教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

足立区立小学校の学力テストの不正

2007-07-19 07:18:35 | 文化・芸術
7月18日11時1分配信の毎日新聞によると

<06年度の足立区学力テストで、区立小1校で校長と5人の教員が、誤答した児童の答案を指さし再考を促していた不正。不明確な区教委の説明や「過度な競争」に対し教員や区民らから批判が相次いでいる。>

★そして藤田英典・国際基督教大教授(教育社会学専攻)の

<起こるべくして起こった問題。45年前に実施されていた全国学力テストでも、誤答を指さして教えるなどの問題行為があった。基礎学力をつけることは大事だが、テスト学力を過度に重視し、学校間で序列をつけて競い合う傾向が強まる中で起こったことで政策の歪(ゆが)みの表れといえる>

★という論を紹介し、それを記事の基調としている。「起こるべくして起こった」という公理をベースにすると、全国各地で起こっているということになる。

★果たして「過度な競争」が原因なのだろうか。これは市場の原理ということをわかっていない恐るべき見解。「公正な競争」が行われていないということに過ぎないと理解するのが正しいはず。

★公立の学校は、まだ競争の公正性より閉ざされた組織が市場よりもポリティカルに優位なために成熟していない。だから区民らから批判が相次いでいる。この批判が市場の自浄作用。足立区の市民はがんばっているということ。

★この自浄作用がもっと機能するためには、さらなる情報公開・透明性が大事だし、マスメディアの役割も大きい。今回の事態は、「未熟な競争」から「公正な競争」にシフトし、成熟した公立学校市場が生まれようとしている兆しだと理解した方がよい。「過度な競争」という間違った市場概念で、展開しようとしている学校の市場原理をストップさせてはいけない。

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