football smile

the days turn into months and years

J1F東京vsC大阪(国立)

2006-08-31 | J1
Jリーグ・ディビジョン1 第21節
2006年8月30日(水)19:00キックオフ
国立競技場
FC東京 2-3 セレッソ大阪

今まで数え切れないくらい多くの試合を観戦してきたけれど、たったひとりの選手を見るためにスタジアムへ足を運んだのは初めてだ。10位のFC東京と18位のセレッソ大阪の試合なんて、正直言ってどうでもいいやって感じ。どちらも調子が上がらないチーム同士では、ゲーム内容にも期待できそうにない。いくら交通の便利な国立競技場だからといって、わざわざ2千円払って観戦する気にはならなかった。ネットニュースでこの一文を見つけるまでは。

「セレッソ大阪名波がFC東京戦で移籍後初先発!」

あくまで左足にこだわるそのプレースタイルは、職人肌というか芸術肌というか、サッカー選手には不似合いな繊細さを感じる。スピードに趣を置く現代サッカーにあっては、確かに時代遅れなのかも知れないが、久しぶりに見るとやはりかっこいい。さすがに運動量は減っているし、体の切れも全盛期とは比べるすべもない。しかし、ゲームを創るという彼本来の能力は、一向に衰えているようには見えない。あの独特のリズムとタイミングのパスは、遠く国立競技場のバックスタンドからでもすぐにわかる。

前半からセレッソがボールを支配している。東京はスピードを活かしたカウンター狙いだからこうなるのもわかる。こう言っては失礼だが、強くないチームというのは形が明確ではないと思う。攻めはこう、守りはこう、といった形が示せないので、何だかズルズルと試合が流れてしまう。どちらのチームも別に応援していないので、客観的に眺めていたのだが、どうもセレッソの方が気持ちが入っているように見える。名波が言う「勝者のメンタル」というのが、少し見え隠れしているようだ。

後半25分に名波がベンチへ退く。この時スコアは、2-1でセレッソが1点リード。当初は名波が引っ込んだら帰ろうと思っていたが、気が変わった。名波がここまで創り上げたゲームを壊すんじゃねえぞ!がんばるんだ!というわけで、最後までセレッソを応援することにする。名波がいなくなった途端に、今度は東京の怒涛の攻撃が始まる。防戦一方のセレッソ。しかしそれでも西沢が追加点を決める。ロスタイムに1点返されたものの、何とか逃げ切った。おおっ、やればできるじゃないか。

名波は確実にチームを変え初めているようだ。改めて名波のすごさを再認識することができた試合だった。やはり彼のプレーは大好きだ。少しでも長くプレーを続けてほしいと願うばかりだ。最後に、西沢明訓のコメント。

「すごいよねぇ~、あの人は(名波)。やっていて楽しいです。パスが出てくると思うから走れるし、運動量も上がる。」

コメント
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