ジェンダーからみるカンボジア

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戦争の歴史を学ぶ

2015年08月26日 | Forced Motherhood

 

8月は、戦争関連の本をかなり読み込んだ。特に手記という形をとったものは、自分の調査に緒結する面白い話題がたくさんあって、読みながら質問票を作成していって、とても勉強になった。単に本を読むだけでなくて、自分のやりたいことにつなげるのが、一番効率的な読み方かもしれない。

 

戦争期、特攻隊として飛び立っていく若い男性たちが通っていた食堂のオーナー女性の人生についてまとめてある本、ホタル帰る。

 

若い少年たちが、特攻隊として突撃していくのを見送った女性の話や(筆者の娘)、これから特攻隊となって死にゆく若者たちが最後にどんな生活をしていたのかが描いてある。ただ、みんな死んでしまうので、とても悲しい。特攻隊みたいな非人道的な戦闘法、一体誰が考え出したんだろう・・・・・あまりにも非人道的すぎて、発想そのものが狂気としか思えない。

↓子どもたちの視点からの戦争体験記

 

高齢者が、昔少年時代を思い出して戦争について描いている本。九州から東北まで電車で疎開する様子がかなり詳細にわたって書いてあって、記憶がいい人だなと感心。もちろん、しっかり覚えている人も多いんだろうけれど、わたしがあったカンボジアの高齢者は、ERAを除いては、強制移住の話を具体的に覚えている人はあまりいない。ところどころの要所は抑えているけれど、というかんじ。そのあとの約4年がつらすぎるからかな?

 

神戸では有名な宝石商、カミネの会長さんが描いた、沖縄での従軍体験記と、そのあとのビジネス展開、神戸の震災の話。

↓沖縄の塹壕での経験が相当生々しい

神戸のことをたくさん書いているので、とってもとっても共感しながら読んだ。人間万事斎王が馬というのは、まさにこの人かも。あるいは、起死回生かな?よく沖縄から戻ってこれたなと思うと同時に、ほんの一握りの人しか成功できないような素晴らしい成功をビジネスでも収めていて、本としてご自分の体験をまとめてくれていることに感謝。カルティエの社長がとても人間性溢れて優しい人間だというのも、筆者との交流をつうじて伝わってきて、ブランドはやはり単なる値段だけではないブランドの価値っていうものがあるなと思ったのである。ちなみに、カミネのHPに、この本がほしい人は英語版もあるので連絡をすれば送ってくれると書いてあったので、学生たちに読んでもらうためにこの本の英語版をほしいとメールしたらすぐに回答がきて、フランス語版もあるけれど何部必要ですかという丁寧な回答で、さすが日本でもトップクラスのブランドは対応が違うと勉強になったのである。

 

 ↓連合艦隊司令官長官、山本五十六の話

 

筆者が描く太平洋戦争の背景と山本五十六のかかわりよりも、山本五十六の父が、3姉妹と連続して結婚したっていうののほうが驚き・・・・(長女から順に死に、次々と妹と再婚)。とてもとても厚みがある本で、読みす進めるのにとっても時間がかかる。大岡昇平さんの「俘虜記」と同じレベルで、内容が濃いいし重いのである。

それにしても歴史書に女性は登場しないのである。 

↓なので、こちらも読んでみた、澤地久枝さんの本

 

とてもとても新鮮なかんじがする、女性視点からの戦争記録。自分の孫に語りかけるという形式で書かれていて読みやすいのと、自分の体験に基づいて書いていて(資料の引用はほとんどない)、静かな語りだけれど、凄まじい戦争体験記という迫力がある。

 


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