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名字を考える・・・・④ 「貴少姓」と「珍姓」

2014年10月22日 09時43分41秒 | 独り言・社会・ニュース

「貴少姓」とは、一つの家系に属す者だけ名乗る形で現在まで受け継がれた名字のことです。
この「貴少姓」は、中世に作られたものと、明治になって出来たものとがあります。

その中で、地方独特の呼び方で「珍姓」と呼ばれてもよい独特なものがあり、その名字も広がることにより「貴少姓」ではなくなっているものが多くあるようです。

静岡県に 「 一尺八寸 (かまつか) 」という名字があります。
1尺8寸は、草刈りの鎌の柄の長さで、草刈り競争で優勝したものが領主から「1尺8寸」という名字をもらったとか・・・・・

他に 「 十 (つなし) 」 とか 「 才 (えだおろし) 」という名字があります。
「 十 」とは、「ひとつ」「ふたつ」・・・と数えると「とう」で 「 つ 」 がなくなり、「つなし」となります。
「 才 」 とは、木の片方の枝を下ろした形、すなわち「えだおろし」なのです。

   今年の水彩画から
         ”フジの花”  水彩画  F20号    



日本の29万種あまりの名字のうち、1,2万種あまりが「貴少姓」だと考えられています。

主な貴少姓とそれが見られる地域           

 竹の子 (青森県)  人首「ひとかべ」、 大蛇「だいじゃ」 (岩手県)  皇 「すめらぎ」 (宮城県)
 百鬼 「なきり」 八月一日「ほづみ」 (群馬県)、 円満「えんまん」 (埼玉県) 
  
 田舎「いなか」、 相撲「すもう」 (愛知県)  晦日「みそか」(山梨県) 車多 「しゃた」(東京都) 
 一寸木「ちょつき」(神奈川県)、 腰巻、 薬袋「みない」 (山梨県)、  源平「げんぺい」(静岡県)
 米「こめ」、雪「ゆき」 (新潟県)、 明治、 大正、 寒蝉「ひぐらし」 (福井県)、
 
 目「さかん」 舌「した、ぜつ」(京都府) 自然「じぜん」、 問屋「といや」 (大阪府) 
 煙草「たばこ」、火縄「ひなわ」 (兵庫県)  心山 「むねやま」 (滋賀県)
 茄子「なす」、弁天「べんてん」 (奈良県)  仏 「ほとけ」、烏遊「かなし」 (和歌山県) 
 
 住居「すみか」 (岡山県) 銀杏「銀杏」 (広島県)、 美談「みだん」 黄金「おうごん」 (鳥取県)、 
 鉄砲「てっぽう」 (島根県)、  虎 (香川県)、  正月「しょうげつ」 (愛媛県)
 遠近「とおちか」 (高知県)、  冬至「とうじ」 (福岡県) 一番合戦「いちばんまかせ」(佐賀県)

 五輪「ごりん」 (長崎県)、 日日「ひび」 (熊本県)、  乙女、入学 (大分県)
 五六「ふのぼり」 (宮崎県)、  日本「にっぽん」  (熊本県)、  
                               「名字と日本人」 武光 誠著 文春新書による
 これは、ほん一部に過ぎません。
 興味のある方は、調べてください。