風のたより

つれづれに

              ~~~  エリザベートが愛したコルフ島  ~~~

2016-07-09 | クルーズ その2 (東地中海クルーズ)



ギリシャのピレウスの港を出たオーケストラ号は、翌日の昼過ぎギリシャの西部に位置する
コルフ島(キルケア島)の港に入ってきました。

晴れた青空に白い雲、、、なんて綺麗な光景でしょう!!





イオニア海に浮かぶコルフ島は、透明度の高い海が人気のヨーロッパの高級リゾート地とか。
遠くに城塞のような島が見えてきました。

このコルフ島、私は初めて聞く地名で今回のクルーズで初めて知った場所です。





下船後、さっそく観光が始まりました。

先ずはヨーロッパの王族の中でも絶世の美女として有名な19世紀末のオーストリア皇后エリザベート
が夏の離宮として建てたというアヒリオン宮殿から始まりました。





ここが彼女が建てたアヒリオン宮殿。

ちなみにアヒリオンとは、ギリシャ神話の英雄アキレウスのこと。
彼女はどうしてこの館をアヒリオン宮殿と名付けたのでしょうか???





高台に建てられた宮殿のお庭からは、美しいコルフ島の海が眺められました。
素晴らしい眺めの場所で過ごされていたのですね。

でもなぜオーストリア皇后エリザベートが遠く離れたこの地に離宮を立てたのかも不思議でした?





離宮を入ってすぐ皇后エリザベートの等身大の像がお出迎えです。

エリザベートはオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后で
シシィの愛称で知られていました。

また彼女は生涯 身長172cm、体重46キロ、ウエストは驚異の50センチを保ったといいます。
モデル並みの体形維持には彼女の美学があったのでしょうか??





宮殿内に入ると美しいフレスコ画がお出迎えです。





宮殿内に掲げられているエリザベートの肖像画、本当に絶世の美女ですね。

でも彼女の一生は決して幸せなものではなく、窮屈な宮廷生活から逃れるために
各地をさすらい、最愛の息子を亡くした後にはギリシャのコルフ(キルケラ)島やヨーロッパ各地に
放浪の旅に出ていたといいます。

ここコルフ島もその一つだったのでしょう。





生涯さすらいの旅をつづけた彼女は、1889年9月10日、放浪の旅の途中、スイスのジュネーヴ、
レマン湖畔付近で暴漢に襲われてその命を落としました。

壁にはレマン湖畔や、当時の葬儀の模様や、捕まって連行されていく犯人のニュースを
掲載した写真がありました。





更に階段を上り二階へ、、、





エリザベートの寝室の天井に描かれた天使の絵。

彼女は毎晩この天井画を眺め眠りについたのでしょうか??





二階はエリザベートの日常を忍ぶ家具や調度品が置かれていました。
彼女が使用していたベットと家具。

ただここでは美を維持するために使ったといわれる器具らしきものは何もありませんでした。





階段の踊り場の壁を飾っていたのは、、、あのトロイ戦争の中での英雄のアキレウス。

この時はなぜここにこの絵がかかっていたのか分かりませんでしたが、、、





宮殿の庭先に置かれたアキレウスの像でその意味を知ることができました。
ギリシア神話に登場する英雄アキレウスは、アキレス腱として有名です。

アキレス腱は致命的な弱点の代名詞となっていますが、その謂れは母親と息子の悲しい伝説にありました。
溺愛した我が子を不死身にするため母親が赤子であったアキレウスの全身を川に浸ける際
そのかかとをもって浸けたため、その部分だけが不死身にならず、かかとを矢で射られ命を落とす
結果になったというものでした。

エリザベートにとって長男ルドルフを突然なくしたことが、ギリシャ神話のアキレウス母息子の心境に
相通じるものがあったのでしょう。

わが子をなくした悲しみと置かれた立場の息苦しさを逃れるため、心まで病んでしまった彼女は
どうしてもオーストリア以外の地が必要だったのかもしれません。

コルフ島はそんな彼女の心をいやす療養所だったのかもしれません。

ここでやっと謎が解けました。

ギリシャ神話、そうここはギリシャでした。





宮殿見学後はバスで移動し近郊の岬にあるカノニの展望台へ。

展望台からの眺め、、、、海の美しさに見とれました。





ここからの風景はよく絵葉書にもなっているようで、手前に見えるのがヴラヘルナ修道院で
その先に見えるのがネズミ島といわれています。





その後旧市街散策となりました。

コルフ島は歴史的にギリシャやイタリア(ベネチア共和国)、フランス、トルコなどの
国々から支配を受けたといわれています。





その為か町並みはどこかイタリア的だったり、フランスの香りがしたり、トルコの町並みに似ていたり
と不思議な雰囲気を醸し出していました。





散策後の集合場所になった町の中心の広場には、オーケストラ号の集合場所を示す旗の
向こうには、コルフ島の要塞が見えていました。





時間まで要塞近くの海辺を眺めました。

どこまでも澄んだ青空と真っ青なイオニア海の海です。
吸い込まれそうとは、こんな風景をいうのかもしれません。

ヨーロッパの中でも有数の高級リゾート地ということがよくわかりました。





旧市街の観光を終えバスでやっと戻ってきました。
港の広場にはギリシャ国旗とEUとコルフ島の旗が海風にたなびいていました。

コルフ島、、、印象に残る島でした。

明日はいよいよクルーズの最終寄港地のモンテネグロのコトルに入ります。