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検察庁法改正先送りの報を読んで

2020-05-19 12:15:56 | 現代日本政治
 18日、安倍首相は検察庁法改正の今国会での成立を断念したと報じられた。一般の国家公務員の定年引き上げなど、抱き合わせにした全ての改正案を、次の国会以降に先送りするのだという。
 朝日新聞デジタルはこう報じている。

 ツイッター上では、俳優や歌手ら著名人からも「#検察庁法改正案に抗議します」という投稿が相次いだほか、元検事総長を含む検察OBからも反対する意見書が15日に法務省に出されていた。
 こうした世論の反発を受け、政府高官は18日朝、「今国会で成立しなくても困るものではない」と語った。自民党関係者も「検察庁OBの反発で官邸内の風向きが変わった」と話した。
 安倍首相は、新型コロナウイルス対応で必要となった2次補正予算案を27日をめどにとりまとめる指示をしており、改正案の成立を強行すれば、予算案の国会審議への影響が避けられないと判断した。自民党幹部は見送りの理由について「新型コロナのさなかに国論を二分するのは良くないということだ」と話した。


 確かに、政権にとって「今国会で成立しなくても困るものではない」だろうし、コロナ対策の方が重要だろう。このような政治判断になったのは理解できる。

 しかし、黒川氏を検事総長に就けることによって安倍首相が訴追を免れるだの、これまでにも黒川氏が自民党政治家の事件をつぶしてきただの、三権分立の危機だの国のかたちの根底を変えるだの、愚にもつかない批判を真に受けたツイートの拡散が国会審議に影響を及ぼすなんてことが、政治のあるべき姿なのだろうか。
 50年前に、わが国の立場を強化するための日米安保条約改定にわけもわからず反対して大騒ぎした時と、国民のレベルは変わっていないのではないか。

 安倍首相のこの転換は、先に新型コロナの支援金が減収世帯30万円から1人一律10万円に変えられたときと同様、この政権の性格が世評のように強権的だの独裁だのといったものではなく、むしろ情勢に合わせた柔軟な対応をとれる(弱腰と言ってもいい)ことを示していると私には思えるが、政権批判者がそのような認識を示すことはないだろう。
 

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