↑ USD/JPY(ZAI) レンジ圏に逆戻りか
そろそろ調整局面かと警戒する声が増えてきた。
外国人が買い始めて2ヵ月ほど過ぎ、頃合いではある。
逆指標としても東洋経済が派手な表紙の株式特集を組み、
当たらないことで定評のある大衆週刊誌が「東証2万円」を掲げ、
嫌が応にも不吉な予感が濃厚になりつつある。
当ウェブログが最も警戒しているのは
巨額の先物を買い込んで相場をリードしてきたスペックの動向だ。
先週末の激しい日経先物の動きは、機を見るに敏な彼らが
大きく売り崩すための仕掛けを始めている兆候とも見える。
「イエレンは「patient」を削除した(=利上げの接近を想起させるドル高材料)にも関わらず
巧みなアナウンス効果により市場の利上げ観測を後退させ、
ドル高を強く牽制することに成功したのである」
「日銀と違い、FRBを生み出したのは民間企業である。
米企業が苦境に陥ってゆくのを平然と見物だけしている訳がない」
「イエレンに対抗してマリオがどのようなマジックを披露するのか、
言わば米国経済とEU経済の代理戦争のような展開になってきた」
「東証の先物を大量に買い込んだ外国人は売り時を窺っており、
小康状態も「嵐の前の静けさ」に過ぎないのだろう」
「「バフェット指標」は東証が既にバブルに突入したか、
或いはかなり接近している状態であることを示唆しており
今の東証の水準がまともだと思ってはならない」
と当ウェブログは先週書いた。
言う迄もなくドル高円安は東証の強力なエンジンである。
年頭のようにまた推進力を失い、片肺飛行に陥るのだろうか。
NY原油もまた急落しており、
資源国リスクや米ハイイールド債市場リスクも再び要警戒だ。
……予感通り今年は難しい相場になるのだろう。
「エコノミストからも企業に賃上げを求める声があるが、
根本的な誤りであると考えざるを得ない」
「人口急増とともに内需が爆発的に伸びており、
企業が必死で労働力を確保しようとした高度成長期とは違う。
企業の「賃上げ」は口だけで、手元資金は成長する海外市場で使うに決まっている。
或いはせいぜい株主還元強化である」
「GPIFの巨額買い支えも急ぎ過ぎて今年でほぼ弾切れの可能性があり、
新規投入される三共済年金マネーもGPIFの4分の1弱の規模である。
所詮は株価操作でしかなく、信用バブルと同様に持続的に市場を上昇させることはできない」
「GPIFの買い余力は5兆円強だから、
三共済マネー3.5兆円との「連合軍」でも総計8.5兆円程度、
2013年の外国人買い15兆円の半分強に過ぎない」
「官が株価操作している今の官製市場においては、
見せかけの好況では成長率も1人当たりGDPも改善する訳がない」
「安倍政権の中には株価さえ上げておけば何とかなるとあさはかな了見を持つ者がいるのだろう。
そうした近視眼の輩の愚行の報いで日本経済が危機に陥ることになる。
歴史は真実を語っており、株価を操作しても実体経済を欺くことはできない」
「「東証がバブルに突入した」と判断した。
カネ余りで急速にPERが上昇する現象は、2007年にも起きていた。
業績に直結しないテーマで浮かれた上昇が続出していたのである。
経験則では、こうした異常事態が起きると2年以内に景況が暗転する。
2007年ばかりではなく、2000年もそうだった」
「アベノミクスの「三本の矢」は間違いなくインチキだが
東証を支える株価操作の「三本の柱」は強固だ。
この株価操作の報いで日本市場は遠からず塗炭の苦しみを味わうことになるだろう」
「米経済は矢張り減速感が強まってきており、楽観視できない。
インデックスで東証にアウトパフォームされたのは
日本経済が強い訳では全くない。米経済が想定外に弱いためだ」
「当ウェブログの懸念通り原油安でシェール産業が苦しくなり、
アメリカの投資と雇用にも悪影響が生じつつある」
「結局ギリシャ問題は何とか峠を越えたものの、
ウクライナ問題の余波とユーロ安誘導の困難で欧州経済の低迷は変わらないであろう。
ユーロ円チャートはこの買い戻しも一時的なものに過ぎないと示唆している」
「今回の外国人買いはボリュームが乏しい。
東証を大きく浮上させ得る確信を持った大口買いではなく、
スペックの先物売り仕掛けも警戒すべきだろう」
「原油価格が再度急落し、例えばバレル40ドルを下回ると
予想外のパニックが起きる可能性があることを警戒しておきたい」
「今の世界経済にはドル独歩高の負担は重過ぎる」
としてきた当ウェブログのスタンスは今週も維持する。
「大企業にとっては増益要因ではあるものの、
一般国民にとっては輸入インフレ要因でしかないので成長率は殆ど改善しない」
円安の効果については以上の通りの見方である。
黒田日銀はそう思っていないようだが、冷厳な成長率の数字によって叩きのめされるだろう。
「RBA(豪中銀)が予想外の利下げを行い、
資源国の苦境が改めて浮き彫りになっている。
原油大幅安を受け、今後も資源国の景況下振れのリスクに注意が必要だ」
「外国人投資家からは「日銀緩和しか円安材料がない」との声が上がっており、
当ウェブログが予想したように今年最大の材料は追加緩和ということになりそうだ。
今年に限っては米利上げより大きなイベントになり得る」
「原油安にとって最も大きな打撃を受けるのがシェール業界である。
アメリカ経済の回復に大きな貢献を果たしてきたシェール産業は、
ハイイールド債市場で大きなプレゼンスを持っているため、
シェールバブル崩壊の余波で米経済は更なる下振れも考えられる」
「ドルが停滞し、ユーロが量的緩和の圧力を受けるとなると、
東証が続伸して上値を伸ばすのは非常に難しくなる」
「2015年は紛れもなく、我慢の年になりつつある」
としてきた当ウェブログの想定も依然として維持する。
直近では東証がダウをアウトパフォームしているが、
こうした期間は長続きしないと経験則は教えている。
「ECBもQEを実行することとなり、市場では効果が覿面に出ている。
ロイター調査ではQEの効果に懐疑的な意見が多数を占め、
ずるずると量的緩和策を続けざるを得ないとの見方が優勢である。
(日銀についても間違いなく同様の結果となるだろう)」
「漸く日銀は、自らの掲げた物価目標が誤っていることを認める路線に軌道修正し始めている。
物価目標は未達確実、成長率見通しも下方修正なのだから、
黒田日銀のこれまでの政策そのものが間違っていた訳である」
「追加緩和を行っても日本経済が停滞から脱却する筈がない」
「失業率も雇用者数も市場予想を上回ったにも関わらず、ドルもダウも下落した。
賃金下落のショックによるとも言われているが、それでだけでは説明できない。
「買われ過ぎ」の水準にあると言わざるを得ないだろう」
「原油安が続くとの世銀の見通しも重要である。
エネルギー投資は費用も労力もかかる。そう簡単にV字回復する状況にはない」
「更に悪いことに、投資家が皆ドルに対して強気であるため、
その投機ポジションの重みでドル自体が沈んでしまいそうな需給になっている。
たとえ見通しが正しくとも、市場には「多数派が間違う」という皮肉な真理がある」
「当ウェブログは、日本のGDPを20%近く切り下げて
国民を大幅に貧しくした張本人である黒田日銀が
今年前半に更なる追加緩和の愚行に走ると見ている」
「一部の層に収益機会を提供する点で「投資家の神」だが
経済全体は成長せず「一般国民の疫病神」である黒い日銀は、
マイナス成長を受けてもまだ目が覚めていない」
「最後には日本財政の救世主になるが、その代わりに経済危機の「A級戦犯」となる。
概ねそのような結末しか残っていない。
(因にジム・ロジャーズ氏は2016年から17年頃の危機を予想している)」
東証の「片肺飛行」でも官製マネーで内需関連は続伸した。
GPIFの買いは意想外に大きいことが明らかになり、「バブル」との判断は的中しつつある。
「焦点はエネルギー価格に景況が大きく左右されるロシアだ。
ロシア経済のエネルギー依存体質は全く変わっていない。
これほど急激かつ大幅に原油価格が下落すると、
ロシア経済に甚大な打撃が与えられるのは間違いない」
「為替急落の後は実体経済の悪化が来るのが通例だ。
原油急落は必ずしもOPEC減産見送り要因ばかりでなく、
世界経済の減速による需要停滞観測も確実にあるものと言えよう。
暗い影がかかっているのはロシア経済ばかりではない」
「経済悪化が鮮明になっているだけに
特に内需関連の急反落を警戒しておかなければならない。
(輸出関連は結局ドル円次第なので日本経済の好不況とはまた別である)」
「最悪の場合、鼠のレミングのように
自滅的な集団行動へと向かっているとも考えられよう」
「当ウェブログは黒田総裁が異例の辞任に追い込まれると予想しているが、
その見通しを補強する会合内容と言えよう。
ここまで理のある反対意見を押し切って追加緩和を決断したからには、
これから確実に生じる甚大な副作用の責は全て総裁に帰する以外にない」
「ここ数年、見たことのないような原油価格急落だった。
OPECの減産見送りの背景には、OPEC内での多極化の進展だけでなく、
サウジ等の大産出国がアメリカのシェールオイル採掘を牽制し、
体力勝負に出た側面もあろう。
それがもって回ってロシアを直撃しつつある状況、
場合によってはロシア発の危機や地政学リスクの再燃もあり得る」
「今は恩恵が大きいように見える原油大幅安だが、
デフレ脱却という愚かな宗教に感染した黒田日銀の追加緩和を招くだけでなく、
コージェネをはじめとする省エネの努力を怠らせて電力利権を延命させる副作用もある。
決して良い話ばかりではない」
と書いてきた当ウェブログのスタンスは今週も変わっていない。
ギリシャ問題を無事棚上げにできても欧州低迷は変わらず、
米経済減速も明確になってきている。
尚、昨年の追加緩和の時点では以下のように想定していた。
「追加緩和の決定は天災と同じような緊急速報で伝えられたが、
日本国民に甚大な被害をもたらす点でも天災と似ている」
「黒田日銀総裁は市場の裏をかいて追加緩和を行った訳ではなく、
異次元緩和の効果が出ていない失策を糊塗するために決断したようだ。
これで任期途中の辞任の可能性が高まったと言える」
「勿論、「悪い円安」は確定である。
1日で3%以上も円が急落することは、日本のGDPに換算すると
ドル建てで15兆円以上も日本が貧しくなっていることになる」
「黒田バズーカ第2弾の害悪は、第1弾と比較にならないほど破滅的である。
このように「発散」と呼ぶに相応しい急激な勢いで円が暴落している。
120円に達する速度は予想できないほど速いと見ておいた方が良い」
「70年代や80年代の教訓から正しく学んでいれば、
デフレ脱却で日本経済が好転するなどというカルト宗教の虚妄は明白である。
資産価格バブルが健全な経済をもたらさないことも言う迄もない」
「実質的な円の切り下げは資産家を急速に豊かにし、
ミドルクラスには資源・エネルギー・食料の悪性インフレをもたらす。
アンダークラスにとっては最悪の状況で、エンゲル係数の高い家計が行き詰まる。
軽犯罪が増え、日本の治安は悪化する可能性が高い」
「これから円安倒産が急増し「クロダ倒産」と呼ばれるようになり、
愚劣な黒田バズーカ第2弾が、庶民の生活を破壊することが明らかになろう。
昭和恐慌時の団琢磨と同様に、テロの標的とされる恐れすらある」
「投資家の稼ぎは日本が貧しくなった分の付け替えであり、特に為替は所得移転に過ぎない。
人々の暮らしが苦しくなるのと引き換えに、一部の者に富が転がり込んだのである」
「2015年は安倍内閣が破滅の淵に叩き込まれるだけでなく、激動の修羅場となる。
「円安=日本株高」という今世紀の常識がどこかで通用しなくなるだろう」
「当ウェブログは、これほど粗暴で破壊的な緩和策を全く予想していなかった。
今迄の見方を全て転換し、「悪い円安」が急速に接近していると判断した。
「日本経済は危険な激動期に突入しつつある。
マーケットのボラティリティが急激に拡大するなかで
一部の者だけが豊かになり、足蹴にされた国民が憎しみの目で彼らを見る」
……当ウェブログが予想した事態は、より速く、より深刻な形で実現しつつある。
「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」
「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」
「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。
「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」
一方、余計な追加緩和によって「事実上のマネタイズ」との見方はほぼ的中した。
「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」
「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」
「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」
「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」
「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」
「今年は苦難の始まりの年となるだろう」とした予言が、悲しいことに実現しかけている。
危険な「悪い円安」の時代は「もうすぐそこまで迫っている」のではなく、既に「迎えつつある」のだ。
↓ EUR/JPY(ZAI) ユーロに再び下落の予兆か
↓ GBP/JPY(ZAI) BOEはポンドを下げようとしている?
四月の波乱を予感させるような嫌な一週間だった。
ショートポジションを持っていれば特に問題ないわけだが、
いずれにせよ二月、三月のような簡単な相場には幕が下りつつあるようだ。
ドル続落、FRBの緩和策継続観測で=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MJ2D820150323
先週前半はやや買い戻し優勢だったが、
あくまでも買い戻しなので問題は週後半の動きだった。
大きく動いた週央については以下参照。
ドル1カ月ぶり118円台に沈む、株安・米金利低下(reuters)
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPL3N0WS2GJ20150326
先週、最も市場が荒れた木曜の市況。
イエメン空爆はペルシャ湾と違って大事にはなりにくそうだが
(とはいえ紅海ルートへの依存の高いインドでは市場が敏感に反応した)
問題は耐久消費財の下方修正だ。予想通りアメリカは世界経済を牽引できないと思われる。
ドル小幅安、FRB議長講演の影響は限定的=NY外為(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0MN2Q7.html
イエレン発言は特にサプライズなく、
やや穏やかな金曜となったがどうも市況の雰囲気が怪しい。
雇用統計前に新たな動きが出る可能性も見ておきたい。
◇ ◇ ◇ ◇
注目銘柄、食品関連のロングポジションを縮小し警戒モードに。
PF組み入れ比率は ①東京建物、②ロックF、③サイゼリヤの順で、ショートの比率は2分の1以下。
↓ 食品関連(Yahoo.finance) 「食品バブル」に警戒信号点灯、2910以外は即時撤退の用意も
サイゼリヤ(東証一部 7581) 2,014
カルビー(東証一部 2229) 4,855
ロックF(東証一部 2910) 2,439
ヱスビー(東証二部 2805) 4,570 → 5,100
ハウスG(東証一部 2810) 2,520 → 2,524
大戸屋HD(JASDAQ 2705) 1,942 → 2,011
マツダ(東証一部 7261) 232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
298 → 314 / 332 → 425 / 380 → 522
(以降、5→1の株式併合)
2,497 → 2,772 / 2,266 → 2,989 / 2,989(ショート)
森精機製作所(東証一部 6141) 1,335・1,122(ショート)→ 1,289 / 1,550(ショート)
富士フィルムHD(東証一部 4901) 4,190 → 4,222
東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
1,128 / 890 → 801(ショート)/ 945
ケネディクス(東証一部 4321) 604 →
ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
4,025 → 3,345 /3,780(ショート) / 3,110(ショート)
ユナイテッド(東証マザーズ 2497) 2,800 / 1,696
サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100 /
132,300 (比較のため分割前の換算)
トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 /
82,100 → 64,200 / 75,600 (比較のため分割前の換算)
食品バブルに警戒信号発生、大戸屋・ヱスビー・ハウスGはここまでとする。
ロックFを除きいつでも撤退できる用意を。富士フィルムもひとまず終了。
↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 富士重工とマツダはショート方向だろう
「秋以降に物価上昇率が加速」 黒田日銀総裁(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015032801001278.html
黒田日銀は完全にリフレ・ドグマに浸潤されて、
デフレ脱却という愚劣な目標が自滅的であることに全く気づいていない。
特定層だけを潤し、日本経済を破局へ追い込む追加緩和に追い込まれるより他に道はないのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
【 いとすぎの為替ポジション 】
ドルショート追加が奏功しているが、
ポンドショートの方が効率良さそうかも。両方の動きを注視したい。
2015/02/09 134.91 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2015/03/20 119.97 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
現在 > 129.66 ユーロ/円(損益118%)← 今年の損益率
177.05 ポンド/円
119.10 米ドル/円
◎ 2014年の損益率(手数料等除外)> 128%
◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%
▼ ポジション解消済み
2015/02/20 182.89 GBP/JPY Lev ×1.5
2015/01/22 135.05 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/12/10 187.06 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/10/30 174.99 GBP/JPY Lev ×1.5
2014/10/24 136.70 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/10/02 175.54 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/09/26 138.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/09/19 177.76 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
…以下省略…
「ドル100円割れ」はなくなったと判断している。
120円に達する速度が異様に速く、「ドル150円時代」が接近している。
黒い日銀が円を切り下げ、格差が急激に拡大するステージに入った。
しかし今はリスク要因が多く、リスクオフを警戒すべき局面と見ている。
愚かな黒田日銀の追加緩和による「悪い円安」はひとまず速度減速の局面。
当ウェブログの予想通り、ドル上昇の「モメンタムは充分ではない」局面だった。
ドル・ユーロの双方ともで円安に急ブレーキがかかり、
場合によっては反転する可能性も出てきた。
※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
(当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
そろそろ調整局面かと警戒する声が増えてきた。
外国人が買い始めて2ヵ月ほど過ぎ、頃合いではある。
逆指標としても東洋経済が派手な表紙の株式特集を組み、
当たらないことで定評のある大衆週刊誌が「東証2万円」を掲げ、
嫌が応にも不吉な予感が濃厚になりつつある。
当ウェブログが最も警戒しているのは
巨額の先物を買い込んで相場をリードしてきたスペックの動向だ。
先週末の激しい日経先物の動きは、機を見るに敏な彼らが
大きく売り崩すための仕掛けを始めている兆候とも見える。
「イエレンは「patient」を削除した(=利上げの接近を想起させるドル高材料)にも関わらず
巧みなアナウンス効果により市場の利上げ観測を後退させ、
ドル高を強く牽制することに成功したのである」
「日銀と違い、FRBを生み出したのは民間企業である。
米企業が苦境に陥ってゆくのを平然と見物だけしている訳がない」
「イエレンに対抗してマリオがどのようなマジックを披露するのか、
言わば米国経済とEU経済の代理戦争のような展開になってきた」
「東証の先物を大量に買い込んだ外国人は売り時を窺っており、
小康状態も「嵐の前の静けさ」に過ぎないのだろう」
「「バフェット指標」は東証が既にバブルに突入したか、
或いはかなり接近している状態であることを示唆しており
今の東証の水準がまともだと思ってはならない」
と当ウェブログは先週書いた。
言う迄もなくドル高円安は東証の強力なエンジンである。
年頭のようにまた推進力を失い、片肺飛行に陥るのだろうか。
NY原油もまた急落しており、
資源国リスクや米ハイイールド債市場リスクも再び要警戒だ。
……予感通り今年は難しい相場になるのだろう。
「エコノミストからも企業に賃上げを求める声があるが、
根本的な誤りであると考えざるを得ない」
「人口急増とともに内需が爆発的に伸びており、
企業が必死で労働力を確保しようとした高度成長期とは違う。
企業の「賃上げ」は口だけで、手元資金は成長する海外市場で使うに決まっている。
或いはせいぜい株主還元強化である」
「GPIFの巨額買い支えも急ぎ過ぎて今年でほぼ弾切れの可能性があり、
新規投入される三共済年金マネーもGPIFの4分の1弱の規模である。
所詮は株価操作でしかなく、信用バブルと同様に持続的に市場を上昇させることはできない」
「GPIFの買い余力は5兆円強だから、
三共済マネー3.5兆円との「連合軍」でも総計8.5兆円程度、
2013年の外国人買い15兆円の半分強に過ぎない」
「官が株価操作している今の官製市場においては、
見せかけの好況では成長率も1人当たりGDPも改善する訳がない」
「安倍政権の中には株価さえ上げておけば何とかなるとあさはかな了見を持つ者がいるのだろう。
そうした近視眼の輩の愚行の報いで日本経済が危機に陥ることになる。
歴史は真実を語っており、株価を操作しても実体経済を欺くことはできない」
「「東証がバブルに突入した」と判断した。
カネ余りで急速にPERが上昇する現象は、2007年にも起きていた。
業績に直結しないテーマで浮かれた上昇が続出していたのである。
経験則では、こうした異常事態が起きると2年以内に景況が暗転する。
2007年ばかりではなく、2000年もそうだった」
「アベノミクスの「三本の矢」は間違いなくインチキだが
東証を支える株価操作の「三本の柱」は強固だ。
この株価操作の報いで日本市場は遠からず塗炭の苦しみを味わうことになるだろう」
「米経済は矢張り減速感が強まってきており、楽観視できない。
インデックスで東証にアウトパフォームされたのは
日本経済が強い訳では全くない。米経済が想定外に弱いためだ」
「当ウェブログの懸念通り原油安でシェール産業が苦しくなり、
アメリカの投資と雇用にも悪影響が生じつつある」
「結局ギリシャ問題は何とか峠を越えたものの、
ウクライナ問題の余波とユーロ安誘導の困難で欧州経済の低迷は変わらないであろう。
ユーロ円チャートはこの買い戻しも一時的なものに過ぎないと示唆している」
「今回の外国人買いはボリュームが乏しい。
東証を大きく浮上させ得る確信を持った大口買いではなく、
スペックの先物売り仕掛けも警戒すべきだろう」
「原油価格が再度急落し、例えばバレル40ドルを下回ると
予想外のパニックが起きる可能性があることを警戒しておきたい」
「今の世界経済にはドル独歩高の負担は重過ぎる」
としてきた当ウェブログのスタンスは今週も維持する。
「大企業にとっては増益要因ではあるものの、
一般国民にとっては輸入インフレ要因でしかないので成長率は殆ど改善しない」
円安の効果については以上の通りの見方である。
黒田日銀はそう思っていないようだが、冷厳な成長率の数字によって叩きのめされるだろう。
「RBA(豪中銀)が予想外の利下げを行い、
資源国の苦境が改めて浮き彫りになっている。
原油大幅安を受け、今後も資源国の景況下振れのリスクに注意が必要だ」
「外国人投資家からは「日銀緩和しか円安材料がない」との声が上がっており、
当ウェブログが予想したように今年最大の材料は追加緩和ということになりそうだ。
今年に限っては米利上げより大きなイベントになり得る」
「原油安にとって最も大きな打撃を受けるのがシェール業界である。
アメリカ経済の回復に大きな貢献を果たしてきたシェール産業は、
ハイイールド債市場で大きなプレゼンスを持っているため、
シェールバブル崩壊の余波で米経済は更なる下振れも考えられる」
「ドルが停滞し、ユーロが量的緩和の圧力を受けるとなると、
東証が続伸して上値を伸ばすのは非常に難しくなる」
「2015年は紛れもなく、我慢の年になりつつある」
としてきた当ウェブログの想定も依然として維持する。
直近では東証がダウをアウトパフォームしているが、
こうした期間は長続きしないと経験則は教えている。
「ECBもQEを実行することとなり、市場では効果が覿面に出ている。
ロイター調査ではQEの効果に懐疑的な意見が多数を占め、
ずるずると量的緩和策を続けざるを得ないとの見方が優勢である。
(日銀についても間違いなく同様の結果となるだろう)」
「漸く日銀は、自らの掲げた物価目標が誤っていることを認める路線に軌道修正し始めている。
物価目標は未達確実、成長率見通しも下方修正なのだから、
黒田日銀のこれまでの政策そのものが間違っていた訳である」
「追加緩和を行っても日本経済が停滞から脱却する筈がない」
「失業率も雇用者数も市場予想を上回ったにも関わらず、ドルもダウも下落した。
賃金下落のショックによるとも言われているが、それでだけでは説明できない。
「買われ過ぎ」の水準にあると言わざるを得ないだろう」
「原油安が続くとの世銀の見通しも重要である。
エネルギー投資は費用も労力もかかる。そう簡単にV字回復する状況にはない」
「更に悪いことに、投資家が皆ドルに対して強気であるため、
その投機ポジションの重みでドル自体が沈んでしまいそうな需給になっている。
たとえ見通しが正しくとも、市場には「多数派が間違う」という皮肉な真理がある」
「当ウェブログは、日本のGDPを20%近く切り下げて
国民を大幅に貧しくした張本人である黒田日銀が
今年前半に更なる追加緩和の愚行に走ると見ている」
「一部の層に収益機会を提供する点で「投資家の神」だが
経済全体は成長せず「一般国民の疫病神」である黒い日銀は、
マイナス成長を受けてもまだ目が覚めていない」
「最後には日本財政の救世主になるが、その代わりに経済危機の「A級戦犯」となる。
概ねそのような結末しか残っていない。
(因にジム・ロジャーズ氏は2016年から17年頃の危機を予想している)」
東証の「片肺飛行」でも官製マネーで内需関連は続伸した。
GPIFの買いは意想外に大きいことが明らかになり、「バブル」との判断は的中しつつある。
「焦点はエネルギー価格に景況が大きく左右されるロシアだ。
ロシア経済のエネルギー依存体質は全く変わっていない。
これほど急激かつ大幅に原油価格が下落すると、
ロシア経済に甚大な打撃が与えられるのは間違いない」
「為替急落の後は実体経済の悪化が来るのが通例だ。
原油急落は必ずしもOPEC減産見送り要因ばかりでなく、
世界経済の減速による需要停滞観測も確実にあるものと言えよう。
暗い影がかかっているのはロシア経済ばかりではない」
「経済悪化が鮮明になっているだけに
特に内需関連の急反落を警戒しておかなければならない。
(輸出関連は結局ドル円次第なので日本経済の好不況とはまた別である)」
「最悪の場合、鼠のレミングのように
自滅的な集団行動へと向かっているとも考えられよう」
「当ウェブログは黒田総裁が異例の辞任に追い込まれると予想しているが、
その見通しを補強する会合内容と言えよう。
ここまで理のある反対意見を押し切って追加緩和を決断したからには、
これから確実に生じる甚大な副作用の責は全て総裁に帰する以外にない」
「ここ数年、見たことのないような原油価格急落だった。
OPECの減産見送りの背景には、OPEC内での多極化の進展だけでなく、
サウジ等の大産出国がアメリカのシェールオイル採掘を牽制し、
体力勝負に出た側面もあろう。
それがもって回ってロシアを直撃しつつある状況、
場合によってはロシア発の危機や地政学リスクの再燃もあり得る」
「今は恩恵が大きいように見える原油大幅安だが、
デフレ脱却という愚かな宗教に感染した黒田日銀の追加緩和を招くだけでなく、
コージェネをはじめとする省エネの努力を怠らせて電力利権を延命させる副作用もある。
決して良い話ばかりではない」
と書いてきた当ウェブログのスタンスは今週も変わっていない。
ギリシャ問題を無事棚上げにできても欧州低迷は変わらず、
米経済減速も明確になってきている。
尚、昨年の追加緩和の時点では以下のように想定していた。
「追加緩和の決定は天災と同じような緊急速報で伝えられたが、
日本国民に甚大な被害をもたらす点でも天災と似ている」
「黒田日銀総裁は市場の裏をかいて追加緩和を行った訳ではなく、
異次元緩和の効果が出ていない失策を糊塗するために決断したようだ。
これで任期途中の辞任の可能性が高まったと言える」
「勿論、「悪い円安」は確定である。
1日で3%以上も円が急落することは、日本のGDPに換算すると
ドル建てで15兆円以上も日本が貧しくなっていることになる」
「黒田バズーカ第2弾の害悪は、第1弾と比較にならないほど破滅的である。
このように「発散」と呼ぶに相応しい急激な勢いで円が暴落している。
120円に達する速度は予想できないほど速いと見ておいた方が良い」
「70年代や80年代の教訓から正しく学んでいれば、
デフレ脱却で日本経済が好転するなどというカルト宗教の虚妄は明白である。
資産価格バブルが健全な経済をもたらさないことも言う迄もない」
「実質的な円の切り下げは資産家を急速に豊かにし、
ミドルクラスには資源・エネルギー・食料の悪性インフレをもたらす。
アンダークラスにとっては最悪の状況で、エンゲル係数の高い家計が行き詰まる。
軽犯罪が増え、日本の治安は悪化する可能性が高い」
「これから円安倒産が急増し「クロダ倒産」と呼ばれるようになり、
愚劣な黒田バズーカ第2弾が、庶民の生活を破壊することが明らかになろう。
昭和恐慌時の団琢磨と同様に、テロの標的とされる恐れすらある」
「投資家の稼ぎは日本が貧しくなった分の付け替えであり、特に為替は所得移転に過ぎない。
人々の暮らしが苦しくなるのと引き換えに、一部の者に富が転がり込んだのである」
「2015年は安倍内閣が破滅の淵に叩き込まれるだけでなく、激動の修羅場となる。
「円安=日本株高」という今世紀の常識がどこかで通用しなくなるだろう」
「当ウェブログは、これほど粗暴で破壊的な緩和策を全く予想していなかった。
今迄の見方を全て転換し、「悪い円安」が急速に接近していると判断した。
「日本経済は危険な激動期に突入しつつある。
マーケットのボラティリティが急激に拡大するなかで
一部の者だけが豊かになり、足蹴にされた国民が憎しみの目で彼らを見る」
……当ウェブログが予想した事態は、より速く、より深刻な形で実現しつつある。
「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」
「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」
「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。
「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」
一方、余計な追加緩和によって「事実上のマネタイズ」との見方はほぼ的中した。
「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」
「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」
「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」
「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」
「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」
「今年は苦難の始まりの年となるだろう」とした予言が、悲しいことに実現しかけている。
危険な「悪い円安」の時代は「もうすぐそこまで迫っている」のではなく、既に「迎えつつある」のだ。
↓ EUR/JPY(ZAI) ユーロに再び下落の予兆か
↓ GBP/JPY(ZAI) BOEはポンドを下げようとしている?
四月の波乱を予感させるような嫌な一週間だった。
ショートポジションを持っていれば特に問題ないわけだが、
いずれにせよ二月、三月のような簡単な相場には幕が下りつつあるようだ。
ドル続落、FRBの緩和策継続観測で=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0MJ2D820150323
”23日のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して続落した。米連邦準備理事会(FRB)がしばらく緩和策を続けるとの見方で、ドルの買い持ちポジションが巻き戻された。
ドルの主要6通貨に対するドル指数は直近1.07%安の96.860。ドル/円は終盤の取引で0.24%安の119.750円となっている。
〔中略〕
ユーロ/ドルは続伸。欧州中銀(ECB)のドラギ総裁は欧州議会での証言で、ユーロ圏のインフレ率は今後数カ月きわめて低い水準ないしはマイナス圏にとどまる可能性があるものの、年末にかけては徐々に上昇していくだろうと述べた。
アナリストによれば、市場はこれをECBが債券買い入れプログラムを早期に終わらせるかもしれないとのサインと受け止めた。ユーロ/ドルは終盤1.31%高の1.09650ドルで取引されている。
〔中略〕
BKアセット・マネジメント(ニューヨーク)のマネジング・ディレクターのキャシー・リーン氏は「ドラギ総裁の楽観的コメントは、ユーロの買い戻しの動きを刺激した」と指摘した。
またフォーリン・エクスチェンジ・アナリティクスのパートナーのデビッド・ギルモア氏は「市場はまだドルを買い持ちに、ユーロを売り持ちにしている。どんな調整でもポジションの巻き戻しが起こりやすい状況だ」との認識を示した。〔以下略〕”
先週前半はやや買い戻し優勢だったが、
あくまでも買い戻しなので問題は週後半の動きだった。
大きく動いた週央については以下参照。
ドル1カ月ぶり118円台に沈む、株安・米金利低下(reuters)
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPL3N0WS2GJ20150326
”午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の118円後半だった。株安の流れの中、サウジアラビア主導でイエメンの反体制派に空爆開始と伝わって米金利が低下するのを眺めつつ、1カ月ぶりに118円台に沈んだ。
ドルは仲値公示後にいったん119.27円まで下げたが、その後は、イエメン関連の報道には目立った反応を示さず、日経平均が300円を超えて下げ幅を拡大しても下げ渋った。
「119.20円付近では実需筋と年金系のまとまったドル買い需要がある」(外資系金融機関)との指摘もあり、下値リスクが足元では限定的との見方が多かった。
午後に入って米金利が弱含むと下げ足を速め、一時1カ月ぶり安値118.85円まで下落した。朝方からの株安で、これまで119円前半に多く観測されていた実需筋の買い需要が減ってきていたという。サポートとして意識されてきていた119.20円を下抜けたことで下げ足が速まった。
118円半ばから後半にかけては、再び実需筋の買い注文が観測される一方、ドルを高値で買った投資家があきらめて売る水準でもあるとして、断続的にストップロスも観測されているという。
〔中略〕
金融市場ではこの日の朝方、サウジ主導のイエメン軍事作戦の開始が伝わった。
為替市場の反応は鈍かったが、その背景として「中東地域での地政学的リスクの問題の高まりは、原油の供給問題を通じて従来はリスクオフにつながりやすかったが、最近は原油の供給過剰という環境で、明確な影響が表れにくい」とプレビデンティア・ストラテジーの外為ストラテジスト、山本雅文氏は話している。
一方、原油先物はバレル当たり51.98ドルまで上昇し、3月5日以来、3週間ぶり高値をつけた。原油先物上昇の原動力はファンド等の投機筋による買い戻しとみられており、供給減への懸念とは関係がないという。
〔中略〕
駐米サウジアラビア大使は25日、サウジおよび湾岸諸国がイエメン暫定政府の要請に応じ、イスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」に対する空爆を開始したことを明らかにした。
米ホワイトハウスによると、オバマ大統領は、サウジ主導の軍事作戦への物資・情報収集面の支援を承認している。
〔中略〕
前日の海外市場では、予想外に弱い内容となった米耐久財新規受注を受け、ドルが119.23円付近まで弱含んだ。
2月の耐久財新規受注は前月比1.4%減となり、市場予想の0.4%増に反して減少した。
米アトランタ地区連銀は、耐久財新規受注の低下を受けて第1・四半期の国内総生産(GDP)の伸び率予想を、17日に発表した当初予想の0.3%(前期比年率)から0.2%に引き下げた。
アトランタ地区連銀は、商務省経済分析局が使用しているものと同様の手法でGDPを試算する予測モデルを採用している。これにより算出した経済予想は多くのエコノミストの予想を下回っており、トレーダーらから最近注目されるようになっている。
予想外に弱い内容となった2月の米耐久財新規受注統計を受け、民間金融機関も予想引下げに動いた。
ゴールドマン・サックスは25日、第1・四半期の米GDP予想を2.0%増から1.8%増に引き下げた。
米JPモルガンも25日、第1・四半期の米GDP予想を1.5%増とし、従来の2.0%増から下方修正した。 (為替マーケットチーム)”
先週、最も市場が荒れた木曜の市況。
イエメン空爆はペルシャ湾と違って大事にはなりにくそうだが
(とはいえ紅海ルートへの依存の高いインドでは市場が敏感に反応した)
問題は耐久消費財の下方修正だ。予想通りアメリカは世界経済を牽引できないと思われる。
ドル小幅安、FRB議長講演の影響は限定的=NY外為(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0MN2Q7.html
”27日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対し小幅安となった。3月の米雇用統計の発表を翌週に控え、ドルを積極的に買う動きは限られた。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は同日の講演で、FRBとして金融緩和の解除開始を「真剣に検討」しており、年内の利上げが正当化され得るとの認識を示した。同時にコアインフレや賃金の伸びが下振れれば、据え置きを迫られる可能性もあるとした。
ドルは当初、イエレン議長がハト派的な発言を行うとの思惑から売られていたが、利上げを検討していると強調した点がややタカ派と受け止められ、下げを一部縮小した。
ただ利上げ時期は指標次第とするなど、議長の発言は18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明のメッセージを概ね再表明した内容だった。
オアンダ(トロント)のシニア通貨ストラテジスト、アルフォンソ・エスパーザ氏は議長の講演は「先週のFOMC声明のほぼ焼き直し」とし、「FRB当局者は指標待ちの状況」と指摘した。
ユーロ/ドルは小幅高の1.08910ドル。
ドル/円は小幅安の119.150円。
〔中略〕
主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数は0.06低下の97.374。〔以下略〕”
イエレン発言は特にサプライズなく、
やや穏やかな金曜となったがどうも市況の雰囲気が怪しい。
雇用統計前に新たな動きが出る可能性も見ておきたい。
◇ ◇ ◇ ◇
注目銘柄、食品関連のロングポジションを縮小し警戒モードに。
PF組み入れ比率は ①東京建物、②ロックF、③サイゼリヤの順で、ショートの比率は2分の1以下。
↓ 食品関連(Yahoo.finance) 「食品バブル」に警戒信号点灯、2910以外は即時撤退の用意も
サイゼリヤ(東証一部 7581) 2,014
カルビー(東証一部 2229) 4,855
ロックF(東証一部 2910) 2,439
ヱスビー(東証二部 2805) 4,570 → 5,100
ハウスG(東証一部 2810) 2,520 → 2,524
大戸屋HD(JASDAQ 2705) 1,942 → 2,011
マツダ(東証一部 7261) 232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
298 → 314 / 332 → 425 / 380 → 522
(以降、5→1の株式併合)
2,497 → 2,772 / 2,266 → 2,989 / 2,989(ショート)
森精機製作所(東証一部 6141) 1,335・1,122(ショート)→ 1,289 / 1,550(ショート)
富士フィルムHD(東証一部 4901) 4,190 → 4,222
東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
ケネディクス(東証一部 4321) 604 →
ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
4,025 → 3,345 /
ユナイテッド(東証マザーズ 2497) 2,800 / 1,696
サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100 /
132,300 (比較のため分割前の換算)
トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 /
82,100 → 64,200 / 75,600 (比較のため分割前の換算)
食品バブルに警戒信号発生、大戸屋・ヱスビー・ハウスGはここまでとする。
ロックFを除きいつでも撤退できる用意を。富士フィルムもひとまず終了。
↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 富士重工とマツダはショート方向だろう
「秋以降に物価上昇率が加速」 黒田日銀総裁(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015032801001278.html
”日銀の黒田東彦総裁は28日、TBSのBS番組に出演し、物価動向に関して「秋以降、上昇率が加速していくと思う」と述べ、2015年度末にかけて2%の物価上昇目標を達成できるとの認識をあらためて示した。
27日に発表された2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、原油安の影響を受け、消費税増税の影響を除くと前年同月から横ばいとなった。黒田氏は原油安の影響がなくなるまで「0%程度の低い上昇率にとどまる可能性がある」と説明した。
黒田氏は、外国為替相場の円安の定着で輸出が持ち直しており「経済全体がうまく回り始めた」とも指摘した。”
黒田日銀は完全にリフレ・ドグマに浸潤されて、
デフレ脱却という愚劣な目標が自滅的であることに全く気づいていない。
特定層だけを潤し、日本経済を破局へ追い込む追加緩和に追い込まれるより他に道はないのだ。
『日経会社情報』2015・春号 2015年 04月号 | |
◇ ◇ ◇ ◇
【 いとすぎの為替ポジション 】
ドルショート追加が奏功しているが、
ポンドショートの方が効率良さそうかも。両方の動きを注視したい。
2015/02/09 134.91 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2015/03/20 119.97 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
現在 > 129.66 ユーロ/円(損益118%)← 今年の損益率
177.05 ポンド/円
119.10 米ドル/円
◎ 2014年の損益率(手数料等除外)> 128%
◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%
▼ ポジション解消済み
2015/02/20 182.89 GBP/JPY Lev ×1.5
2015/01/22 135.05 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/12/10 187.06 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/10/30 174.99 GBP/JPY Lev ×1.5
2014/10/24 136.70 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/10/02 175.54 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/09/26 138.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2014/09/19 177.76 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
…以下省略…
「ドル100円割れ」はなくなったと判断している。
120円に達する速度が異様に速く、「ドル150円時代」が接近している。
黒い日銀が円を切り下げ、格差が急激に拡大するステージに入った。
しかし今はリスク要因が多く、リスクオフを警戒すべき局面と見ている。
愚かな黒田日銀の追加緩和による「悪い円安」はひとまず速度減速の局面。
当ウェブログの予想通り、ドル上昇の「モメンタムは充分ではない」局面だった。
ドル・ユーロの双方ともで円安に急ブレーキがかかり、
場合によっては反転する可能性も出てきた。
※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
(当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)