経済成長という病 (講談社現代新書)平川 克美講談社このアイテムの詳細を見る |
☆戦後の経済成長の歴史と21世紀の成長停滞の背景にあるパラダイムを整理・確認するのに便利。
☆ただ、「経済成長の病」と「経済成長という病」とでは違う。全体的に経済成長そのものを神話と化し、その是非を問うトーンは、人によっては修正しながら読む必要があるかもしれない。
☆等価交換に経済成長神話の原因を見ているようなところもあるが、等価交換経済が貫徹していないところに経済成長の病があるわけであり、むしろ情報隠ぺいによる不等価交換の存在や等価交換経済を政策的に保護しようとして制度設計ミスによる事故が起きている場合も多い。
☆等価交換経済の貫徹は、経済的非対称性を無化し、垂直権力をフラット化する。情報の透明性の貫徹でもある。この貫徹によって量的成長は止まり、質的成長に転換せざるを得ない。ここで初めて成熟期がやってくると考えることもできる。内生的成長ということ。
☆そういう意味では、今日はまだまだ経済成長の過渡期であると見ることもできる。