近頃の若い人は知らんかもしれんが、高松塚古墳が発掘された時は、日本中そりゃ大騒ぎじゃったよ。
極彩色の壁画が土ん中から出てきたもんじゃから、家の婆さんなんかは腰ぬかしてしもうた。
そりゃそうじゃろ、土ん中から出てくるって言うたら、ミミズかモグラ、或いはタケノコ位しか思い浮かばん無学な婆さんじゃから。
当時まだ色刷りの新聞も珍しかったもんで、婆さんは写真の載った一面を大切に切って、仏壇に飾って毎日拝んでいたもんじゃ。
壁画は昔の貴人を描いたもんじゃと思うが、きっと婆さんの目にゃ仏さんに写ったんじゃろ。
でもあの頃はいい時代じゃったな。
高松塚もそうじゃし、札幌オリンピック、虹と雪のバラードじゃったっけ、トアエモアとか言ったっけ。
あっ、何の話じゃったかな?
ああそうそう、アポロじゃアポロ。アポロ11号が月に着陸したんじゃ。
ワシは信じとるがな、婆さんはあれは地球の砂漠かどこかだ、って今だに信じちゃいないようだ。
まあそれはともかく、あの頃は、ほんといい時代じゃった。横井さんや小野田さんも帰って来るし。
日本中が明るくなるニュースが、色々あったわい。
それに比べて何という時代になったんじゃ。酷い事件や事故の話ばかりじゃ。
ああ、昔は良かったのう。
ワシもこんな事言うというのは歳とったってことかな?
おい誰じゃ、そこで頷いているのは!
デュ・プレ(チェロ)バレンボイム指揮イギリス室内管(EMI盤)
この曲、意外に「新しい」のですね。今日ライナーノーツを読むまで知りませんでした。(日本語でも、ろくすっぼ読んでいないCDも多いです。)
1961年の発見だそうな。
昔からチェロ協奏曲のレパートリーとして定着していたイメージがあるものだから、とても意外でした。
発掘から20数年を経過した高松塚古墳は、劣化や退色が大きな問題になった。
それに対して、この曲は発掘から50年近く経過しても全く色褪せないのみならず、色々な演奏、録音で私達を楽しませて呉れている。
ヨーロッパの図書館や教会などには、未知の素晴らしい曲の楽譜がまだまだ眠っているんじゃないかな?
そんなものの発掘だったら、どんどん進めて頂きたいです。
第1楽章の活き活きした明るい第1主題を、当時珍しかった女流チェリストのデュ・プレが勇壮にしかし愉しげに引き出すと、一気に演奏に引き込まれて行きます。
録音は1967年、サポートするバレンボイムと結婚した翌年。
幸せな音楽、幸せな演奏。
息の長い主題がゆとりを感じさせる第2楽章、躍動感に溢れ、野山を走りだしたくなるような第3楽章。
ハイドンももっと色々聴いてみなきゃ、と改めて思った今日でした。
夭折した天才チェリスト、デュ・プレも。
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極彩色の壁画が土ん中から出てきたもんじゃから、家の婆さんなんかは腰ぬかしてしもうた。
そりゃそうじゃろ、土ん中から出てくるって言うたら、ミミズかモグラ、或いはタケノコ位しか思い浮かばん無学な婆さんじゃから。
当時まだ色刷りの新聞も珍しかったもんで、婆さんは写真の載った一面を大切に切って、仏壇に飾って毎日拝んでいたもんじゃ。
壁画は昔の貴人を描いたもんじゃと思うが、きっと婆さんの目にゃ仏さんに写ったんじゃろ。
でもあの頃はいい時代じゃったな。
高松塚もそうじゃし、札幌オリンピック、虹と雪のバラードじゃったっけ、トアエモアとか言ったっけ。
あっ、何の話じゃったかな?
ああそうそう、アポロじゃアポロ。アポロ11号が月に着陸したんじゃ。
ワシは信じとるがな、婆さんはあれは地球の砂漠かどこかだ、って今だに信じちゃいないようだ。
まあそれはともかく、あの頃は、ほんといい時代じゃった。横井さんや小野田さんも帰って来るし。
日本中が明るくなるニュースが、色々あったわい。
それに比べて何という時代になったんじゃ。酷い事件や事故の話ばかりじゃ。
ああ、昔は良かったのう。
ワシもこんな事言うというのは歳とったってことかな?
おい誰じゃ、そこで頷いているのは!
デュ・プレ(チェロ)バレンボイム指揮イギリス室内管(EMI盤)
この曲、意外に「新しい」のですね。今日ライナーノーツを読むまで知りませんでした。(日本語でも、ろくすっぼ読んでいないCDも多いです。)
1961年の発見だそうな。
昔からチェロ協奏曲のレパートリーとして定着していたイメージがあるものだから、とても意外でした。
発掘から20数年を経過した高松塚古墳は、劣化や退色が大きな問題になった。
それに対して、この曲は発掘から50年近く経過しても全く色褪せないのみならず、色々な演奏、録音で私達を楽しませて呉れている。
ヨーロッパの図書館や教会などには、未知の素晴らしい曲の楽譜がまだまだ眠っているんじゃないかな?
そんなものの発掘だったら、どんどん進めて頂きたいです。
第1楽章の活き活きした明るい第1主題を、当時珍しかった女流チェリストのデュ・プレが勇壮にしかし愉しげに引き出すと、一気に演奏に引き込まれて行きます。
録音は1967年、サポートするバレンボイムと結婚した翌年。
幸せな音楽、幸せな演奏。
息の長い主題がゆとりを感じさせる第2楽章、躍動感に溢れ、野山を走りだしたくなるような第3楽章。
ハイドンももっと色々聴いてみなきゃ、と改めて思った今日でした。
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