ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

【ざーっと むかし さぁけだ】

2020-08-02 05:57:34 | 日記
青空が広がりましたので散歩へ。
ちょっとだけ、と思って出かけたのですが、40分程歩いてしまいました。
汗びっしょり。
これほど汗をかいたのは、いつのことだったのか思い出せないくらいです。
青々と成長した稲の彼方の遠景には那須連峰の茶臼岳、中景には安積山が、姿を見せてくれていました。
『安積山 影さへ見ゆる 山の井の 浅き心を わが思はなくに』 (万葉集巻16 3807)
思わず口ずさみました。
私の住む郡山地方には「采女伝説」の悲恋物語が残されています。
伝説にまつわる沼や橋の名前も残されています。
郡山の祭りとしての「うねめまつり」は毎年8月に行われていましたが、本年は〈国内外における新型コロナウィルス感染症終息の見通しがつかない状況にあるため〉、ということで、主な行事は中止となりました。
例年ですと、「うねめ踊り流し」が街を賑やかに彩ったものです。
「うねめまつり」が終わり、月遅れのお盆が済みますと夏が終わって・・・これが私の心の歳時記でした。

  【ざーっと むかし(※)
   今から 千三百年も むかしの話だ
   安積(あさか)の里、山の井っていうところにな 小糠次郎という若者と 美しい女房のお春が 
   仲むつまじゅう暮らしていたんだと・・・】
で始まる伝説です。
二人は大変仲むつまじく、夫の次郎は、野良仕事にも、妻の絵姿を木の枝に掲げておくほどだった、と言います。
ところが、ある日、絵姿が風に飛ばされ、その絵姿が奈良の都から奥州巡察使という名目で、この地に下向した葛城王の目に留まることになって・・・
と、悲恋物語は展開されます。

そんな昔ばなしの「語り」や朗読などから、すっかり離れてしまってから十数年経ちました。
また、始めようという気持ちはありません。
でも、散歩で浅香山の姿を眺めたり、ひ孫のUちゃんの通う幼稚園脇を通ったりしますと、まるで、昨日、幼稚園で語ったみたいに様々な伝説などを思い出すのです。
そんな自身の心の内を覗き込みますと、単に昔日への懐かしさだけではなく、「語ってみたい」、そんな願望がうごめいているのかも?
コロナ、コロナで自粛を余儀なくされている鬱積が、きっと折に触れ、事に触れて表出するのかもしれません。
そして、「想い」の行き先は、過去に向けられるのでしょうか。

ばーばの、くだらない本日の「語り」はお終いです。
【ざーっと むかし さぁけだ】(※)

  ※ 「ざーっと むかし」 「ざーっと むかし さぁけだ】は、当地方の昔語りの際の初めと、
    終わりに多く用いられる「詞」です。
コメント
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