しており毛筆にも優れています。
こうした先輩の方を見るにつけ、私は自分を反省させられたり元気を頂いたりしています。

今日は、グングン気温が上がり、午前中から30度を超えました。
従って、散歩はお休み。
録画して置いたテレビの番組などを観たり、ぼんやりした時間を過ごしました。

NHK 8月の「100分de名著」は、ミヒャエル・エンデの「モモ」。
私の大好きな本の一冊です。
第一回 『モモは心の中にいる!』(8月3日放送)を、ゆっくり楽しみました。
  《生誕90年を越えて、再び大きな脚光を集めるこの作品を、「100分de名著」で
  取り上げます。
  主人公は、街の円形劇場の廃墟に住みついた小さな女の子、モモ。
  彼女の不思議な魅力にひかれて大人も子どもも、モモの周りに次々と集うようになり、
  街の人々との間にあたたかな友情が生まれました。
  ある日、「時間貯蓄銀行」から来た灰色の男たちがこの街に現れます。
  人間の時間を盗んで生きる彼らの詐術によって街の人々は時間の節約を始めました。》
                        (NHK HPからお借りしました)
この本、「全体に寓意が勝ちすぎていておもしろくない・・・」等の、学者先生方の評価もありましたが、私は、この本を読んだ時、モモという一風変わった女の子の魅力に取りつかれてしまったことを思い出します。
そして、「時間泥棒」。
現在を生きる私たちにも迫ってくる言葉です。

長田弘さんの詩、ひとつ。

    『人の一日に必要なもの』
                  長田 弘
    どうしても思いだせない
    確かにわかっていて、はっきりと
    感じられていて、思いだせない。
    思いだせないのは、どうしても
    ことばで言えないためだ。
    細部まで覚えている。
    感触までよみがえってくる。

    ことばで言えなければ、
    ないのではない。
    それはそこにある。
    ちゃんとわかっている。
    だが、それが何か
    そこがどこか言うことができない。
    言うことのできないおおくのもので
    できているのが、人の
    人生という小さな時間なのだと思う。
    思い出すことのできない空白を
    埋めているものは、
    たとえば、
    静かな夏の昼下がり、
    日の光のなかに降ってくる
    黄金の埃のようにうつくしいもの。
    音のない音楽のように、
    手につかむことのできないもの。
    けれども、あざやかに感覚されるもの。
    あるいは、澄んだ夜空の
    アンタレスのように、確かなもの。
    人の一日に必要なものは、
    意義であって、
    意味ではない。
                (長田弘詩集 『世界はうつくしいと』より)
コメント
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