風のたより

つれづれに

タイタニック「最後の晩餐」  その2

2006-04-14 | Weblog

ディナーの後、1等船客の多くは、隣の応接室へ行って濃いコーヒーをデミタスで飲みながら、タイタニックのオーケストラが奏でる、軽いクラシック音楽やポピュラー音楽に耳を傾けながらパーティーを楽しんでいました。沈没数日前の、貴重な写真も掲載されていました。モノクロ画像がその写真です。「4月11日の昼食の場景と思われる」と記してありました。
この豪華客船の乗客たちの胃袋を満たす為に、80人のスタッフが、24時間体制で日に6000食もの食事を用意し続けていたと言います。
使用されていた陶食器類全てには、同じ絵柄が描かれていたようです。

タイタニック「最後の晩餐」 その1

2006-04-14 | Weblog


とあるスーパーの、もう店じまいの準備を始めていた特設コーナー(古本)の棚に、1冊の本が目に止まりました。「タイタニックの最後の晩餐」。映画化され、一般公開の折には、一躍話題になったあの映画です。その沈没の数時間前に、はたしてどんな人が、どんな食事をしていたのだろうと、急に興味が沸き、パラパラとページをめくると、なんとあの豪華客船の沈没が、こともあろうに4月14日ではありませんか。なんという偶然でしょう。私は思わず購入してしまいました。

豪華客船タイタニックは、1912年4月10日、アメリカ、ニューヨークに向け、イギリスのサザンプトンを出港。その処女航海中、北大西洋上の氷山に激突し、15日未明に、乗員、乗客2223名を載せ沈没、うち1517名の命が奪われた悲劇的な大惨事でした。 船内は1等、2等、3等船室に分けられ、1等船室には上流階級、2等船室には、中流階級、そして3等船室には、アメリカに望みを抱いて移民の為に乗船した人々でした。

1,2等の船客は、主に裕福なアメリカ人で、ヨーロッパ大陸で冬の季節を過ごし、国へ帰る有閑階級の人たちだったようです。
この上流階級の人たちの食べたであろう最後の晩餐は、豪華そのものでした。

☆オードブル    カナッペ提督風   カキのロシア風
☆スープ      コンソメオルガ風  大麦のクリームスープ
☆魚料理      鮭のムースリーヌソース  鶏のリヨネーズ風                                                 フィレミニョンリリ風  ナタウリのファルシ
☆後皿       子羊のミントソース  家鴨のロースト                                                                   サーロインのロースト     じゃがいものシャトー風                                 グリンピースのタンバルミント風味  にんじんのリ ーム煮
☆パンチ&シャーベット   ローマ風パンチ
☆ロースト        ロースト、クレソン添え      アスパラガスのサラダ
☆冷たい料理    冷たいローストか七面鳥、フォアグラ
☆甘味デザ  ート   ウォルドーフプディング    桃のシャルトルー                             フレンチバニラクリーム入りチョコレートエクレア                                      フレンチバニラアイスクリーム
☆デザート     果物とチーズ各種
☆ディナーの後   ドリップ式コーヒー、ポートワイン、リキュール

とまあ、よくもこんなに食べられたものと驚きます。豪華なシャンデリアの燦然と輝く大広間で、銀食器を優雅に扱い、どんなおしゃべりに花が咲いていたのでしょう。そしてその数時間後の運命を誰が予想できたでしょうか。