民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

正義とは何か

2013-09-01 10:08:50 | 政治

どうやらまた、アメリカは限定的といいつつシリアへの攻撃に踏み切りそうな様相です。日本はきっと、事実関係もろくに吟味せずにアメリカ支持をうちだすでしょう。そんな政権が、現憲法はアメリカから押し付けられたもので、自国民が望んだものでないと主張するのは、理屈に合っていませんね。今この時に、アメリカが望む答えでなく、この国の人々が望む答えを慎重に探すことこそが、政権政党のなすべき道ではありませんか。

国家がおぼろげにしか形をなしていない開拓地の最前線で、ネイティヴの人々の抵抗や無法な白人の暴力から家族を守るには、自分の銃しかなく、なんとか持ちこたえて正義の味方騎兵隊の到着を待つ、そんなアメリカの歴史は、先進国の中でもかなり特異なものだと思います。秩序は銃によって作り支えられるという、民主主義とは相反する世界観をアメリカが持ち続けているのは、不幸で野蛮なことです。そして、世界の騎兵隊を演じているのでしょう。現実世界では、映画のようには善悪の判断をつけることが単純ではなく、グレーゾーンで均衡を保つようなことが多いとは、歴史の浅い国の指導者にはわからないのでしょう。しかってもいうことをきかない、アメリカの面子を傷つけたという理由で(もしかしたら、それも表向きの理由で、裏には今回の場合イスラエルとそれを支持する議員、軍需産業の圧力などがあるのかもしれませんが)、何度も同じ過ちを繰り返し、第2次世界大戦終了後も恒常的にどこかで戦争をし続けてきたアメリカ。そして、最前線の兵士には移民や貧しい黒人を、市民権や奨学金をえさに供給し続けてきたアメリカがあります。そして、それを知りつつ何の躊躇もなく、判断を反省することもなく、いち早く戦争支持をぶちあげるであろうこの国の政治には、節操というものがありません。

アメリカが国民国家を形成したのは、独立戦争と南北戦争を経験した後でしょうが、南北戦争が当時のアメリカ人にどのようなトラウマを残したのか、今に尾を引いているのかいないのか、興味がわきます。南北戦争のころ日本は戊辰戦争です。会津戦争が残したものがなんだったのか。藩から国へと人々は帰属意識をどう変えたのかなども、気になるところです。戦に敗れた多くの会津藩士が教育者の道を選んだらしいことも、うすうすわかってきました。


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