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流出雑記 

ドッペルゲンガー牛乳

2008年09月11日 | Weblog
4時就寝10時起床。

洗濯。
読書。
最近本を読む日々で、足繁く大学の図書館に通っている。こんな素敵な施設が近所にあって良かった。
哲学と思想の本棚の前を行き来して興味のある思想家の本を漁る。
今は脊椎を支える言葉を集めている。 

12時半ダーリン起床。
もらったそうめんがまだまだある。
今年の夏なぜか思ったよりそうめんを食べなかった。

薬味がなかったのでそうめんチャンプルにする。
麺が少々ごねっとした仕上がりになってしまった。

片付けて、よく仕事に行くデッサン会に描きに来られている方の個展を見に自転車で三条の方へ。
日傘装着チャリだが、斜めから入ってくる日差しで頬骨がじりじりする、

会場に着く。
100号の油絵と3つと小さい作品が数点。
仏教色が強いが、どの絵にも同じ顔の女がどこかしらに描かれていて、一様にあまり表情はなく正面を向き、人と神仏の間のような存在に見える。
そして男性である作者にほんのり似ている。

私が来てしばらくしてからひとりの男性がふらっと入って来た。
スーツにウエストポーチ、スニーカー、ビジネスバッグ、サングラス。
金持ち何だかそうでもないのか芸術系なのかよくわからない。
画家の方も知り合いではなさそう。
「この絵、先生が描かはったん?これはナントカ菩薩ですか?私仏教系の、こういうのん好きなんですわ。」と酒焼けしたような声でいろいろ質問を始めた。
絵を買うのが好きらしく、しばらくはそこにある絵の話題であったが、他に居合わせた私を含め3人と画家と座ってお茶をいただきはじめると話題は、自分の知っている画家の話しや新幹線で岡本太郎と乗り合わせた話し、ゴッホの絵は生前1枚しか売れずしかも値段は8000円程度だったという話し、「私いくつにみえます?」などと言い出し「んー、45くらいですかね」と画家が言うと、「来年還暦なんですよ。これでも。」と誇らしげに答えた。
同席していた糸のような神経をしてそうな白い絵描きの青年にも「あなたも芸術家ですか」と話し振られ
「ええ…まあ」
「油絵ですか」
「いや、アクリルとか岩彩なんかを使ってます…」青年伏し目がち

「へえ…、あなたは?」
やはり私にも。
芸大で舞台を専攻していたと答えると、男は舞踏家に知り合いがあると言って、私のお世話になった先生の名前がでてそういうことでまた話しが延び、
「で、今はなにをしてるんですか」と聞かれモデルだというと、
「時給はどれくらいなんですか。着衣とヌードはまた違うんですか。」
時給ではないといい詳細に答えずごまかしておく。
「着衣で私の写真のモデルになってくれたら一日50万って言ったらどうします?」

やらないですねと答える。

お茶と阿闍梨餅に似た和菓子をいただきながら退席するタイミングをはかれずしばらく謎の男の話しに皆付き合うはめになった。
画廊で売っていた画家が所属する団体の図録1000円を買って、画家にサインさせ、30分ほど喋り続けて用事があると言って男は帰って行った。
去ったあと画家も「あの人なんやったんやろう…」ともらしていた。

家で仕事のダーリンから着信があったのでかけ返すと、
家の近くのやる気のない商店から、私の名前で注文があったと牛乳が届いたが注文したかと聞く。
その商店の品物、特に生ものは怪しい。私は去年の秋にどうしてもおやつにさつまいもが食べたくなって買いに行った以来そこで買い物はしていないので牛乳の注文などしていない。
牛乳を届けたのは牛乳屋の業者で、代金はもうもらっているからと牛乳を置いて行ったと言う。

どうにも身に覚えの無いことなので、誰かが毒でも盛ろうとしているのか神様からの贈り物かはたまた私のドッペルゲンガーが現れたかとぶつぶつ考えながら帰宅。

冷蔵庫にはレジ袋に入ったままの明治の無調整牛乳が確かに入っていた。

よくわからない牛乳を飲む気はしないのでふたりで商店に牛乳を返しに行った。

愛想の良くないパンチパーマのご主人に牛乳が届いたが…と説明しようとすると
「あ~。手違いやってん。わざわざ持って来てくれたん。ありがとう。」
パンチのご主人が笑った。

牛乳事件は呆気なく解決。


晩ご飯は秋鮭とカボチャの和風クリームシチュー
白葱としめじとにんじんも入っており、コンソメベースだが少し白味噌が入っているので和風。
それを作るのにうちにあった牛乳を使い切ってしまった。
さっきの牛乳、買い取れば良かった。

今日の献立は完全に今日私の食べたかったもの、明日にもちこせるもの(明日は仕事が二件あり帰ってくると気力がなさそうなので)という条件のもと決定した。
クリームシチューとごはんはあまり合わない。
ごはんが進む甘辛系のおかずが好きなダーリンはシチュー部分をもくもくと先に食べて鮭だけを残してそれをおかずにご飯を食べていた。
テレビの焼き肉のたれのCMで肉でごはんを包んで食べるシーンが何度か映ったのを彼は見つめていた。