トラッシュボックス

日々の思いをたまに綴るブログ。

赤城農水相批判に山口良忠判事を援用する天声人語の珍妙

2007-07-23 23:56:12 | マスコミ
 17日付『朝日新聞』の「天声人語」が、闇米を拒否して餓死したと伝えられる山口判事を引き合いに出して、赤城徳彦農水相と安倍首相を批判している。


《きのう岩波文庫の創刊80年について書いたら、「一番売れたのは何か」と質問をいただいた。答えは、157万部を数える『ソクラテスの弁明・クリトン』である。

 古代ギリシャの哲人ソクラテスは、「神々を信仰せず青年を堕落させた」と告発される。『弁明』は、その裁判での反論演説の記録だ。彼は死刑を宣告される。逃亡もできたのに拒み、毒杯をあおいで死んだ。「悪法もまた法なり」の言葉を最期に残したとされる。

 「昭和のソクラテス」と呼ばれた人を思い出す。戦後の食糧難時代に、違法なヤミ米を拒み、極度の栄養失調で死んだ山口良忠判事である。「自分はソクラテスならねど食糧統制法の下、喜んで餓死する」と病床日記に残した。この秋で、亡くなって60年になる。》


 はて、このエピソードは、或る種の伝説ではなかっただろうか。
 たしか、もうかなり昔のことだが、雑誌『諸君!』に、山口判事の遺族が、この話は朝日新聞が作り上げた伝説だとして否定する文章が掲載されていた記憶がある(未読)。
 検索してみたら、現在でも山口判事への関心は失われていないようで、いくつかのサイト見つかったが、伝説云々については、こんな文書が見つかったぐらいで、よくわからない。
 この文書が言うように、この病床日記なるものは、たしかに捏造じみた印象を受ける。
 山口判事については、近年でも関連書籍が刊行されているので、そうした本を当たれば、もう少し詳しいことがわかるのかもしれない。

 で、天声人語子の話は何故か赤城農水相批判に向かう。


《「立派だ」「愚直にすぎる」。感想は分かれよう。だが「ザル法もまた法」とばかりに、事務所費の疑惑に頬被(ほおかむ)りする当節の大臣に比べれば、どれほど「品格」に富むことだろう。論法は同じでも、モラルは天と地ほどに違う。

 「李下(りか)に冠を正さず」と言う。だが赤城農水相は、不自然極まる経理処理で「冠を正し」てしまった。疑惑を晴らすには、李(すもも)を盗んではいないと、手を開いて見せるしかない。この場合は領収書を示すことだろう。》


 「品格」にカギカッコが付いているのは、ベストセラーになった『国家の品格』を意識しているのだろうか。
 しかし、ソクラテスや山口判事には品格があった、赤城農水相には品格がない、と同列に論じられる問題だろうか、これは。
 「悪法もまた法なり」として従容として死につくのと、「ザル法もまた法」として合法性を盾に説明を拒否するのでは、全く話は違うだろう。
 前者は、自分に不利益であっても法律には従うべきであるという覚悟。後者は、合法なのだから社会的に問題はないはずだという主張。「論法は同じ」どころではない。全く別の次元の話なのだ。
 その点について天声人語子も内心後ろめたさがあるのだろう。そこで、「李下に冠を正さず」などという故事成語を持ち出して取り繕っているが、成功しているようには見えない。


《かばい続ける安倍首相にも、「仲良し内閣」と批判が募る。首相と赤城氏は、祖父同士も「首相(岸信介)と農林相」の間柄だった。御曹司ゆえの大甘か。ちなみにではあるが、岩波文庫の2位は136万部の『坊っちゃん』である。》


 結局、岩波文庫で売れている1位と2位が『ソクラテスの弁明・クリトン』と『坊っちゃん』だったことにかこつけて、これをむりやり赤城農水相批判に結びつけているだけではないのか。
 その力業にはおそれいるが、何とも無様だ。

 山口判事の「モラル」を持ち出すなら、言論人としての朝日のモラルはどうなのか。
 山口判事は、伝えられるところによれば、単なる遵法精神で栄養失調にまで至ったのではない。闇米を所持して食糧管理法違反に問われた人の裁判を担当していた自分が、闇米を口にすべきではないという考えに立ったためだった。
 朝日が言論人としての「モラル」を考えるなら、嘘やデマだとわかっていることは、たとえ圧力をかけられたとしても報道するべきではない、新聞は権力の広報機関に堕してはならないということになるだろう。
 戦時中の朝日新聞はどうだったのか。そしてそれを戦後朝日は検証してきたのか。多少なりともまともな検証がなされたのは、当時現役だった者が全て引退した90年代以降ではないのか。
 また、山口判事を一躍有名にした朝日の記者は、では闇米を食べてはいなかったのか。

 山口判事自らが、その行動に基づいて、他者を批判するのではあれば、まだ話はわかる。
 また、山口判事を引き合いに出して、当時の他の裁判官なり取り締まりの当局者なりを批判することも、論理的には可能だろう。
 しかし、山口判事並みのモラルを自分の職務において発揮できなかった者が、世の中には山口判事のような偉い人がいる、それに比べてオマエは何だと、一般論として他者をののしってみたところで、何の説得力があるだろうか。

 前にも書いたが、「天声人語」のレベルは昔に比べて低下しているように思えてならない。


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5 コメント

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武田邦彦氏のブログ (井上信三)
2009-10-14 14:32:57
 武田邦彦氏の文章は、「武田邦彦(中部大学 人生の鱗第三話) というキーワードで検索できます。

 うっかりしてすみませんでした。
返信する
Re:山口良忠についての文章の転載 (深沢明人)
2009-10-10 01:19:58
 転載するなら出所を示すのがマナーだと思いますが。
 検証できませんのでね。

>重箱の隅をつつくようなツッコミをまた入れられても困りますので、これ以上のことは書きません。

 私の前回のコメントの、

>細かいことですが、「背筋に虫唾が走」ることはないと思いますし、「法匪 山口良忠の姓名を読むたびに」とフルネームを出しておきながら、続く文章で「山口某なぞ真っ当な人間ではないし」と「某」呼ばわりしても意味不明です。

これは「重箱の隅をつつくようなツッコミ」だと思います(私も「細かいことですが」と書いています)が、

1.山口は刑事訴訟法を破った「クソ犯罪者であ」る

条文上、山口は法に反していない。したがって「クソ犯罪者」ではない。

2.「おそらく」「だったそうです」「たぶん」「あったでしょう」というだけで、人をこれほどののしるのはいかがなものか。

 この2点については、「重箱の隅をつつくようなツッコミ」だとは思いません。あなたのコメントの要点に対する反論だと思っています。
 再反論があるなら、具体的になさってはいかがですか?

 この武田邦彦の小説もどきの文章を持ち出して、何が言いたいのですか?

 あなたの「無辜の庶民を死に追いやったことがあったでしょう。」という主張の根拠がこれだとおっしゃりたいのですか?

 小説は所詮小説でしかありませんよ。
 書き手の思うがまま、どうにでもなります。

 もっとまともな根拠は挙げられませんか?

 そして、その武田でさえ、山口を「法匪」とまでは述べていませんね。山口を全否定してはいませんね。

返信する
山口良忠についての文章の転載 (井上信三)
2009-10-09 11:50:32
 下記は、法匪 山口良忠について 中部大学教授武田邦彦氏が書かれた文章です。

 人生の鱗 第三話 山口良忠と矩子









 山口良忠と矩子

  天皇の終戦の詔勅が全国に響いてしばらく経っても篠崎キクの息子は帰ってこなかった。それでも・・・二人の子どもを残して、32歳で出征した息子はきっと帰ってくる、キクはそう信じていた。

その朝、キクは昨日からなにか重たくなった腰を上げてそっと綿入れをはおり、寝入っている孫の様子をチラッと見て、裏木戸を開けた。

 そぼふる小雨の中、まだ暗い空を見上げながらキクは路地を小走りに急いだ。息子・光太郎の嫁はあの三月の東京大空襲で死んだ。孫を残して嫁に死なれることは72歳になった自分には辛いことだったが、へこたれる訳にはいかなかった。たとえ、どんなに辛くても息子が帰ってくるまでは孫を守らなければならない・・・。

 配給の食料はいつも不足がちだった。その上、遅配や欠配が続く。年老いた自分が餓死するのは仕方がないけれど、幼い孫を死なしては光太郎に申し訳が立たぬ。

 角にでると、そこにはもう数人の人影が見えた。キクと同じように、密かにヤミ米を売ってくれるという噂を聞きつけてきた人たちだった。狭い曲がり角にはコールタールをべったりと擦りつけたような板壁が重なり、小さな凹みを作っていたが、そこにもようやく夜明けの暗い太陽が差し込んでいた。背の低いキクはその凹みに寄り添うようにして数人の男の列に沈んだ。

 やがて、白い息を吐きながら背の高い、それでいて顔の辺りが妙に暗く、いかにもそれらしい男が現れ、10個ほどの紙袋を薄明かりの中でキクたちに見せた。
「ほら、並んでる順だぞ。金は出しておけよ。」

 男はなにがしかの金を受け取り、ぶつぶつ言いながら紙袋を渡していった。ようやく7,8人目にキクの番が来た。
「ばあさんも、大変だな。」

 男がそういった時だった。ピーッと耳元で鋭い笛が聞こえたと思うと、キクの体はあっという間にずるずると引きずられ、なにか薄暗い倉庫のような部屋に運び込まれた。

 それからしばらくして漸くそれがトラックの荷台の中だということをキクは知った。
「ブーッブーッ」
木炭の煙がもうもうと上がり、車はガタンと動き出した。キクは全身の血が一気に体から抜けていくように感じた。

「み、見逃してくださいっ!」
キクは立ち上がって鉄格子の入った運転席との間の窓にへばりつくようにして叫んだ。でも、その声は狭いトラックの荷台の中に響いただけで、次第に明るくなっていく町の騒音に消されていった。

 キクは初犯ではなかった。
田舎には米があるという噂はあったが、幼い孫を連れて遠い田舎に行くすべをキクは知らなかった。といって、町の有力者に米の横流しを頼むなど、まじめに人生を送ってきた老婆にわかるはずもない。ただ、お腹を空かせた孫を見るたびに不憫になり、自分のふがいなさを嘆き、光太郎にすまないと涙した。

 やがて老婆は噂を聞きつけてヤミ米を買いに行くようになった。危険なことは承知していたが、そうしないと孫を育てることはできない。キクが捕まるのが二度目になったのもそんなわけだった。

 肩を落として畏まっている小さなキクの前で、東京地裁の山口良忠判事がしかめっ面をして書類に目を通していた。
・ ・・食料統制法違反。篠崎キク。72歳。再犯・・・

 戦後の食糧危機はすさまじかった。もともと食料が足りないのに、それを横流しして巨利を得ようとする政治家や闇市場を支配する輩が暗躍し、庶民は飢えた。知り合いを頼って田舎へ買い出しに行くか、それとも食料統制法で逮捕されるのを覚悟で駅や路上で芋や米を買い求めるしかなかった。

 食糧統制法違反で逮捕された人は、戦争がおわった年の翌年の昭和21年には122万人、翌々年は136万人、次の年は150万人に上った。

「・・・お願いです、助けてください。」
有罪で収監の判決を受けた篠崎キクは、両の手を引きずられるように法廷から連れ出されながら叫んだ。
「判事さんっ!何を食べて生きているんですかっ!鬼っ!」
老婆の声が法廷に響く。
 
 東京地裁判事、山口良忠は、その夜から食事をとらなかった。あの老婆が初犯だったら見逃せたが、再犯は収監しなければならない。でも、山口良忠はなぜ配給が滞り、老婆がヤミ米に走ったかを知っていた。

 食料を横流しし、闇市で売りさばく連中がいる。本当に日本に食料がなければヤミ米もない。日本のどこかには食料があり、だから闇市があるのだった。でも彼らは決して逮捕されない。山口判事の前に連れてこられるのは、いつも「正しい庶民」だった。

「あなた、お食事をとらないと・・・」
山口判事の妻、矩子は部屋の一所を凝視しながら顔をこわばらせる夫にそういった。

 同じ頃、篠崎キクの家では二人の孫が干した芋を齧っていた。彼らがその朝、起きた時には家におばあさんの姿はなく、昼になっても夕方になっても帰ってはこなかった。兄妹は戸棚の中の干し芋を齧り、寒さに震えながらいつの間にか寝入っていた。

 夜半をすぎても寝床にも入らない夫を、矩子はどうして良いか分からずに僅かな暖をとるためにと持ち込んだ火鉢に手をかざしていた。

 次の日も、山口判事は食事をとらなかったが、判事の子供たち、7歳と3歳になる子と妻には食事をするように言い、その日から判事は一人で部屋に閉じこもったまま出てこなくなった。

 昭和22年10月11日、山口良忠判事、餓死。
その日、篠崎キクの二人の孫も、あれきり帰ってこない祖母を待ちながら冷たくなっていた。

 新聞は短く山口判事の死を報じ、法と信念の為に殉職したこの判事の偉業を称えたが、同じような運命をたどった幼い孫たちの記事は載らなかった。

 日本の司法はこの法律に欠陥があることを認めていたフシがあるが、闇取引を抑制する効果があるとして全体としては支持していたともいわれる。

 でも、疑問がある。

 警察も検察も老婆を捕らえることには力を注いだが、闇市場のボスを追いつめることはしなかった。闇市があるということは日本には食料があるということだ。それが食料統制法に基づいて正しく配給されていればそれで良かった。

 だから、老婆を捕らえることは「闇取引を抑制し、生活必需品の調達を改善する」ということに何の役っていただろうか。でも裁判所は、闇市場のボスを退治することには熱心ではなかった。巨悪を捕まえるより、小悪を捕らえる方が簡単である。

 当時の裁判官がヤミ米を食べて生き残ったかどうかは定かではない。社会的地位が高いという理由で余分な米の配給を受けていたのかも知れない。おそらくは、自分は裁判官だから、老婆の命とは違うと考えていた可能性もある。

「刑務所の中にしか正しい人はいない」
と言われた時代だった。

 そして、あの山口良忠判事。職務と正義に忠実な判事、信念の為に餓死した判事もやはり罪がある。彼ほど正しい人に矢を向けるのは忍びないがやはり非がある。

 彼は、巨悪が退治されるまで、篠崎キクに無罪の判決を下すべきであった。たしかにキクは法律を犯している。でもキクはより大きな犯罪を取り締まることができない国家の罪の被害に遭っているだけである。

 人間の頭は歪んでいる。
「幻想としての正義」と
「全体像を見ることができない利己」
が脳細胞の中で戦い、行為で利己が勝ち、いいわけは正義がつける。誠実であるということは心の問題であって頭ではない。

 山口判事は判決を下すにあたって頭の判断を優先した。そして、頭で判断した論理が人間という目で見ると間違っていたことを彼の心が知ったのである。その間のクレヴァスはあまりにも深く、彼は餓死の道を選んだ。 

おわり

(本稿は読者の方のご指摘をいただき、一部を修正しました。)

武田邦彦

 重箱の隅をつつくようなツッコミをまた入れられても困りますので、これ以上のことは書きません。

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Re:法匪 山口良忠 (深沢明人)
2009-10-07 22:20:38
 井上信三さん、こんにちは。

 あなたの主張をまとめると、次のようになりますかね。

・山口判事は親兄弟や知人から闇買いしたであろう食糧の提供を受けていた。刑事訴訟法は公務員が犯罪の事実を知った場合にはそれを司法官権に通報する義務を課している。山口は彼らを通報しなかった。違法行為は犯罪であり、判事のそれはなおのこと悪質である。
・山口は、生きるためにやむなく闇買いに手を染める者に苛烈な刑を課し、無辜の庶民を死に追いやったことであろう。山口など、自己満足のために悪法を遵守し、庶民を苛める一方、親兄弟や知人は見逃した「ド阿呆・クソ犯罪者」でしかない。賞賛になど値しない。

 まず、私はこの記事で山口判事を賞賛しているのでもなければ、批判しているのでもありません。朝日新聞のコラム「天声人語」が、赤城徳彦農水相を批判するネタとして山口判事のエピソードを持ち出していたため、それについて触れたまでです。
 ご理解いただいているとは思いますが、念のため付言しておきます。

 次に、あなたによれば、

>刑事訴訟法第239条第2項には 公務員が犯罪の事実を知った場合にはそれを司法官権に通報する義務を課しています。

とのことですが、刑事訴訟法の条文に当たってみると、確かに次のようにあります。

第二百三十九条  何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
○2  官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO131.html

 しかし、この現行の刑事訴訟法は、昭和24年1月1日に施行されたものです。
 山口判事の死は昭和21年11月4日のことですから、この法律は施行されていません。

 当時は、今で言う旧刑事訴訟法(大正11年法律第75号、大正13年1月1日施行)の時代です。
 この条文の一部を紹介しているサイトがありました。
 それによると、次のような条文があります。

第二百六十九条 何人ト雖犯罪アリト思料スルトキハ告発ヲ為スコトヲ得
2 官吏又ハ公吏其ノ職務ヲ行フニ因リ犯罪アリト思料スルトキハ告発ヲ為スヘシ
http://www.geocities.jp/lucius_aquarius_magister/T11HO075.html

 上記の、現在の刑事訴訟法の条文と同じ意味ですね。

 では、山口判事は、違法行為をしていたのでしょうか。

 しかし、条文には、「其ノ職務ヲ行フニ因リ」とあります。
 職務を行っていて、これは犯罪だと思われる事例に接した場合に、捜査機関に告発する義務があるというわけです。
 公務員が、職務と関係なく、私生活上で犯罪と思われる事例に接し、それを捜査機関に告発しなかったとしても、それは何ら違法ではありません。
 山口判事が、親兄弟や知人から、ヤミで買ったと思われる食糧の提供を受けていたとしても、それは判事としての職務とは関係ありませんから、彼らを告発する義務はありません。

 これであなたの主張の大半が崩れます。
 山口判事は「クソ犯罪者」ではありません。

 職務とは関係なくとも、犯罪と思われる事案は判事なら告発すべきではないのかとおっしゃるかもしれません。
 しかし、判事の仕事とは、裁判にかけられた事案について、有罪無罪を判断するというものです。自ら犯罪を暴き立てるのが仕事ではありません。それは警察や検察のやるべきことです。

 そして、

>山口のような「遵法精神に富んだ」裁判官ならおそらく苛烈な刑を課したことは間違いありません。ちなみに、没収した食料はどうなったと思いますか。警察官・検察官・裁判官およびそれに連なる公務員共が山分けしたのが実態だったそうです。

>たぶん、この法匪 山口良忠もそういった裁判をして無辜の庶民を死に追いやったことがあったでしょう。

 「おそらく」「だったそうです」「たぶん」「あったでしょう」とは、全てあなたの想像か伝聞でしかないということですね。
 それだけの根拠で、よくもこれほど悪しざまに人をののしれるものですね。

 山口判事は食管法違反事件については他の裁判官よりもむしろ寛大だったと何かで読んだ記憶があります。
 それも伝説のたぐいかもしれませんが、少なくとも山口を「法匪」とまで呼ぶなら、それなりの根拠が必要ではないでしょうか。

 あと、細かいことですが、「背筋に虫唾が走」ることはないと思いますし、「法匪 山口良忠の姓名を読むたびに」とフルネームを出しておきながら、続く文章で「山口某なぞ真っ当な人間ではないし」と「某」呼ばわりしても意味不明です。
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法匪 山口良忠 (井上信三)
2009-10-03 15:32:46
 下記は「沖縄県民かく戦へり」というブログに私が投稿した文章です。ここでの主題とはいささか外れるようですが、山口良忠の事が書かれていましたので、投稿してみました。

  法匪 山口良忠の姓名を読むたびに背筋に虫唾が走ります。

 山口某なぞ真っ当な人間ではないし、ましてや偉人なぞでは決してありません。

 こいつが餓死したのは単なる自己満足。法律を守ろうとか何とか言う気持ちなぞ全然ありません。

 こいつの妻子や親兄弟あるいは友人知人同僚で餓死した人間がいますか。居なかったですね。ということは、彼の妻や親兄弟、友人知人同僚などは当然のこと食料を闇買いして生きていたことになります。親兄弟や知人から山口のところに食料が送られてきたが、彼はそれを食べなかったという事実から、彼の親は他の人に与えるほどの余剰食糧を所有していたことになりますが、当時の食料配給量は、彼が餓死した事実を見ても生きてゆくに足りない量しかなかったことは事実ですから、彼に送られてきた余剰食糧は闇買いしたものであることは間違いありません。

 ところで、刑事訴訟法第239条第2項には 公務員が犯罪の事実を知った場合にはそれを司法官権に通報する義務を課しています。ところで、山口に余剰食糧を送ったということは、送り主すなわち彼の親兄弟が食糧管理法という法律に違反してやみ買いをしたことを意味します。すなわち、山口良忠の親兄弟は食糧管理法を破った「犯罪人」であり、犯罪人から送られた食料を受け取った時点で彼は犯罪の事実を知ったことになります。

 そうすると、彼が真の遵法精神の持ち主であるならば、食糧管理法違反で親兄弟を告発すべきでした。しかし彼はそれをしなかった。そのことは彼が刑事訴訟法の規定を意図的に破ったことを意味します。犯罪者とは法律を破った人間を指します。したがって、山口良忠は法を遵守して死んだ清廉潔白な人間ではなく、人間性を無視した悪法を単なる自己満足のためにのみ守り、刑事訴訟法を公然と破って死んだド阿呆・クソ犯罪者であります。それも通常の犯罪者ではなく、法律を徹底的に勉強し、超難関の高等文官試験司法科に合格して裁判官に任命された法律のプロであることを考えれば、普通の国民に課されるものより以上の法律遵守義務を負わされており、彼もそのことは十二分に理解していたはず。それを無視して犯罪告発をしなかったということはきわめて悪質です。

 単なるド阿呆ならよかったのですが、彼は国家権力を背景に犯罪者を処罰する権限を握った裁判官でしたからたまったものではありません。生きるために必死の思いで大混雑列車に乗り、なけなしの金で何とか手に入れてきた食料を、駅に待ち構えている警察官により食糧管理法違反ということで没収され、場合によっては逮捕されて裁判にかけられ、生きるために普通の人でも親兄弟妻子のために必死の思いで行った闇買いも度重なれば実刑に処したのが当時の実態でした。山口のような「遵法精神に富んだ」裁判官ならおそらく苛烈な刑を課したことは間違いありません。ちなみに、没収した食料はどうなったと思いますか。警察官・検察官・裁判官およびそれに連なる公務員共が山分けしたのが実態だったそうです。

 私も昭和21年当時小学校5年生で、都内から近くの農村に食料買出しに行って警官の刈り込みにあい、なけなしの金でやっと買ってきたサツマイモやかぼちゃなどを没収されて悔しい思いをしたことが何度もありました。子供だったので逮捕はされませんでしたが。その当時聞いた話では、ある老婆が2人の幼い孫を養っていて、生きるために始終食料闇買いをしていたために常習だということで目をつけられてあるとき逮捕され、裁判で執行猶予の刑を受け、釈放され帰宅したら2人の孫が餓死していたという話を聞いたことがあります。

 たぶん、この法匪 山口良忠もそういった裁判をして無辜の庶民を死に追いやったことがあったでしょう。

 こんなインチキ自己満足人間 山口良忠を賞賛することはいい加減やめにしたらいかがでしょうか。
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