さて連休中ではありますが
時には以下のような報道も心に留めておいて下さい。
世界の飢餓人口、初めて10億人を突破へ=WFP(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-115484.html
”世界の食糧支援の規模が過去20年で最低水準となる一方で、飢餓人口は
今年、過去最高の水準に上昇した。国連世界食糧計画(WFP)が16日
に明らかにした。
それによると、世界の飢餓人口は2009年に初めて10億人を突破する。
一方、WFPは深刻な予算不足に直面しており、2009年度予算67億
ドル(約6090億円)のうち、26億ドル(約2360億円)しか確定
していない。
WFPは声明で「多くの人が世界的な金融危機に巻き込まれている。食品
価格の高止まりが影響して、購買力が制限されている。そうした状況に加
えて、予測のつかない天候が、天候に起因する飢餓をさらに多く生み出し
ている」と述べた。”
→ これは先進国に責任があるのではありませんが、
事実は事実として参考まで。
ただ一つ付け加えると、
これはWFPの婉曲な(声高な?)予算要求であり、
数値が深刻であればあるほど同情が集まるという、
日本の貧困問題と全く同じ「不都合な真実」を包含しています。
正義はカネで解決できるのか? 誰にも分かりません。
▽ プロパガンダを素朴に信じている人は、この名著を読みましょう。
危ういマイクロファイナンス・バブル(newsweek)
http://news.goo.ne.jp/article/newsweek/business/newsweek-200907015958.html?C=S
”世界的な金融危機で、確かだと思われていた多くの常識が覆された。だがそ
の中で生き残ったものが一つある。「小さいことはすばらしい」という古く
からの格言だ。貧困層に豪邸を売りつける時代はもう終わった。いま市場規
模をどんどん拡大し、隆盛を極めているのは、低所得者向け小規模金融のマ
イクロファイナンスだ。
バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌスが1976年に貧困層を対象に
した小規模融資を始めて以来、少額の融資で貧しい人々を救い出せるという
考えは世界中に広まった。民間団体や世界銀行、さらに金融機関までがこの
分野に参入し、途上国で無数の貧困層を相手に顧客を増やしてきた。
ユヌスが06年にノーベル平和賞を授賞したのを機に、ブームは先進国にも広
がった。ユヌスがバングラデシュで創設したグラミン銀行は08年、ニューヨ
ークのクイーンズに支店を開設。今後ネブラスカ州オマハにも進出する予定
だ。
しかし喜ぶのはまだ早い。民間研究機関センター・フォー・グローバル・デ
ベロップメントのデービッド・ロードマンとニューヨーク大学公共政策大学
院のジョナサン・モーダック教授の2人の経済学者が、最近マイクロファイ
ナンスに関するこれまでの研究報告を精査。マイクロファイナンスの効果に
否定的な結論を導き出した。2人はバングラデシュの小規模融資の研究事例
を見直し、それが人々を苦しめてこそいないものの、助けになっている確か
な証拠もないという報告書をまとめた。
グラミン銀行創設時から懐疑論
自己資本がなくてもやる気があれば貧困層も融資を受けられるというマイク
ロファイナンスの考え方には、70年代の創設当初から懐疑的な見方があった。
それでもグラミン銀行を支持する人たちは怯まなかった。生活水準が極めて
低い地域でも貧困が劇的に改善されていることを示す多くの研究報告を根拠
として挙げた。「グラミン銀行の顧客の5%が、毎年貧困から抜け出せてい
る」というユヌスの主張は、金科玉条のように繰り返された。
ロードマンとモーダックが行ったのは、こうした研究報告を再び精査するこ
とだ。計量経済学の専門用語や数式が頻出する2人の報告書は非常に難解だ。
だが結論は至って簡単。マイクロファイナンスは、借り手が景気の悪い時期
を乗り切る助けにはなるかもしれない。しかし貧困層が困窮から抜け出す手
段になるという報告は、実証できない、あるいは間違ったデータに基づいて
書かれているという。
2人の報告書によれば、貧困の改善と小規模融資という現象が一緒に起きて
いる事例がよく見られるのは確かだが、どちらが要因となってもう一方に作
用しているのかは断定できない。「注目すべきは、マイクロファイナンスの
活動が30年間も続いているのに、利用者の生活が向上したという数値的な証
拠はほとんどないことだ」と、2人は指摘している。
マイクロファイナンスに携わっている人たちにとっては残念な結論だろう。
ドイツ銀行によると、今やその市場規模は250億ドルに達し、融資額は毎
年15億ドルづつ増えている。現在の成長が続けば、市場規模は2015年ま
でに10倍に膨れ上がる見込みだ。次はマイクロファイナンス・バブルがやっ
てくるのだろうか。”
→ これは驚きますが、真実は追求しなければなりません。
有効かもしれないが万能ではない、
ということだと考えています。
腐敗や利権は社会正義の皮を被って出現することが多い。
日本の社会保障や労働問題も同じです。
寄付:炊き出し用コメ、全農が200キロ 市民団体に(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090911ddm012040117000c.html
”生活困窮者のための炊き出しなどに食材を提供している市民団体「フード
バンク」(東京都荒川区)に10日、全国農業協同組合連合会(全農)が
200キロのコメを寄付した。景気悪化による野宿者の急増などでコメが
足りないという毎日新聞の記事(8月7日付夕刊掲載)がきっかけになり、
寄付が実現した。10、11月にも各200キロを提供する予定。
同バンクは東京都内や神奈川県内で炊き出しなどをする45団体に食材を
供給。コメは昨年まで毎月約600キロを無償提供してきたが、今年は供
給量が5割以上増え、7月には在庫が180キロまで減っていた。
全農がこの日提供したコメは輸送費を含め約20万円相当。記事の掲載直
後から市民らの寄付が相次ぎ、在庫は数トンに増えた。同バンクの問い合
わせ先は03・5850・4863。【行友弥】
毎日新聞 2009年9月11日 東京朝刊”
これは美談です。
口先だけで正義を語る(騙る?)だけで
実行がない人の多いこの日本。
一人一人の実行力こそが、主役です。
▽ フードバンクに関してはこちらがベスト!
日本のNPOの現状に関してもよく調べてあります。
バランス感覚に優れたこのようなジャーナリストは、貴重な存在。
時には以下のような報道も心に留めておいて下さい。
世界の飢餓人口、初めて10億人を突破へ=WFP(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-115484.html
”世界の食糧支援の規模が過去20年で最低水準となる一方で、飢餓人口は
今年、過去最高の水準に上昇した。国連世界食糧計画(WFP)が16日
に明らかにした。
それによると、世界の飢餓人口は2009年に初めて10億人を突破する。
一方、WFPは深刻な予算不足に直面しており、2009年度予算67億
ドル(約6090億円)のうち、26億ドル(約2360億円)しか確定
していない。
WFPは声明で「多くの人が世界的な金融危機に巻き込まれている。食品
価格の高止まりが影響して、購買力が制限されている。そうした状況に加
えて、予測のつかない天候が、天候に起因する飢餓をさらに多く生み出し
ている」と述べた。”
→ これは先進国に責任があるのではありませんが、
事実は事実として参考まで。
ただ一つ付け加えると、
これはWFPの婉曲な(声高な?)予算要求であり、
数値が深刻であればあるほど同情が集まるという、
日本の貧困問題と全く同じ「不都合な真実」を包含しています。
正義はカネで解決できるのか? 誰にも分かりません。
▽ プロパガンダを素朴に信じている人は、この名著を読みましょう。
『あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実』(ピエトラ・リボリ) |
危ういマイクロファイナンス・バブル(newsweek)
http://news.goo.ne.jp/article/newsweek/business/newsweek-200907015958.html?C=S
”世界的な金融危機で、確かだと思われていた多くの常識が覆された。だがそ
の中で生き残ったものが一つある。「小さいことはすばらしい」という古く
からの格言だ。貧困層に豪邸を売りつける時代はもう終わった。いま市場規
模をどんどん拡大し、隆盛を極めているのは、低所得者向け小規模金融のマ
イクロファイナンスだ。
バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌスが1976年に貧困層を対象に
した小規模融資を始めて以来、少額の融資で貧しい人々を救い出せるという
考えは世界中に広まった。民間団体や世界銀行、さらに金融機関までがこの
分野に参入し、途上国で無数の貧困層を相手に顧客を増やしてきた。
ユヌスが06年にノーベル平和賞を授賞したのを機に、ブームは先進国にも広
がった。ユヌスがバングラデシュで創設したグラミン銀行は08年、ニューヨ
ークのクイーンズに支店を開設。今後ネブラスカ州オマハにも進出する予定
だ。
しかし喜ぶのはまだ早い。民間研究機関センター・フォー・グローバル・デ
ベロップメントのデービッド・ロードマンとニューヨーク大学公共政策大学
院のジョナサン・モーダック教授の2人の経済学者が、最近マイクロファイ
ナンスに関するこれまでの研究報告を精査。マイクロファイナンスの効果に
否定的な結論を導き出した。2人はバングラデシュの小規模融資の研究事例
を見直し、それが人々を苦しめてこそいないものの、助けになっている確か
な証拠もないという報告書をまとめた。
グラミン銀行創設時から懐疑論
自己資本がなくてもやる気があれば貧困層も融資を受けられるというマイク
ロファイナンスの考え方には、70年代の創設当初から懐疑的な見方があった。
それでもグラミン銀行を支持する人たちは怯まなかった。生活水準が極めて
低い地域でも貧困が劇的に改善されていることを示す多くの研究報告を根拠
として挙げた。「グラミン銀行の顧客の5%が、毎年貧困から抜け出せてい
る」というユヌスの主張は、金科玉条のように繰り返された。
ロードマンとモーダックが行ったのは、こうした研究報告を再び精査するこ
とだ。計量経済学の専門用語や数式が頻出する2人の報告書は非常に難解だ。
だが結論は至って簡単。マイクロファイナンスは、借り手が景気の悪い時期
を乗り切る助けにはなるかもしれない。しかし貧困層が困窮から抜け出す手
段になるという報告は、実証できない、あるいは間違ったデータに基づいて
書かれているという。
2人の報告書によれば、貧困の改善と小規模融資という現象が一緒に起きて
いる事例がよく見られるのは確かだが、どちらが要因となってもう一方に作
用しているのかは断定できない。「注目すべきは、マイクロファイナンスの
活動が30年間も続いているのに、利用者の生活が向上したという数値的な証
拠はほとんどないことだ」と、2人は指摘している。
マイクロファイナンスに携わっている人たちにとっては残念な結論だろう。
ドイツ銀行によると、今やその市場規模は250億ドルに達し、融資額は毎
年15億ドルづつ増えている。現在の成長が続けば、市場規模は2015年ま
でに10倍に膨れ上がる見込みだ。次はマイクロファイナンス・バブルがやっ
てくるのだろうか。”
→ これは驚きますが、真実は追求しなければなりません。
有効かもしれないが万能ではない、
ということだと考えています。
腐敗や利権は社会正義の皮を被って出現することが多い。
日本の社会保障や労働問題も同じです。
寄付:炊き出し用コメ、全農が200キロ 市民団体に(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090911ddm012040117000c.html
”生活困窮者のための炊き出しなどに食材を提供している市民団体「フード
バンク」(東京都荒川区)に10日、全国農業協同組合連合会(全農)が
200キロのコメを寄付した。景気悪化による野宿者の急増などでコメが
足りないという毎日新聞の記事(8月7日付夕刊掲載)がきっかけになり、
寄付が実現した。10、11月にも各200キロを提供する予定。
同バンクは東京都内や神奈川県内で炊き出しなどをする45団体に食材を
供給。コメは昨年まで毎月約600キロを無償提供してきたが、今年は供
給量が5割以上増え、7月には在庫が180キロまで減っていた。
全農がこの日提供したコメは輸送費を含め約20万円相当。記事の掲載直
後から市民らの寄付が相次ぎ、在庫は数トンに増えた。同バンクの問い合
わせ先は03・5850・4863。【行友弥】
毎日新聞 2009年9月11日 東京朝刊”
これは美談です。
口先だけで正義を語る(騙る?)だけで
実行がない人の多いこの日本。
一人一人の実行力こそが、主役です。
▽ フードバンクに関してはこちらがベスト!
『フードバンクという挑戦 貧困と飽食のあいだで』(大原悦子,岩波書店) |
日本のNPOの現状に関してもよく調べてあります。
バランス感覚に優れたこのようなジャーナリストは、貴重な存在。