実に勇敢な報道で、驚いた。
強い反発は覚悟の上なのだろう。
日本経済新聞が報じたのは、
年金給付額が政府の2004年の想定を大きく超えていること、
世代間格差が拡大していることである。
…この15兆円を所得移転すれば震災復興予算も楽に組めるだろうに。
大阪大の大竹教授は以前から、今のデフレ傾向が続けば
年金の実質価値が上昇し現役世代の負担が増えると指摘され、
「年金額のデフレスライド」「失業率スライド」が必要と
主張されていたが、まさにその通りの事態である。
近年、極めて安直に「成長不要論」が唱えられているのも、
高齢化が進み経済成長ではなく分配を好む勢力が
力を増していることの証左であろう。
このまま分配重視の世論が強まり
低成長(=税収増えず)が続くなら経済破綻は必至である。
日本の社会保障の崩壊が刻一刻と近づいている。
▽ 高齢化社会では、現役世代の負担を重くする政治的圧力が強まる
▽ 富裕高齢層にもバラ撒かれている社会保障の公費負担は20兆円規模
年金、デフレの罠 「もらい過ぎ」6年で15兆円 99年の特例発端(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E0EAE2E0978DE0EAE3E2E0E2E3E39797EAE2E2E2
”2005~10 年度の6年間に支給した年金給付費の累計が、04年の年金改革時の想定
を15兆円程度、上回ったもようだ。現役の働き手の所得水準に対する高齢者の年金
収入の比率は、政府の想定に反して上がり続けている。04年改革で、旧自公政権は
年金額の実質価値を毎年度、小刻みに下げる制度を取り入れた。だが賃金や物価の
下落時はその制度が完全に働かないよう仕組んだことなどが、高齢者にとって意図
せざる「もらい過ぎ」〔以下略〕”
→ 実際には驚くべきことではなく、充分予想できたこと。
何故なら名称が「インフレスライド」だからである。
当初から指摘されていたように、100年安心は真っ赤な嘘だ。
年金「過剰支給」5兆円、世代格差対策急務に(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C889DE1E7E4E3E0E7E2E2E3E7E3E2E0E2E3E39797E0E2E2E2
”12日、厚生労働省に問い合わせの電話が殺到した。前日に同省が、厚生年金の支給
開始年齢の引き上げ案を社会保障審議会に示したことが引き金だ。「引き上げは許
せない」。「スケジュールを変えられたら、老後設計が狂う」。電話の大半は意見
や抗議。厚労省の担当者は「議論は始まったばかりで、何も決まっていません」と
答えるのが精いっぱいだった。 厚生年金の支給開始年齢は現在、60歳。
〔以下略〕”
これこそが現役世代を締め上げ負担を高める政治的圧力の正体だ。
厚生年金など貰えない同世代が数多く存在すること、
今の若年層にはそもそも老後設計すら危ういことも考えず、
自分の財布しか眼中にない国民が多数派であれば、
確実に破壊的なインフレ税が日本社会を襲うだろう。
強い反発は覚悟の上なのだろう。
日本経済新聞が報じたのは、
年金給付額が政府の2004年の想定を大きく超えていること、
世代間格差が拡大していることである。
…この15兆円を所得移転すれば震災復興予算も楽に組めるだろうに。
大阪大の大竹教授は以前から、今のデフレ傾向が続けば
年金の実質価値が上昇し現役世代の負担が増えると指摘され、
「年金額のデフレスライド」「失業率スライド」が必要と
主張されていたが、まさにその通りの事態である。
近年、極めて安直に「成長不要論」が唱えられているのも、
高齢化が進み経済成長ではなく分配を好む勢力が
力を増していることの証左であろう。
このまま分配重視の世論が強まり
低成長(=税収増えず)が続くなら経済破綻は必至である。
日本の社会保障の崩壊が刻一刻と近づいている。
▽ 高齢化社会では、現役世代の負担を重くする政治的圧力が強まる
『人口負荷社会』(小峰隆夫,日本経済新聞出版社) | |
▽ 富裕高齢層にもバラ撒かれている社会保障の公費負担は20兆円規模
『日本経済「余命3年」』(竹中平蔵/池田信夫/土居丈朗/鈴木亘,PHP研究所) |
年金、デフレの罠 「もらい過ぎ」6年で15兆円 99年の特例発端(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E0EAE2E0978DE0EAE3E2E0E2E3E39797EAE2E2E2
”2005~10 年度の6年間に支給した年金給付費の累計が、04年の年金改革時の想定
を15兆円程度、上回ったもようだ。現役の働き手の所得水準に対する高齢者の年金
収入の比率は、政府の想定に反して上がり続けている。04年改革で、旧自公政権は
年金額の実質価値を毎年度、小刻みに下げる制度を取り入れた。だが賃金や物価の
下落時はその制度が完全に働かないよう仕組んだことなどが、高齢者にとって意図
せざる「もらい過ぎ」〔以下略〕”
→ 実際には驚くべきことではなく、充分予想できたこと。
何故なら名称が「インフレスライド」だからである。
当初から指摘されていたように、100年安心は真っ赤な嘘だ。
年金「過剰支給」5兆円、世代格差対策急務に(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C889DE1E7E4E3E0E7E2E2E3E7E3E2E0E2E3E39797E0E2E2E2
”12日、厚生労働省に問い合わせの電話が殺到した。前日に同省が、厚生年金の支給
開始年齢の引き上げ案を社会保障審議会に示したことが引き金だ。「引き上げは許
せない」。「スケジュールを変えられたら、老後設計が狂う」。電話の大半は意見
や抗議。厚労省の担当者は「議論は始まったばかりで、何も決まっていません」と
答えるのが精いっぱいだった。 厚生年金の支給開始年齢は現在、60歳。
〔以下略〕”
これこそが現役世代を締め上げ負担を高める政治的圧力の正体だ。
厚生年金など貰えない同世代が数多く存在すること、
今の若年層にはそもそも老後設計すら危ういことも考えず、
自分の財布しか眼中にない国民が多数派であれば、
確実に破壊的なインフレ税が日本社会を襲うだろう。