golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

ジェズアルド「聖土曜日のためのレスポンソリウム、聖母マリアの4つのモテット」タリス・スコラーズ

2010-06-03 22:20:08 | Weblog
誰の言葉か忘れましたが、「幸福の理由は似通っているが、不幸の事情はそれぞれ違う」という意味の言葉をどこかで読んだことがあります。

長年人生やって来た中で出会った人で、道を誤って犯罪に手を染めてしまい、マスコミの記事になってしまったのが数人います。

いずれも近しい人ではありませんし、1、2回会っただけという人もいますが、皆決してそんな大それたことをする人には見えませんでした。

一見、極めて「普通の人」。

会った所も、その後犯した罪状は皆違うし、背景や事情も全く違うのでしょうが、その報を聞く度、「えっ?まさかあの人が!」と驚かされました。

私なんぞ、極めて平凡、平和な人生を送って来た方だと思っているので、変な時代になっちゃったなあ、という思いもありますね。

昔、1、2回会っただけの人で、事情は全く違うようでしたが、何とジェズアルドと同じ罪を犯してしまった人までおりました…。

タリス・スコラーズ(Gimell盤)

昨日のストラデッラとは逆の立場の人、カルロ・ジェズアルド(1566?~1613)は、ルネサンス後期イタリアの作曲家。

逆の立場というのは、殺されたストラデッラとは違って、妻とその不倫相手のみならず、出生に疑いを抱いた自分の子供までをも殺してしまったのですね。

更に復讐に来た義父を殺害したという話もあるそう。

貴族だった為、処罰を逃れたが、復讐を恐れ、また晩年はうつ病もあり自分の居城に籠もる日々が多かったとのこと。

そんな特異な生涯を送ったジェズアルドですが、その音楽もかなり特異。

ジョスカン・デ・プレ(1440?~1521)など盛期の均整の取れた美しさの時代から、ルネサンスも後期になると移ろいやすい少し不安定な響きも宿して来ます。

その中でも、ジェズアルドは半音階進行や不安定な和声を多用したようです。

ここに聴く「聖土曜日のためのレスポンソリウム」は、ルネサンスの声楽曲らしい美しい響きの中にも時々妖しく不安感を掻き立てる様な半音階進行が姿を見せ、それが独特の魅力を生み出しています。さぞ、当時「前衛的」に響き、衝撃だったことでしょう。

犯した罪の重さに苛まれながら作曲したのでしょうか?

「聖母マリアの4つのモテット」は、より平明な響きですが、やはり何処か影を感じる音楽です。

これも図書館借用CD。

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