golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

オルンスタイン「ピアノソナタ第7 番」

2008-06-17 08:16:52 | Weblog
すみませんね、お茶一杯のつもりが、ついつい話込んでしまって。

いえいえ、また寄ってくださいよ。こっちも話相手が欲しいんですから。
ところでまだもう少しお時間ございます?

ええ、特に急ぎの用事もありませんが…。

それじゃ、おじいちゃんのピアノちょっと聴いていって下さいませんこと。十美子さんピアノの先生ですものね。

今は育児休職中だが、十美子は小学生の音楽教師である。

先ほどお庭にいらっしゃるのをお見かけしたお爺様ですよね。
おいくつになられるんですの?

今年百歳なんですよ。

え~っ、かくしゃくとされていて、とても百歳には見えなかったですよ。しかも、ピアノまでお弾きになられるんですの?

ええ、まあ…。

じゃあ、せっかくですから、聴かせて頂きましょうか。

十美子は学生時代に受けた「音楽療法」の講義を思い出していた。

老人の痴呆防止にも音楽は有用との話だった。ピアノ演奏など指先を使うのは更に効果的だという記憶もある。

おじいちゃん、十美子さんがピアノ聴いてくださるって。

軽く会釈すると、老人はピアノのある応接間に向かった。百歳とは思えないピンと伸びた背筋に十美子達も従った。

(ボケ防止のために習い始めたんでしょ。でもまあ、人差し指だけの単音であっても、百歳のおじいちゃんがピアノ弾くんだもん、凄いことよね)

(さくらさくら?それとも、ちょうちょちょうちょ、かな?)

十美子は、これから弾かれる曲を想像し、いつの間にか体が三拍子を刻んでいた。

老人が皺がれた両手を鍵盤に近付けた。と同時に、音の激流が渦巻き出した。

それは更に激しい濁流となって、十美子を飲み込んで行った。

一体何なの!、この凄い音楽、この後期高齢者?

ウェーバー(ピアノ)(NAXOS盤)

今日は祖母の誕生日。
101歳になりました。

100歳になると色々お祝いを頂戴出来るのですね。

昨年頂いた、首相、知事、市長名の賞状やら記念品が、実家に飾ってあります。

最近ちょっとボケて来ていたり、家の中を歩くのもつたい歩きでやっと、という状態ですが、普通の物を食べられるし、1日も長生きして貰えればと思います。

オルンスタイン(1892?~2002)、ウクライナ生まれのアメリカの大変長寿の作曲家、ピアニストです。

この曲は、1988年の作品とのことで、95~6歳の頃。100歳近くてこのパワー、驚異的です。

現代音楽ですが、決して聴き辛い曲ではありません。
無調的な音楽ですが、無機的であったり静謐であったりではありません。

ほとばしる生のパワーを感じます。ちょっと印象派風な美しい部分もあります。

珍品のつもりで買ったCDでしたが、なかなか凄い曲でした。

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