民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

中国民俗学

2006-10-19 10:10:14 | 民俗学
 昨日見知らぬ方から封書が届いた。開けてみると、中国で民俗学の研究方法に関する叢書を編むが、過去に書いた私の小論を転載させてほしいというものであった。細々と、かろうじて研究を続ける在野の民俗学者ともいえない学徒のつたない研究を、これから民俗学の沃野に分け入ろうとする異国の方が参考としてくれるなら、こんな名誉なことはありません。雲南の少数民族の神話で、本当に拙い卒論を認めてもらった者としては、感慨深いものがありました。早速、承諾の返事をした次第です。
 ところで、中国での民俗学と対象とする「民俗」の状況はいかなるものでしょうか。文化大革命の影響は都市ばかりで、地方にまでは及ばなかったものでしょうか。おそらく、タブーかもしれませんが、政治と習俗の関係は大きなテーマになろうと思います。また、民俗学の研究者は研究対象に思い入れがありますから、どうしても習俗に対する愛着を語ることにもなるのですが、そうしたスタンスにたいして、中国共産党はどのような対応をするのでしょうか。人民共和国における民俗学は成立しえないものと思われるのですが、今回叢書を編むほどに研究者がでてきたということを、どのように捉えたらよいのか。どなたか事情がわかったら、教えていただければと思います。

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