民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

再び諏訪へ

2017-04-24 16:45:58 | 民俗学

下諏訪へ行ってきました。数年前、教員のOB会で訪ねて以来です。一泊して温泉も楽しみました。こじんまりした家族的な宿で、居心地よく過ごせました。前回泊まった秋宮脇の山王閣は営業を停止したそうで、下諏訪には大きなホテルは一軒もないといいます。年寄りには静かでゆったりした街でいいのですが、若者には物足りない気もします。

今回は中山道からはずれて、桜並木を山のほうへ歩いてみました。ちょうど桜の時期で桜の花を見ながら諏訪湖も見れると宿の方に聞いたからです。目指して上ったのは慈雲寺という禅宗の寺です。武田氏が庇護したということで、棟には武田菱と梶の葉の紋とが飾られていました。

禅寺らしい風格をもった立派な寺でしたが、興味をひかれたのは旧中山道からの参道にあるものです。中山道から急な階段で参道が続くのですが、上り口にあるのがこれらの霊神碑です。階段の左右にかなり建っています。

そして階段の途中で右手の斜面を平らに切り開いてあったのが、修験道の教会です。教会に面して左手には滝がしつらえてあって、行場であることがわかります。清滝との石碑がありました。

滝の上の段には、不動明王を祀った小祠がありました。

要するに禅寺の参道に修験道の教会があって修行もしていたことがわかります。高島藩は廃仏毀釈をさほどにはしなかったといいます。だから、寺と神が同居するような姿が今も続いているのでしょうか。不動明王を祀った祠の近くには「矢除け石」という伝説の石があります。慈雲寺の住職が信玄に我を弓で射てみよといって岩の上に立つので射たが、当たらなかったという霊力のある石だといいます。石の上に立って何者かに変身するというのは、大祝が即位するときに岩の上に立って新しい衣をまとうという儀式を連想させます。


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