教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

アートバブルの行方

2008-10-25 08:44:33 | 文化・芸術
☆日経新聞(2008年10月25日)朝刊、文化欄で、「金融危機、文化にも波及 しぼむアジアの美術市場」が掲載された。スポンサー依存度の高い文化活動やアートフェア、投機目的で作品を買う富裕層に支えられているオークション市場といったこれまでアートバブルを膨らましてきた美術市場が冷え込んでいるという。

☆金融立国アイスランドは24日、IMF=国際通貨基金に対し、総額20億ドル=およそ1900億円の支援を要請したほど金融危機は深刻。このあおりを受けて、日本で公演するはずだったアイスランド交響楽団は、来日を中止。ここでも芸術に打撃が。

☆しかし、浅利慶太率いる劇団四季は順風満帆。質の高いパフォーマンス、リーズナブルな料金設定、その上がりで劇団を運営するというビジネスモデルと俳優700名を自前で育成する人材育成システムの確立が成功の理由だろう。

☆スポンサー依存率が相当低いのだろう。ここでも≪官学の系譜≫発想と≪私学の系譜≫発想の差がでている。金融立国というのは自分で質をマネジメントできない。≪官学の系譜≫も自分で質のマネジメントができない。常に質は国の財政予算によってコントロールされる。

☆経営システム―運営システム―消費者の関係が常に非対称性であるのが≪官学の系譜≫である。劇団四季は、この関係は循環的な関係である。この金融危機で世の中騒然としている中、一部チケットの料金を値下げするほど。

☆こういうご時世だからこそ、多くの市民を夢と希望に誘いたいということだろう。もっとも劇団四季は希少価値という経済原則を巧みに使っているからで、誰でもできるかというとそうではあるまい。もしも浅利氏が退いたとしたら、浅利なき株式会社四季は、この希少価値戦略を持続可能にできるのだろうか。

☆システムと価値は常にパラドクス・・・・・・。

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