民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

首相のとりまき

2017-06-03 17:23:50 | 政治

今は学歴ということを、さほど問題にしなくなりました。というか、表立って学歴を話題にすると何となく差別者であるような雰囲気で、極力学歴の話題は避けるような傾向にあるといえるでしょうか。そうはいいながら、受験競争は激しく、少しでも偏差値の高い大学へ入ろう、入れようと受験産業は衰えを知りません。また、同期に偏差値の高い大学を卒業した者の横の結びつきがあり、大企業やマスコミに勤める会社員、官僚が顔見知りだったり飲み仲間だったりしています。自分は三流大学出身ですから全くそんなことはないのですが、子どもたちの交友関係をみると、ある程度以上の者たちは実は結びついているんだと思わされてしまうのです。

昔は政治家の多くが東大の出身でした。だからおそらく、所属の政党を超えて政治家同士は顔見知りであり、情報を共有している部分も裏ではあったのではないかと思います。ところが、安倍さんは政治家の家系ではありますが、東大卒でも早慶卒でもありません。三流大学卒の私が思うに、安倍さんにはここに大きなコンプレックスがあるのではないかと思います。学歴差別みたいになるのでマスコミは書きませんが、首相の学問への軽視や司法よりも行政を重んずる、私が総理大臣なのだから私のいうことが正しいという姿勢が、学歴コンプレックスが根っこにあるのではないかと思うのです。そして、東大卒を側近に置かない。官房長官も副首相も東大ではありません。麻生さんは政治家の家系ではあっても教養は感じられず、菅官房長官は着実な実務家としてのしてきた人です。3人とも政治経験で人脈を作り今の地位を築いてきたから、同窓としての人脈はないはずです。

官房長官は着実な実務で政権を支えてきたように見えました。ところが、今回の前川文科事務次官に関する会見では、その本性を見せました。前川氏が出会い系クラブに通っていたといった時の「下卑た」表情は、この人の品性のなさを日本中に知らしめるものでした。おまけに、その情報は本人の人格を貶めるための裏付けをとらないいいかげんなもので、いつもは政治家を不倫でたたく『文春』が取材して前川氏を擁護するという、官邸にとって恥ずべき内容でした。それだけをとれば、訴訟問題です。それにひきかえ、前川前事務次官の筋の通ったものいい、教養ある受け答えはどうでしょうか。政治家がいかにつまらん人間で、官僚がいかにまっとうかをテレビで示してしまったのです。