golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

ハイドン「チェロ協奏曲第1 番」デュ・プレ

2008-06-09 20:39:35 | Weblog
近頃の若い人は知らんかもしれんが、高松塚古墳が発掘された時は、日本中そりゃ大騒ぎじゃったよ。

極彩色の壁画が土ん中から出てきたもんじゃから、家の婆さんなんかは腰ぬかしてしもうた。

そりゃそうじゃろ、土ん中から出てくるって言うたら、ミミズかモグラ、或いはタケノコ位しか思い浮かばん無学な婆さんじゃから。

当時まだ色刷りの新聞も珍しかったもんで、婆さんは写真の載った一面を大切に切って、仏壇に飾って毎日拝んでいたもんじゃ。

壁画は昔の貴人を描いたもんじゃと思うが、きっと婆さんの目にゃ仏さんに写ったんじゃろ。

でもあの頃はいい時代じゃったな。

高松塚もそうじゃし、札幌オリンピック、虹と雪のバラードじゃったっけ、トアエモアとか言ったっけ。

あっ、何の話じゃったかな?

ああそうそう、アポロじゃアポロ。アポロ11号が月に着陸したんじゃ。

ワシは信じとるがな、婆さんはあれは地球の砂漠かどこかだ、って今だに信じちゃいないようだ。

まあそれはともかく、あの頃は、ほんといい時代じゃった。横井さんや小野田さんも帰って来るし。

日本中が明るくなるニュースが、色々あったわい。

それに比べて何という時代になったんじゃ。酷い事件や事故の話ばかりじゃ。

ああ、昔は良かったのう。

ワシもこんな事言うというのは歳とったってことかな?

おい誰じゃ、そこで頷いているのは!

デュ・プレ(チェロ)バレンボイム指揮イギリス室内管(EMI盤)

この曲、意外に「新しい」のですね。今日ライナーノーツを読むまで知りませんでした。(日本語でも、ろくすっぼ読んでいないCDも多いです。)

1961年の発見だそうな。

昔からチェロ協奏曲のレパートリーとして定着していたイメージがあるものだから、とても意外でした。

発掘から20数年を経過した高松塚古墳は、劣化や退色が大きな問題になった。

それに対して、この曲は発掘から50年近く経過しても全く色褪せないのみならず、色々な演奏、録音で私達を楽しませて呉れている。

ヨーロッパの図書館や教会などには、未知の素晴らしい曲の楽譜がまだまだ眠っているんじゃないかな?

そんなものの発掘だったら、どんどん進めて頂きたいです。

第1楽章の活き活きした明るい第1主題を、当時珍しかった女流チェリストのデュ・プレが勇壮にしかし愉しげに引き出すと、一気に演奏に引き込まれて行きます。

録音は1967年、サポートするバレンボイムと結婚した翌年。

幸せな音楽、幸せな演奏。

息の長い主題がゆとりを感じさせる第2楽章、躍動感に溢れ、野山を走りだしたくなるような第3楽章。

ハイドンももっと色々聴いてみなきゃ、と改めて思った今日でした。

夭折した天才チェリスト、デュ・プレも。

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