旧愚だくさんブログ

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童顔童形像

2007年03月02日 | 仏教・仏像

毎日、飽かずに眺めている「奈良大和路カレンダー」は2ヶ月毎めくり。
なので、3月に入り、初めて一枚めくった。

070302_22420001 ・・・ら!こぉ~んなに愛らしい御仏が御出ましになられた。

奈良県・金龍寺に安置される聖観世音菩薩像だそう。

子供の様にあどけなく可愛らしい御顔と、お腹を前に迫り出した御身体付きから「童顔童形像」と呼ばれた御像は、飛鳥~白鳳時代に制作された。

飛鳥後期は、仏像制作に関しちゃ面白い(興味深い)時代で、他の時代が「一つの時代を代表する一つの作風」であるのに対し、この時代は幾つかの作風が並立して展開されている。
それは、その当時、百済・高句麗が滅びて新羅統一の時代に入り、また唐朝は最盛期に入ろうとしており、その気運を反映するかの様に日唐交渉は活発になって新しい仏教が続々と入って来、その影響から様々な時代の様々な様式が展開された・・のだ。

童顔童形像は、東京国立博物館の法隆寺宝物館に安置される「四十八体仏」や、法隆寺・大宝蔵殿に安置される「六観音」、または同寺金堂の飛天なども知られた処。
そして、とっても有名な法隆寺「夢違観音」と、ほぼ同時代の制作になる。

それにしても可愛いなぁ・・・この鄙びた御顔。
カメの目じり&口角はタラッと下がりっぱなしだわよ。
これから2ヶ月間、この愛らしい御仏を拝せるなんて感無量、ってところかな。


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