みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

加中銀のカーニー総裁「我々のライフタイムで最大の商品価格ショック」- カナダの利下げ懸念遠のく

2008-06-22 | 注目投資対象・株価の推移
ゴールドマン・サックスが米金融機関のサブプライム損失拡大を指摘、
そしてモノライン格下げと、先週は厳しい週となりました。

一方でOECDは米経済の見通しを上方修正しているので、
悲観楽観が交錯している状況です。

直近1年のカナダドルの動き
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=cadjpy=x&d=c&k=c3&h=on&z=m

 → 基本的には上昇基調でした。
   一時106加ドル/円台を回復しましたが、
   週末には米ドルの後退を受けて105加ドル台に。
   卸売・小売の双方の指数が好調だっただけに、残念。

直近1年の豪ドルの推移
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=audjpy=x&d=c&k=c3&h=on&z=m

 → 遂に102豪ドル台を回復しました。
   103豪ドル/円はもう目前です。

先週は、週初の期待が一気に凋んでしまいました。
NY市場で急激にセンチメントが悪化すると、
東証にも資源国通貨にも悪影響が及びのは避けられません。

米は09年に0.8%成長、IMFが4月予測を上方修正(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080620AT2M2002O20062008.html

” 国際通貨基金(IMF)は20日、米経済の審査報告書を発表した。「米景
 気減速は想定よりも緩やかで、来年には回復する」との見方から、2009年
 平均の米実質成長率を0.8%と予測。4月の世界経済見通しで示した0.6%か
 ら上方修正した。09年10―12月には2%前後に高まるという。
 報告は「積極的な金融緩和と財政出動、好調な純輸出などが米経済を下支
 えしている
」と米国の経済政策対応を前向きに評価。一方で「商品価格の
 上昇などから家計の負担が増している」と分析した。”

 → ほぼ想定通りです。
   「4月よりも上方修正」というのがポイントですね。

   軽度のリセッション程度で済めば、
   日本株と資源国通貨にとっては何より。
   ただ、アメリカの消費動向は油断できないので注意が必要です。

米経済はリセッションに=著名ヘッジファンド・マネジャー(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200806190085.html

” サブプライム危機で多額の利益を上げたことで知られる著名ヘッジファン
 ド・マネジャーのジョン・ポールソン氏は18日、クレジット危機はまだ
 終息しておらず、金融セクターの損失は1兆3000億ドル前後に膨らむ
 との見通しを示した。
 国際通貨基金(IMF)は4月に発表した半期報告書で、クレジット危機
 によるサブプライムおよび他のローンに関する損失額が9450億ドルに
 達する可能性があるとの予測を示していた。
 アルファ・マガジンによると、ポールソン氏は2007年に、サブプライ
 ム・セクターのショート・ポジションを通じ、37億ドルの利益を獲得し
 た。
 ポールソン氏は、当地で開催されたヘッジファンドの会合で、米経済は消
 費支出の悪化により年内にリセッションに陥る見通しだとして「クレジッ
 ト危機が過ぎ去ったとは思えない。まだ多くの問題が残っており、年内い
 っぱい問題が続くだろう」と語った。
 さらに「われわれはリセッションに入ろうとしている。下半期は上半期よ
 りも状況が悪化し、リセッションは2009年まで続きそうだ。リセッシ
 ョンを招く主因は消費支出の落ち込みで、今後、支出低迷が一段と深刻に
 なるだろう」と述べた。
 ポールソン氏によると、同氏のファンドはクレジットに対してショート・
 バイアスを維持しているという。”

 → サブプライムの損失拡大の見通しを伝える報道のひとつです。
   こちらの方がOECDの見通しよりも悲観的ですね。
   ポジショントークが入っているのではないでしょうか。

   もし米経済の下半期が上半期よりも悪化するのであれば、
   シナリオを修正する必要があるでしょう。
   (私は、金融界の人員整理が進む上半期が最悪期だと思います)

米カルパース、年金基金の商品投資制限狙った米議会の提案を注視(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200806190091.html

” 米最大の年金基金であるカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパー
 ス)は18日、同基金の取締役会が、年金基金による商品市場への投資を
 制限することを狙った米議会の提案を注意深く見守っていることを明らか
 にした。ただ、こうした動きについてコメントするのは時期尚早との見方
 を示した。
 〔中略〕
 リーバーマン上院議員(無所属、コネチカット州)は18日、原油先物市
 場での投機抑制を狙った3本の法案を明らかにし、年金基金など大手機関
 投資家による市場参加禁止などを提案した。
 マッキンリー氏は「取締役会は、リーバーマン議員の提案についてではな
 く、原油価格の問題全般について議論しているが、どういった立場を取る
 かは今のところ明らかでない」と述べた。
 マッキンリー氏は最近ロイターに送った電子メールの中で、カルパースは
 商品先物に11億ドル程度投資しているが、それを2010年までに、運
 用資産の3%前後に相当する74億ドル前後に引き上げたい、との意向を
 示していた。”

 → 商品市況にとって、今は転換点となる可能性があると考えています。
   米議会の規制がどれほど効果を発揮するのかは不明ですが、
   重要なのは市場参加者のセンチメントです。

   もしセンチメントが悪化しているところに
   大きな値崩れが生じたら、心理的な「壁」が形成されます。
   さて、原油1バーレル140ドルは防波堤となるかどうか。
   重要な局面となりそうです。

    ◇      ◇     ◇     ◇

さて注目銘柄。

  【日立建機(東証一部 6305)の株価推移】

 [4月30日] [6月20日]
 3,280円 → 3,190円 ▼ 40(-1.22%)

  【森精機製作所(大証一部 6141)の株価推移】

 [4月30日] [6月20日]
 1,915円 → 1,978円 △ 63(+3.29%)

  【竹内製作所(JASDAQ 6432)の株価推移】

 [4月30日]  [6月20日]
  2,515円 → 2,840円 △ 325(+12.9%)

  【SUMCO(東証一部 3436)の株価推移】

 [5月9日]   [6月20日]
 2,745円 → 2,415円 ▼ 330(-12.0%)

  【マツダ(東証一部 7261)の株価推移】

 [6月9日]  [6月20日]
   573円 → 561円 ▼ 12(-2.09%)

竹内が逆行高でしたが、全般的に不調です。

為替が先週よりも円安ドル高ユーロ高に傾いているので、
今後は輸出企業の減益幅が縮小してゆくでしょう。

そこに着目する海外投資家もまた、
日本のグローバル輸出企業を見張っている筈です。

    ◇      ◇     ◇     ◇

東京外為市場・正午=ドル108円挟み、株軟調でクロス円の上値重い(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200806200067.html

” 正午過ぎのドル/円は、前日NY市場の午後5時時点と同水準の108円
 付近で取引されている。前日発表の6月の米フィラデルフィア地区連銀業
 況指数が弱かったことや、米金融保証会社(モノライン)アムバック・フ
 ィナンシャル・グループとMBIAの保証部門の格下げなど、ドルを積極
 的に買いにくいムードが強まった。また、前日から底堅い豪ドルや英ポン
 ドなどがクロス円をけん引したが、日経平均株価が弱含み、上昇ペースが
 抑えられている。
 前日発表の6月の米フィラデルフィア地区連銀業況指数が前月から一段と
 低下したほか、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、
 アムバック・フィナンシャル・グループとMBIAの保証部門の「Aaa」
 格付けを引き下げたことなどを受け、午前の取引ではドルは上値の重さが
 目立った。ドル/円の値幅は高安23銭。5・10日のため仲値公示にか
 けて輸入企業の買いが入ったが、輸出企業の売りが優勢となっている。市
 場では「輸出企業が売りのオファーを下げている」(資本筋)との声も出
 ている。
 外為市場と原油価格の相関関係が強まるなか、米原油先物価格が1バレル
 =132ドル付近に下落している。ただ、市場では「120ドルを割り込
 まないと積極的なドル買いにはならないのではないか」(証券)との見方
 が出ている。足元の値動きについては「早すぎる市場の織り込みが後退し、
 いいペースで上昇する感じではない」(エコノミスト)という。一方、証
 券関係者は、足元の水準について「105―108円のレンジの上値か、
 108―112円のレンジの下値とみるか、判断がつかない」と指摘する。”

 → これは先週金曜日の報道です。
   為替市場の今の状況をよく伝えていると思います。
   依然として米経済と世界経済とが綱引きをしているような印象です。

   個人的には、108米ドル/円は、意外に頑強な線だと捉えています。
   3月のような異様なほどの恐怖感はもう消えており、
   現時点ではもう最悪期は脱したと見て良いのではないでしょうか。

商品価格のかつてない上昇でインフレへの絶え間ない警戒が必要に=加中銀総裁(reuters)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK818770620080620

” カナダ銀行(中央銀行)のカー二ー総裁は19日、商品価格のかつてない
 上昇によって「インフレへの絶え間ない警戒」が必要とされている、と述
 べ、先週10日に同中銀が政策金利の引き下げではなく予想外の据え置き
 を決定したことについて釈明した。
 総裁は当地での講演で、国際エネルギー・食品価格の上昇について、値上
 がりが急激で広範囲にわたっており、これまでのどの商品ブームとも異な
 っていると指摘。こうした現象について「商品のスーパーサイクル」と呼
 び、価格上昇局面が通常の景気サイクルである7─8年よりも長く続く可
 能性を示唆した。
 総裁は同時に、原油輸出国であるカナダが1970年代のように拡大する
 富を浪費しないよう予防することが重要と強調し、「現在の問題は浪費し
 ないという約束をどのように果たすかだ」と述べた。また、そうした背景
 があって中銀は、米景気減速や信用市場の混乱の影響からカナダ経済を保
 護するため追加利下げが必要であるとした4月時点の見解を放棄せざるを
 得なかったと説明した。
 総裁は「われわれのライフタイムで最大の商品価格ショックに直面し、自
 己満足にひたっていることはできない」と述べた。”

 → 先週の時点では懐疑的でしたが、
   もう確信に変わりました。

   加中銀は当面、利下げできないと思います。
   今までは理由が分からなかったのですが、
   商品価格高騰への懸念だったのですね。

   先月とは一気に状況が変わってきました。
   勿論、加ドルにはポジティブです。

   カーニー総裁が「商品のスーパーサイクル」と
   呼称している点にも要注目です。


  【 いとすぎの為替ポジション 】

今週は特に動きなし。
順当だと思います。

加ドルロングを増やしておいたのが
功を奏しそうです。

 2008/06/04 104.46 CAD/JPY Lev ×3
 2008/06/02 105.58 CAD/JPY Lev ×3
 2008/04/01  92.06 AUD/JPY Lev ×3

    現在 > 105.54 加ドル/円
        102.34 豪ドル/円 (損益 149%)

  ▼ ポジション解消済み
 2008/05/22 106.83 CAD/JPY Lev ×3 (ショート)
 2008/05/23 104.46 CAD/JPY Lev ×4
 2008/05/22 105.16 CAD/JPY Lev ×3
 2008/05/16 104.06 CAD/JPY Lev ×3
 2008/05/05  99.44 AUD/JPY Lev ×3
 2008/05/07  99.41 AUD/JPY Lev ×3
 2008/04/18  96.97 AUD/JPY Lev ×3
 2008/04/18 103.44 CAD/JPY Lev ×4
 2008/04/23 102.27 CAD/JPY Lev ×2
 2008/04/01  92.06 AUD/JPY Lev ×1
 2008/04/04  93.68 AUD/JPY Lev ×2
 2008/04/09 100.12 CAD/JPY Lev ×4
 2008/04/02  94.36 AUD/JPY Lev ×4
 2008/03/28  98.18 CAD/JPY Lev ×10 (ショート)
 2008/03/20  98.08 CAD/JPY Lev ×5
 2008/03/20  96.16 CAD/JPY Lev ×5
 2008/03/14  94.02 AUD/JPY Lev ×10
 2008/03/07 103.58 CAD/JPY Lev ×5
 2008/03/07  95.54 AUD/JPY Lev ×5
 2008/02/26 100.08 AUD/JPY Lev ×4
 2008/02/29  97.18 AUD/JPY Lev ×6
 2008/02/22 105.54 CAD/JPY Lev ×5(ショート)
 2008/02/16 107.08 CAD/JPY Lev ×5
 2008/01/31 106.30 CAD/JPY Lev ×10
 2008/01/15 106.84 CAD/JPY Lev ×2(ショート)
 2008/01/11 106.92 CAD/JPY Lev ×2(ショート)
 2008/01/10 107.97 CAD/JPY Lev ×4(ショート)
 2007/12/11 110.81 CAD/JPY Lev ×2
 2007/11/22  94.49 AUD/JPY Lev ×2
 2007/11/17 114.10 CAD/JPY Lev ×2
 2007/10/18 119.40 CAD/JPY Lev ×2

加中銀の政策金利据え置きにより、
俄然有利な展開となってきました。

加ドルは107~108加ドル/円、
豪ドルは103~105豪ドル/円を目指す展開を想定しています。

 ↓ 先月からの記載 ↓

世界経済が落ち着きを見せるとともに、
コモディティ価格の高騰を背景に資源国通貨が
円や米ドルをアウトパフォームする可能性が高まっています。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)

~~~~~~~~(2008年の注目銘柄)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【インテリックス(東証二部 8940)】 [5月21日] [6月9日]> ショート
                   81,000円 → 66,900円 ▽ 14,100(+17.4%)

【インテリックス(東証二部 8940)】 [4月30日] [5月21日]
                   103,000円 → 81,000円 ▼ 22,000(-21.4%)

【サンフロンティア(東証一部 8945)】[4月30日] [5月9日]
                   55.700円 → 68,500円 △ 12,800(+23.0%)
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