ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

障がいを持つ女性を性暴力から守る活動 

2011年11月20日 | 女性の自立

 

今の仕事では、女性に対する暴力撲滅のために活動しているNGOをかたっぱしから訪問してインタビューするっていうことをしているわたし。

いったい何団体訪問できるか、残されている時間との闘いなのだけれど(ほかにも役所内での雑用とか国連での仕事も山ほどあるし・・・)、いろんな人と会って元気もらったりカンボジア社会についても学ぶことが多くて、とても楽しい仕事なのだ。さらに、大量の資料を収集できるので(調査とか年次報告書とか)、カンボジアでの女性に対する暴力の現状を知れたり、どんな対策がとられているのかを知れたり、とても勉強になるのだ。いやあ、その道の専門家のはしくれとはいっても、知らないことがおおすぎるなあと、毎日勉強の日々なのである。

プノンペンは狭いとはいえ、1日、4つの団体を訪問するのが最大限。ランチでのインタビューもいれると、4つ。でも3つ目になると、たいてい午後一番なので、ねむくて仕方ない・・・ので睡魔とたたかいながらのインタビュー。

たくさん訪問している団体の中でも、とても印象的な団体は、Handicap International (HI)。この団体の男性職員とは、女性に対する暴力撲滅のための16日キャンペーンの準備とかで連日会ってるのだけれど、具体的にどんな活動を展開しているのかは知らなくて、さらに事務所は訪問したことがなかったわたし。なんと、この団体、障がい者の女性を性暴力から守るための活動を実施していて、調査まで実施している実績ある団体なのだ!

↓障がい者の女性たちへの教育教材

教材の一枚目の絵がこの写真の絵だったので、びっくりしたのだけれど、障がいを持っている人にはわかりやすい絵じゃないと意味が伝わらないそうな。

障がいをもっている女性は、障がいのない女性と比較すると、性暴力の被害にあう確率が3倍高いのだそう。HIの調査では、10人の性暴力被害者の女性がインタビューされていて、全員知っている人が加害者(近所の人や義理の父親)。全員がコンドームの使用法を知らなくて、「レイプについて誰かにしゃべったら殺す」というような脅迫を受けたそう。

別の団体にインタビューに聞いた事件では、障がい者の女性がレイプされてそのNGOを通じて警察に通報されたのだけれど、加害者が警察に影響力のある人だったので、「障害を持っている女性の証言を両親が聞き間違えて、レイプではなかった」として処理されたって話を聞いたんだよな・・・・・

わたしはいとこが障がいを持っていて成人したことや、自分自身が障がい者になる可能性がある血筋だったので(20代に発症しなかったから多分もう大丈夫・・・?)、障がい者の問題ってとっても身近なのだ。それでも、こういう現実を知らなかったので、いやあ、まだまだ勉強しなきゃいけないなあと思うのである。