徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

タイガース、水彩画、鉄道などの、僕の気ままな”独り言”

鉄道は正確が当たり前!!!-その14-

2005年11月22日 10時14分13秒 | 鉄道は正確が当たり前!!

日本の鉄道が正確なのは、その歴史的背景やシステムの完璧さへのこだわり等を述べてきました。

ここに大事なのは、乗客のニーズを如何に具象化するのかが大切です。航空機が発達している現在、鉄道の使命とも言えることではないでしょうか?

ここでその努力の一端をお話します。
平成3年6月、今まで上野発着であった東北・上越新幹線は、東京駅発着となりました。素人目には、単なる始発駅が上野駅から東京駅に変わっただけのことですが、その実現には、大変な努力が必要でした。

 東京駅の東北・上越新幹線の車止め。
                   終点でもあり、始発駅でもあります。

問題は、東京駅のたった一つのホーム、即ち2本の発着線で、1日に217本の列車を発着させなければならないことでした。 この「1つのホームで217本」は、世界水準は勿論、日本国内の水準から見ても、すごい数字なのです。

これも当時のアンケートでは、乗客の97%が東京駅の発着を希望していたことから、このニーズに応えるべき経営陣の強い意志のもと計画されたものです。

当時は「これは無茶苦茶だ」「不可能だ」の声が挙がっていましたが、出来るという推進派が反対派を説得したのは、緻密なシュミレーションでした。

つまり、列車の折り返しの時間を短縮することがポイントとなりました。
それまで20分で折り返していた新幹線を12分とすることでした。
それには、車内清掃時間の短縮をはかるため清掃作業そのものの洗い直しを徹底的に研究されました。

 
  東北新幹線の東京駅ホーム       東北新幹線の0地点ポスト
                          20番、21番ホームにあります。

もう一つの問題は、ホームの収容人員能力で、この短縮された折り返し時間では、ホームに人が溢れます。ましてや盆・暮れの帰省ラッシュで自由席券を手に発車の1時間半も前からホームに並び始めます。

東京駅の新幹線発着表示板
東海道・山陽新幹線は、14番~19番ホーム 東北・山形・秋田・上越長野新幹線は、20番~23番ホーム。

そこで考えられたのが、自由席の停車位置を列車毎に変えるということでした。
つまり、乗客の並ぶ自由席車両の位置を列車毎に変えることでたとえ一つのホームでも大勢の乗客が収容出来るのです。
勿論、これを実施するにあたっては、何度も何度もシュミレーションをし人の流れを研究されました。

こうして、不可能を可能にする努力を絶えず行ってきたお陰で今日の鉄道が走っているのです。