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旧愚だくさんブログ

愚だくさんブログ過去記事蔵です。

熱き思い

2006年11月08日 | 仏教・仏像

東博「仏像~一木にこめられた祈り~」展は、6日の休肝日・・あっと、違った(大体「キュウカンビ」で変換して最初にこれが出るってどーよ!)休館日に展示替えして後期日程に入る。

京都の宝菩提院願徳寺の菩薩様がお帰りになって、新たに、あの・・あの・・あの・・滋賀渡岸寺の十一面観音様が御出でになっているのだ。
そんなわけで、カメ、昨日から何となく心落ち着かぬ心境。
そわそわ・・
ずっと門外不出であらせられた十一面観音様が直ぐ近くに御出でになってると思うだけで・・・。
そわそわ・・

お会いしたい!お会いしたい!お会いしたい!
・・・心の中でそう叫ぶだけで渡岸寺観音堂で初めてお会いした時の感動が胸の奥からジワジワと湧いて来、その時の感涙の熱さまでもが蘇る。

しかしだ!
それは十一面観音様がおはすべき場所でお会いしたからこその感動であって、東博の展示で同じ感動が得られるかどうか。
一応、東博側では「日本に現存する十一面観音の最高傑作とされる御像の魅力を最大限に引き出す様な展示にする」とは言っているけど。
それとだ!
十一面観音様にとっては初めての旅。今回の企画展の運輸を担当した会社が明記されてないけど、多分日通だと思う。日通さんは、御像を無傷でお運びしたのだろーな!えーっ!
・・・おっと、会いたさ募るあまり興奮し、つい難癖付けてしまった。

上述の如く渡岸寺の十一面観音様ばかりに思いを寄せてしまいがちだけど、お帰りになってしまわれた宝菩提院願徳寺の菩薩様(伝如意輪観音像)も素晴らしかった。(両御仏共に国宝)
カメは、この菩薩様にも一度お目に掛かりたいものだと長らく願って来た。
京都に行った際、2度ほど宝菩提院願徳寺の近くに滞在しながら、諸般の事情から拝観出来ずに悔しい思いをした事があり、その時「宝菩提院の御仏様とはご縁が薄いのかもしれない・・」などとちょっと悲観したけれど、まさか今回の様に、東博にて贅沢なくらいの時間を掛けて拝する事が出来ようとは・・。

昨日からの東博平成館では、十一面観音様の周りに人だかりが出来ている事だと思う。
かの井上靖が絶賛し、水上勉、白洲正子も褒め称えた類稀なる美しさ・・・を目の当たりにした感動から「仏像開眼」する人が続出すると良いなぁ。
カモ~ン☆


鹿沼彫刻屋台祭

2006年10月14日 | 仏教・仏像

東博講義第2日目に、張り切って行くぞ~!と、東武新鹿沼駅に着いたら・・・な、な~んと!今日・明日と行われる「鹿沼彫刻屋台祭」の中の目玉、鹿沼旧市内(勿論、後年に合併された旧板荷村は屋台を持ちませぬ)の各町内が有する彫刻屋台が一堂に会する「ぶっつけ」の真っ最中だった!
ワオ☆ラッキ~☆

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鹿沼市民になって○○年だけど、こんな間近でぶっつけを観たのは、これが初めて!
祭りの迫力と、日光東照宮を手掛けた左甚五郎の愛弟子が刻んだと言われる屋台彫刻の素晴らしさに、暫し茫然・・。
このまま祭り見物としゃれ込みたい気分にもなったけれど、やはり東博の講義が最優先。ちょっとだけ後ろ髪を引かれながら、ホームに滑り込んできた特急電車に乗り込み、昨日と同じく3時間強の講義を聴講。

そうそう、鹿沼と言えば、今回の東博の企画展に「鹿沼市栃窪の薬師堂にお祀りされる木喰作の薬師三尊像」が出品されている。
この薬師三尊像は木喰上人初期の作品で、木喰仏研究資料としての価値も高い優品。

さてと、明日はとうとう最終日!気張って参るぞ!


東博特別展「仏像~一木にこめられた祈り~」

2006年10月13日 | 仏教・仏像

さてさて、期待ワクワク待っていた東博特別展の3日間連続講座は本日より開始。

9時30分開館から夕方6時までのほぼ丸一日を東博で過ごせて、カメ至福の日。

企画展主題に関して言えば、一木彫像ってのは高い精神性が込められたものだけに、中々理解し切れぬものがあるのではないかと思う。
博物館で仏像を観るにしても、例えば「東大寺展」で見る仏像と今回の企画展で観るのとでは、仏像の位置づけも深さも違って来ようと思う。おこがましい物言いだけれど、来場する人達のどれくらいが企画側の意図を酌み取れるのかな・・って。
東博は随分と難解な企画展に挑戦したものだと思うわなぁ・・・。

それと、独立行政法人として収支を考慮せにゃならぬ哀しさからか、会場レイアウトがお粗末になっていたのには、ちょっと落胆。
これまでの様な「仏堂空間を再現する」「東博ならではの斬新性ある仏堂空間を作りあげる」みたいな意気込みを感じさせてくれるレイアウトは、この先もう望めないのだろうか?例えば、過去の「興福寺展」で見せてくれた仏道空間の再現では、実際の興福寺東金堂すらも超越した感があって、東金堂で拝するよりも御仏が御仏であらせられた気がしたものなのに。
奈良博に委託されている元興寺・薬師如来像が今回お出ましになっているのだけれど、奈良博で観る方が数倍宜しいのだよねぇ・・・御像の高さ調整、ライトの当たり具合など奈良博・常設展の演出の方が上手い。
幾ら何でも特別企画展だもの、もうちょっと何とかならないものかなぁ。

・・なんて、エラソ~に不満を書き連ねてしまったけれど、企画展も講演内容も良かった。
講演前にじっくりと観覧し、そして金曜日は「夜間開館」で夜の8時まで観覧出来るとあって講演後に再入場し、講演内容を噛みしめながら新たな思いで一木彫像と対峙した。

企画展内容&講演内容の詳しい処は、HP本編で「仏像巡礼4」としてご紹介出来る様に励んでみますので。ハハ・・

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東博正門前に掲げられた大看板と、夜の本館。

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本館は明治15年に開館され、その後惜しくも関東大震災で破損し、昭和13年に再び開館した東洋風を強く打ち出したコンクリート建築。内部には、建物自体が陳列品かと見紛う程の気品溢るる装飾が施されている。陳列室を結ぶエントランスも、この通りの優美さ。気分は鹿鳴館のダンスパーティ招待客♪

そして、そのエントランスに何気に置かれた黒電話。未だ現役なのかな?

この様に、居るだけで楽しい東博。カメの第二の故郷。(笑)
これを手放してしまおうと言うのだから、一体どうなって行くのだ、この国は。


平成の大仏師

2006年09月22日 | 仏教・仏像

たった今、NHK番組で松本明慶大仏師の特集を見ておりました。

番組中の解説で、全国に4000躯以上の御仏を奉納なさってるとありましたが・・・

Cimg277830small 観音寺サイトに載せておりますが、当寺御本尊である聖観世音菩薩も、松本仏師の手によるものなのですよ~。
こういう機会に売り込まなくちゃ!(笑)

この御本尊の開眼供養の時に、はるばる京都から御出で下さった松本仏師。
あれからもう15年以上経つと言うのに、先程TVで拝した仏師は、ちっともお変わりにならぬ御様子。

・・・あ、ちなみに、この観音さまとカメは殆ど時期を違わずして当寺に輿入れ(!)しましたのよ。
オ~ッホホホ!

こーゆうのを蛇足と言うって?


大施餓鬼会

2006年09月18日 | 仏教・仏像

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昨日の大施餓鬼会。

一昨日のブログに書いた様に、施餓鬼法要を通しで見たいと切望し、それが叶うと楽しみにしていたカメだが・・・実際、それが叶ったところで「何が何だかチンプンカンプン」なのだった。嗚呼!

「奠供(てんぐ)」なる名前の“供物を捧げる法要”の最初に唱えられる声明から始まり、次に「理趣経」・・・これが判らぬ。
真言宗が特に尊重する経典で多くの法要に用いられる・・・らしい。
そんでもって経典の中心に「煩悩即菩提」の思想が置かれる・・・らしい。

煩悩即菩提。
好きですねぇ、この言葉。
もう、だぁ~い好き♪
「南無阿弥陀仏」なんかより、ず~っと良い。
あ~、真言寺院で良かった~。エヘヘ

余談は兎も角、この「理趣経」にはあるエピソードがあって、最澄がこの経典の解釈本「理趣釈経」の借用を空海に申し入れた処、空海はにべもなく断ったと言う。

「密教は字面で追うのではなく、修行によって体得すべきものである」と。

これが契機となって、最澄と空海は断絶して行く。

話を施餓鬼法要に戻して・・・
「理趣経」の次は「至心回向(ししんえこう)」。これも判らぬが、三宝(仏、法、僧)を敬い、自身の過去の贖罪を願い、諸仏に衆生の救済を願う、みたいな経文・・・らしい。
で、この先から施餓鬼の為の供養になり、過去帳を清め、施餓鬼を説明する内容の要文を唱えて、法要の〆的経文である「普回向」で以って施餓鬼法要が終る。
(ちなみに、この法要パターンは真言宗智山派栃木南部教区鹿沼支所の場合)

あ~、難しい。
チョ~、むずい。

今まで、法要後に供する料理作りの采配と接待する時の作法ばかりがカメにとっての大施餓鬼会の全てだったけど、当の法要がこ~んなに難解なものだったとは・・・・。


芸術の秋到来

2006年09月09日 | 仏教・仏像

ひゃっほう♪
10月3日より東京国立博物館で催される「仏像~一木にこめられた祈り~」特別企画展に合わせた連続講座の抽選に当たった!
10月13日
第1講「白檀仏と日本の檀像」富山大学教授 松浦正昭
第2講「一木彫の世紀」情報課長 岩佐光晴
10月14日
第3講「木彫像の樹種」森林総合研究所 多摩森林学園長 藤井智之
第4講「円空仏と木喰」渋谷区立松涛美術館主任学芸員 矢島新
10月15日
第5講「鉈彫と一木彫像」事業部長 金子啓明
の3日連続計5回の講座で、中でも特に楽しみなのは第2講の東博情報課長の岩佐光晴氏による講座。氏の講座は過去に何度か聴講したけど、内容が深くそれでいて分かり易い。
それに、「優しい切れ者」ってな雰囲気の氏の容貌はカメ好み・・・つまりファンなのですな。(笑)でもさ、「平井堅が好き~♪」ってなら兎も角、「東博の岩佐課長が好き~♪」ってのはマニアック過ぎて変人扱いされそうだ。(爆)
ま、余談は兎も角として、この企画展には以前ブログに書いた滋賀県渡岸寺の十一面観音菩薩像も御出でになるのだ。
嗚呼!講座と併せて渡岸寺の十一面様に3日連続でお会い出来るなんて、感極まって泡吹きそう!

それともう一つ。
「芸術新潮」の今月号の特集が「飛鳥」で、これも見応え・読み応え共に充分で嬉しくなってしまった。
しかし、タイトルは飛鳥なれど、古代史や遺跡に興味が無い方でも楽しめると思う・・・奈良県明日香村の鄙びた田舎の風景や棚田、夏草に埋もれる様にして佇む道祖神などの日本の原風景とも言える素敵なグラビアが何ページにも渡っているのだ。眺めるだけでホッとする。
このブログを読んで下さっている(奇特な)皆様にも是非ご購入をお勧めします。ホント良いです。
・・・あ、そうそう。芸術新潮にはたまに「枕絵」の特集があるのだけど、アレは凄い!もうバンバンご開帳・・・って、イケマセン、イケマセン、寺の嫁がこんな事を言っては。
ま、凄いのだわ。(笑)
何せ「芸術」新潮だから、芸術の名の下にやりたい放題。読者はウハウハ。
枕絵特集があった時、カメは「定期購読していて良かった~」と心から思ってしまうね。そんでもって、枕絵特集の号のバックナンバーは瞬く間にsold out。皆、考える事は一緒みたいで・・。

ところで、最近、何人かの方から「カメさんのブログ読んでますよ~」とお声を掛けて頂いた。
今日、絵画教室にて下子カメが「あなたが下子カメちゃん?中2のお姉ちゃんが上子カメちゃんなの?」と、何処かのママに聞かれたそうな。
それと、このHPを閲覧なさって墓地見学に御出でになる方もあって、「伊達にやってるわけでもないかな・・」と、ちょっとだけ自信が付いた。
ブログにはバカな事ばかり書いているけど、寺を思う気持ちだけは人一倍と自負するカメ管理人の「前日光大師観音寺通信」を、これからもどうぞご贔屓に。


MyBuddha☆

2006年08月18日 | 仏教・仏像

本日、ブログ・ネタ涸れ。
なので、バンコクで買って来たブッダの写真をお見せしちゃお~かな~。

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写真が黒く潰れてしまってるけど、中々良い雰囲気でしょ。
沢山の土産物ブッダの中から「大乗テイスト」が濃い御像を選りすぐって購入して参りました。

・・・余談ですが、住職に頼んでこれら御像の「開眼供養」をして貰えば、土産物ブッダから「御魂を持ったブッダ」になるので御座います。
・・・って、しませんけど。


ひゃっほう♪

2006年06月30日 | 仏教・仏像

東京国立博物館年間予定を見て、カメ大興奮!

「仏像~木にこめられた祈り~」
10月3日~12月3日平成館特別展示室
奈良から平安時代初期の檀像、一木彫、鉈彫像、江戸時代の円空・木喰の代表作を通して、日本彫刻の底流に流れる一木彫の伝統をクローズアップします。寺外初公開となる滋賀・渡岸寺観音堂の十一面観音菩薩立像をはじめ、一木彫の名品が一堂に。

・・・とあったよ!

滋賀県湖北から渡岸寺の十一面観音菩薩像がお見えになるなんて!
この御像は、井上靖が「星と祭」で、「大王冠を戴いてすっくりと立った長身の風姿もいいし、顔の表情もまたいい。観音像であるから気品のあるのは当然であるが、どこかに颯爽たるものがあって、凛として辺りを払っている感じである。」等等と、惜しみ無き賛辞を書き連ねているくらいに崇高な美しさに満ち満ちた御像なのだ。

ああ・・今度、お会い出来るとしたら何年ぶりの邂逅だろう。
ああ・・楽しみ。


良かった!奈良学文化講座

2006年06月17日 | 仏教・仏像

行って来ました「奈良学文化講座第89回講演」。
昨日ブログした様に「蘇我馬子の原像と飛鳥の渡来人」なる演目。それを二部構成仕立てにし、第一部を学習院大学、日本大学、立教大学の非常勤講師を勤める傍ら著作物も多い遠山美都男氏(NHK学園仏教美術講師の吉田先生の大先輩・・多分)による「蘇我馬子の人物像を探る」で、第二部が立命館大学名誉教授山尾幸久氏による「推古時代の東アジアと移住民」だった。

先ず、遠山氏の講演は、推古大王(天皇)を擁立し、その陰で陰謀と策略を巡らせつつ政治を操ったとの印象が強い蘇我馬子に対して「実は良い人だった」なる新説を披露。
権謀術数に長けた政治家だからこそ馬子や藤原不比等に魅力を感じるカメにとって、「そんなのは認めたくないね」って感じでペケ。通しで聴いても押しの弱い説としか思えなかったし。
大体、歴史の新説なんてぇのは、よっぽど信憑性が無い限り受け付けない。芸能人のスキャンダルレベルの「え~っ!」ってな驚きを歴史に求めようとする動きが間々見られるけど、歴史に興味本位の意外性は必要無し。

しかし、次なる山尾氏の講演は良かった。
「飛鳥時代、蘇我馬子や聖徳太子は仏法によって国を治めようとした」なる事は学校で習うし、仏教美術講座でも教えられた事だけど、カメはその「仏法によって国を治める」の言葉だけを記憶に留めるだけで、その深い意味を考えて来なかった。しかし、この講演で、当時の中国仏教の特色が「集団としての共同性・平等性を重んじる」精神と実践を重視した、まさに人民を束ねるのに打って付けの思想であって、新羅・百済・倭国がほぼ同時期(6c~6c後半に掛けて)に中国伝来の仏教によって国家形成を成し得ていた事が分かった。東アジアにおける国家形成と仏法興隆とは不可分の関係にあったのだ。
そして、一番に「わお!」と驚いたのが、日本で初めての出家者が、渡来人の司馬達等の末裔で、有名な止利仏師の兄弟である「島」と言う名の11歳の少女であった事。出家して「善信尼」となった島は百済に渡って戒法を持って帰り10人の尼僧に対して日本で初めての授戒式を行い、島(善信尼)の仏教活動を支えたのは蘇我馬子であった事。日本仏教の黎明を告げたのは尼僧であり、何やらそこに日本古来のシャーマニズムとの深い関係がありそうだ・・の件まで聴いた時点で「なるほど!」と膝を打ちたい気持ちに駆られた。
その他、日本の文字を発明したのは渡来人で、日本語は主に中国の漢訳仏典から作られた経緯の説明なども興味深く、あっと言う間の90分だった。

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・・・で、これは本日の会場となった九段下会館外観。日本武道館には数え切れないくらい足を運んだ(剣道じゃありませぬ。外タレのコンサートざんす!)けれど、その近くにこんなに素敵な建造物があったとは、今の今まで気がつかなかった・・。
ちょっとだけ古い建物の中で、かなり古くの時代の断片に触れられて、幸せだった~。