民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

国民主権とは何か

2017-06-17 11:01:18 | 政治

通常国会が閉じます。この間の国会の審議とは、何だったのでしょうか。選挙で国民から選ばれた国会議員が、行政からあるいは議員自身から提出された議案について、審議を通じてよりよいものに練り上げる場であるはずです。ところが、やってきたことは政府が提案した議案(法律)を、いかにも審議した形式をとって可決するかに終始していました。挙句の果ては、政府に都合の悪い内容は追及されないように国会をあせって閉じてしまう。国民は馬鹿にされたものですし、そうした議員を選んだのは我々です。私たちに残されているのは、選挙で鉄槌を下すことだけです。ですが、こうした憤懣やるかたない思いを、人々はいつまで持ち続けられるでしょうか。有権者は選挙までにはどうせ忘れる。少し甘いものをしゃぶらせれば、また自分たちの思いのままだと政権与党の皆さんは高をくくっているのでしょう。先の戦争もこうやって知らないうちに進行していったのでしょう。民主的な政策と右翼的な政策が同時に進行するのは不思議だと、歴史を学びながら思ったのですが、現実はアメとムチでいつも進んでいくのですね。国民主権でありながら、主権を放棄しているのかと疑ってしまいます。かくいう私も、何もできないのですが。ヒトラーがオリンピックを目くらましに使ったように、東京オリンピックも同じように使われることが明らかになってきましたね。美しいオリンピック精神に酔っていたら、自分たちの立ち位置はとんでもない場所に移動していた、なんてことになりそうですね。

物事をはっきりいう落合恵子さんが、長くやっているNHKラジオの番組に、絵本の時間というやつがあります。日曜日の7:30ころから皆が聞きやすい時間でした。何でも言う落合さんですが、この時間には政治的話はしません。ところがこの番組が土曜日に移動したと思ったら、今度は朝の5時台という、一部の人しか聞けない時間帯になりました。この番組はファンも多いでしょうから、やめたら抗議がおこるから、やめはしなくて聞きにくい時間帯に移すという手を使いました。こんな姑息な手段を、NHKのアナウンサーたちはどう思っているのでしょう。「今日が皆様にとっていい日でありますように」などといった、歯の浮くような定型句をしゃべりつつ、宮仕えのむなしさを思っているのでしょうか。