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流出雑記 

2010/3/16

2011年03月16日 | Weblog

昨夜静岡付近でも震度6の強い地震があった。1月号のDAYSというフォトジャーナリズム誌で特集していた静岡の浜岡原発の危険を訴える記事を思い出し、一日に何度も会見のひらかれる福島原発の危機的状況と共に、そのうち最も望まれない状況というものが現実になる可能性があるということをようやく身をもって知る思いでいる。DAYSでは数十年の内に起こる予測の東海地震の際に想定される浜岡原発の事故の規模についてこのように書いていた。

 地震によって原子炉のウランが融け落ちるメルトダウンと呼ばれる事故が起きれば、放出される放射能の雲は、毎秒2メートルのそよ風でも、3日間で500 キロ進むのだから、日本の中枢部は、即刻全滅することが分かっている。いや、一週間のうちに、北海道の最北端から沖縄の最南端まで、日本列島が、放射能雲 にすっぽり包みこまれるのだから、逃げる場所はどこにもない。ケタ違いのダイオキシンと、アスベストと、農薬と、除草剤をまとめて日本全土の空から豪雪の ように降り積もらせたより、はるかに深刻な猛毒物に包まれた国になる。室内にこもっても、空気と水と食べ物がすべて汚染されるのだから、日本人は、その先、どうやって生きられよう。本当に日本が破滅するのだろうか?みな、そのような悲劇的事態を想像しないで生きているだけなのだ。国民がその日を想像しないのは当然である。無自覚な新聞とテレビの記者が、その危険性をまったく国民に知らせないからである。(p.20) 

耐震構造に不安があること、想定される揺れではなく想定外の揺れが起こる可能性が高いことなどを挙げ、早期停止を求めるということだった。文面からはかなり脅される感じを受けるが、そのように語らねばならないほどこれは起こりうる危機なのかとその後数日怖さは尾を引いた。即時停止に踏み切れないのは電力会社や原発を誘致した地域にとってみれば多額の損失を生む結果になるなどの事情があるようだが、昨日の地震のあとも浜岡原発は稼動している。福島原発でいま昼夜とわず命がけの作業にあたっている方々がいて、停止後の原発でまだ手の施しようのある状態ですらこの事態。いつ起こるかわからないからこそこのまま浜岡原発を放置するべきではないという思いにどうしても行き着く。停止することで電力不足の問題も出てくるだろう。それをカバーするための別の発電についてもDAYSには書かれていた。すぐに、ということは難しいのかも知れない。でもそんなこと言ってられないじゃないかという思いの方が高まってしまう。いま起こっていることから考えて、浜岡原発停止に関する要望書に署名することにした。

職務を遂行する意思をもち守らねばならない人たちのことを思って高濃度の放射能を浴びる現場に踏みとどまっている作業員の足だって、本当なら逃げ出して家族のもとに帰りたいはずではないか。志願して福島原発の作業に向かう他県の原発で働く作業員の方もあるという。そのような人たちに守られていることにとても感謝をするが、その前にこれは望まれた状況ではないのだ、ということを思う。