鉄道が正確に運営するには、巨大システムが正確に稼動しなくてはなりません。
その巨大システムを稼動するには、各部品の信頼性が高くなければなりませんが、それを直列に繋げば一つの部品の信頼性が高かっても多くの部品から成り立っている全体システムの信頼度は落ちます。
直列 並列
そこで、その部品を並列に並べるとどうでしょうか?
判りやすくするために、今度はあえて、日常感覚からして”頼りない”とされる信頼度が0.6の部品3個を並列につなぎ合わせて見ます。
この場合は、ともかく一つでもうまく働くことが前提条件としますと、システムが巧く働く確率は、全敗しない確率となり、その確率は、1から(信頼度100%)全敗する確率を引いたものとなり、並列システムの信頼度は、
1-(1-0.6)×(1-0.6)×(1-0.6)=0.936
これは、部品の信頼度0.6に対して並列システムでは、信頼度が上がっていることに注目すべきことです。
4個を並列にすると、システムの信頼度は、0.9744
5個を並列にすると、システムの信頼度は、0.98976
たちまち高い信頼度が得られます。
このように、たとえ”頼りない”部品でも、並列性を持ち込めば、全体として思いのほか良い結果が得られます。これが数字のマジックなのです。
このようにして直列と並列を組み合わせ、要所要所に並列性を取り入れて、全体の信頼度を上げていくことを「冗長設計」といいますが、この冗長設計は、日本の鉄道が「遅れない鉄道」をつくりに当たっても、「遅れてもすぐ回復する鉄道」をつくることに活躍しています。
特に列車車両のように直列に並ぶ部品の数が多いところでは、冗長設計が大きく貢献しています。
優勝のロゴマークのついた阪神電車