教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

Churchill Museumの意味

2005-07-27 12:22:16 | 学習ツアー
Churchill Museum and Cabinet War Rooms
は、ピカデリーサーカスから歩いて20分ぐらいのところにある。
あるいはバッキンガム宮殿からもゆっくり歩いてそんなものか。

第2次世界大戦中に防空壕を兼ねて地下室に作られた。
その臨時内閣執務室が当時のまま保存されている。

今年の春、そこにChurchill Museumが併設された。チャーチルの
生涯を戦争という時代の背景に沿って知ることができるが、
そのディスプレイの斬新さには驚きを隠せない。
どうしても戦争関連の博物館と言うと暗さが一面にでるが、
過去の内閣執務室に比較して、今ならこんな感じになるの
だろうかと新しさを感じると同時に恐ろしくなる。
テロに立ち向かうイギリスの
イメージが強い。

それからこれはどうしようもないが、戦勝国であるという
ことだ。学生用にFree Learning Sessionsが用意されている。

PPTを使ってプレゼテーションしたり、ドラマを創作
して戦争と平和を語ったり、ビデオ上映を見たりと
まさに学習ツアーそのものだが、

プログラムの最後に問われるフレーズは
“How have the events of 1945 shaped your life?”

英国の生徒が参加すると、その多くは、
いかに自分たちの
祖父祖母、父母、兄弟たちが
平和のために勇敢に戦ったのかを改めて知り、
自分も社会のために尽くす人生を送るのだという
ミッションを語ることになる。

シンガポールの英国軍の司令部も地下の防空壕。
そのまま残っていてバトル・ボックスと呼ばれている。
日本に陥落した様子と再び奪還する様子がよくわかる
ように演出されている。

この手のイギリスの平和へ向けてのアピールには
連合国側の子どもたちには勇気と自信を持つことに
つながるだろう。

では日本は?日本はこのようにストレートに戦争問題
をとらえられない。だからこそ過去を反省し、未来に
希望をつなぐアイデンティティをかつての連合国側の生徒、
もちろん、それ以外の国々の生徒たちと連帯できる
学習プログラムが必要である。

だから、日本人にとってチャーチルプログラムに参加することは
極めて重要だが、希望をもつにはアンネプログラムを
自ら開発する必要があるだろう。

アウシュビッツを反省し未来へつなぐヨーロッパの
プログラムをまずは学ぶ必要がある。

容疑者が使ったと思われる車見つかる

2005-07-26 23:42:51 | 学習ツアー
今Sky Newsによると
容疑者が使ったと思われる車が発見されている。
場所はnorth London。
ヘリコプターからのカメラが映し出している。

白のVWのGolfというテロップが流れている。

しかし、爆発物は見つからず、
逮捕とかいう動きには到っていないようだ。
いずれにしても英警察当局は、追及に追及を
重ねていることは確かだ。

いろいろな問題は残っているが、
とにかくテロを解決せねばならないことは
確かだ。

イギリスは日本人だけではなく多くの国の
子どもも大人も来ている。学習が目的の場合もあるし、
仕事が目的、生活が目的の場合など多様である。

多様であることは良いことなのである。
しかしそれには安全安心が大前提だ。

ロンドンに着く

2005-07-26 03:16:52 | 学習ツアー
ロンドンに着く。
ヒースロ空港は、意外と簡単に入国。
日本人だったからか。

市内は、今夜はホテルで寝てしまうので、
様子はわからないが、ハイドパーク付近は
平穏。

警察官はポイントごとに警備しているが、
日本の国会議事堂付近の警察官のような
緊張感はない。

テロの影響で少しは観光客は減ったのかもしれない。
実際語学研修を中止した私学もあるのだから
そうだろう。

機内でも、パーサーたちが、テロの影響で
すいているのですよ。あなたの隣にお客様が
いらっしゃらなくて、よかったですね。
ゆったりとした楽しい時間をお過ごしください。
となんとも微妙なもてなしだった。

ホテルに着いて、テレビをつけているが、BBCは
英警察当局の一般市民を誤射してしまったことと
2人の実行犯のことと
エジプトの同時爆弾テロのこと
について繰り返し報道している。

犯人探しと事件の早期解決にむけてという視点で
切り取られていて、
そもそもテロがなぜ起きたのか
についてはまだタイミングが合わないのか。

今海外学習ツアーを体験している生徒たちは
このテロと同じ時間同じ空間の中にいる。

未来の世界の平和を構築するヒントを
得て、無事帰国してもらいたい。

クオリティ教師のタイプ

2005-07-25 11:05:07 | 教師
教師音楽会で感じたことは、
質の高い教師(クオリティ教師と呼ぶことにしたい)
には2種類いるなということである。

司会を演じていた2人の先生と
ポップスを演じていた2人の先生は
実にコラボレイトが得意であった。

自分の世界に巻き込むタイプ。

クラッシクを演奏する先生方に共通しているのは
深さ、孤独、自己への沈潜などなどの言葉が浮かんだ。

自分の世界に入りながら、自分の世界を拓いていくタイプ。

巻き込むタイプは、巻き込まれながら生徒は影響を受ける。
多くの生徒が影響を受けるだろう。

自己沈潜タイプは、多くの生徒に影響を与えないかもしれないが、
少数の生徒には影響を与えるのではないだろうか。
そしてその影響は人生を変えるほどの力を持っている場合が多いのでは
ないだろうか。

いくつかの学校は、複数の先生が参加していたが、
この2つのタイプの先生方が存在していた。

クオリティースクールとかエクセレントスクールとか
呼んでいる私学には、このような多くのタイプの
クオリティ教師が教育活動をしているのだろう。

教師音楽会

2005-07-25 06:10:55 | 教師
第2回教師音楽会が
昨日(7月24日)東京女学館で行われた。

桜丘、東横学園、洗足学園、横浜山手女子、
早稲田、栄光、関東学院、帝京大学中学校
といった学校の先生方が、

プロ顔負けの演奏を披露。

また、大妻とトキワ松から司会役の先生が登場。

関東学院のオーケストラ部の有志の生徒たちがステージ
の構成を手伝った。

富士見丘(横浜)のボランティア委員会の生徒たちは
チャリティー募金の協力をした。

演奏する先生方は、それぞれの世界を持っていて、
なるほどこういう先生方がいる学校というのは
芸術的感覚の影響を生徒たちに強烈に与えるだろう。

数学の先生がピアノを弾いたり、
物理の先生が弦楽器を奏でたりと
授業の奥行きが見えた。

また司会役の先生方のコメント力もまた
何かを納得させられた。

ステージを構成する生徒たちを指導する先生、
生徒のボランティア活動を支援する先生には
クリエイティブな活力を感じた。

会場の東京女学館のホールもまた
教育空間の大切さを思い知った。

教師音楽会は、創造的な才能を持った教師が
どういう学校にいるのかを知るよい機会
なのではないだろうか。

学習者中心のフィンランド教育

2005-07-24 10:05:16 | フィンランド
中国新聞地域ニュース(0507022)によると、

≪五月に発足した山口日本フィンランド協会(縄田恵会長)の
設立を記念して、フィンランドの写真家ヤリ・イェッツォネンさん(47)の
写真展「響きあう心」が、山口市天花の市菜香亭で開かれている。≫
そうだ。

その中で
≪イェッツォネンさんは「木の文化や炎に神が宿る
という考え方など、両国はよく似ている。
写真を見て感じてほしい」と、来場を呼び掛けていた≫
そうである。

中嶋博先生によると

教育においても日本とフィンランドは互いに影響しあっていたようだ。

しかし、昨年報告されたOECD/PISAの結果は、
両国の違いが表れた。

その決定的相違点は、フィンランドは
学習者中心の教育環境を整えているということだ。

フィンランドは選択肢を十分に用意する。
日本は選択肢自体を自己責任で創りなさいと。

さてどちらがよいのか、これも
選択肢。

国際教育情報室室長の岡部憲治氏
の考え方=オカベの目
今後の日本の教育を考えていくのに役立つだろう。

TOYOTA International Teacher Program

2005-07-24 00:54:45 | 戦略
TOYOTA International Teacher Program(TITP)

60人のアメリカの教員に対して日本における研修体験を支援するTOYOTAのプログラム。

もう7年続いているようだし、年間1千万円弱の補助金支援もあるようだ。

歴史、教育、環境、テクノロジーという4つのテーマについて
探究して、日米の教育交流に貢献することが目的。

日本の見識者とのディスカッション、愛知万博訪問がコアプログラム。

実質トヨタ学校といってもよいだろう海陽学園との交流については、今のところ
言及はないが、来年開校された場合、このようなアメリカの教員が
本格的な教育交流を海陽学園と実施していくのは当然の成り行きだろう。
宿泊室もあるわけだし。

良し悪しは別として、TOYOTAの戦略は教育においても次々と出されていくだろう。
何せリソースは豊富なのだから。日本の私立中高一貫校は、もっと連帯しなければ
ならなくなるだろう。グローバルスタンダードにはグローバルベーシスで。

(参照→ホンマノオト①)

(参照→ホンマノオト②)

(参照→ホンマノオト③)

(参照→ホンマノオト④)

白梅清修の新校舎

2005-07-23 23:37:43 | 学びの時空
白梅清修
の新校舎のコンセプトの説明会があった。

設計者である工藤和美氏(東洋大学工学部 建築学科教授 (株)シーラカンスK&H代表取締役)
による丁寧な解説だった。(参照→関連記事ホンマノオト)

幾つか気に入ったポイントがあった。

教育空間というのは
①学習意欲や好奇心を引き出す仕掛けが工夫されている。
②教育家具は、居心地の良いものである必要がある。
③教育空間は生活そのものでもある。
④グローバルなコミュニケーションが自然と行われるような仕掛けを埋め込んでいる。
⑤隠れる空間よりオープンな関係を形成する開放的な空間をベースにしている。
⑥安全は校舎だけの問題ではなく、地域とのつながりとの中で生まれるように仕掛ける。
⑦教師が授業の創意工夫をすることを楽しめる空間である。

具体的には、たとえば家具はデンマークの教育空間にあるような
モダンでカラフルなものを採用するようだ。ラウンジチェアは
親密な対話を生み出すという。

パフォーマンス・ステージになるような
多目的スペースを設計するようである。

特に吹き抜けのアトリウムは、
居心地のよい開放的なコミュニケーションを
生み出す質感の工夫が埋め込まれているようだ。

保護者から最上階は光を入れるために屋根にガラスを
はめ込んでいるが、熱くならないかという質問がでた。

工藤氏は、自然採光の重要性と吹き抜けにすることで
一階からの冷たい空気と最上階の暖かい空気との差異
を利用して上昇気流が生まれるようにすることを説明。
校舎の中に風の流れが生まれることは、居心地の良い
感覚を生み出すということだそうだ。

女子校だから女子生徒の成長に合わせた校舎コンセプト。
夢をふくらますところから学習に挑める環境を創りたい
という秋田校長先生や中学開設準備室長の柴田先生の思いが
つまった新校舎になりそうである。

未来を創る鴎友

2005-07-22 17:15:37 | 教師
鴎友学園女子
の教頭吉野先生。

同僚の先生方とともに、
未来を創る人材を輩出する
鴎友学園女子を創り上げた先生。

現場のなかに理念をロゴス化、ビジュアル化して
哲学を教職員、在校生、保護者、受験生などの
ステイクホルダーと共有していくテクノロジー
の持ち主である。

データに裏付けられたロゴス化、ビジュアル化の過程は
多くの学校の先生方のモデルになっている。

したがって、セミナーや研修会の講師も多数こなしている。

最近私も講演を聞いて、啓発されたことを
ホンマノオトで書いている。参考になれば幸い。

「鴎友学園女子の躍進の理由」