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流出雑記 

感想の出入口

2008年03月10日 | Weblog
「恋する虜」というダンス公演をみた。
公演を見たのは昨日で、今日は出演ダンサーと関係者によるシンポジウムがあり聞きに行った。

まじめそうな顔をして座ってはみたが、シンポジウム等の催しはどちらかと言うと苦手である。
いつも聞きながら気付けば配布された資料にひたすら落書きをしている。
ただ聞きながらは座ってられないのだった。

それでも足を運んだのは、昨日から茫洋とした感想を携えているからだ。

このシーンのこの部分が好きだったという言いかたはできるのだが、核心的な所で言葉が浮上してこないというか、掴みきれなさを感じていた。

作品の印象は焼き付いたというような跡ではなく砂の上の足跡、肩に積った埃のように残っている。
触れられそうなこの身に近い所にありながら、揺さぶりをかけてくるものでなく、うっすらと残っている。
掻き立てられた訳ではない。  ただ積ったのだ。
しかしそれがなかなか払いきれず、むしろ埃は水分を含んで染入ってくるのではないかと思われる。

積極的な作品の観かたと解釈、饒舌なオーディエンスの感想を聞きながら、埃の脅威に包まれた私はその場にいながら参加できず石仏のような心持ちでいた。

終わって、家に帰り蓮根のサラダを作った。
明太子とマヨネーズとハーブビネガーで和えるのだがビネガーを入れすぎて酸っぱいのをなんとかしようと砂糖を足したりしたがどうしても効きすぎ。