坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

時代が変われば毛坊主も変わる

2009年08月24日 | 坊主の家計簿
 旅行に行きたい。。。夏休みやし、青春18きっぷが売り出されているのに。。。「ああ、不幸や。うちは日本で一番不幸な住職や」なんぞとチエちゃんばりに思いつつ、ママから「オムツがそろそろ無くなりそうなので買って来て」とのお達し。別に明日でもエエのだが、明日は明日の気分で生きたいのでジャスコに買いに行く。
 イオンよ、葬儀ビジネスに参入する前にトップバリューシリーズの新生児用オムツを作ってくれ。。。

 っちゅう事で、イオングループが葬儀ビジネスに参入する事を正式発表した。

 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090823AT1D2200B22082009.html

 7月頃から噂には聞いていたのだが、噂は所詮噂であり、私が直接イオンから「お宅の寺と取引しませんか?」なんぞと云われたわけではないので「噂話」としては喋っていたのだが、正式発表したらしい。
 イオンカード等のカード会員数は2003万人(2009年2月20現在)らしい。これを『教団』と考えると日本最大の宗教教団になるわけだ。
 「あの~。。。さっきお爺ちゃんが亡くなってお葬式を頼みたいんですが。。。」とイオンに電話する人が2000万人会員のうちにどれくらい居てるかどうか知らんし、会員以外にどれくらい居てるかどうか知らんが、まあ、デカイだろう。3年後に10万件の利用を期待しているらしいが、だいたい一世帯平均では15年に一度の葬儀がある。2000万÷15=133万ぐらいだから、まあ、10万件は十分可能だと思う。
 で、その10万件の多くが寺に連絡するよりも先にイオンに電話する事になるのであろう。で、イオンと提携した葬儀社と提携している寺に葬儀の依頼が行く。
 単純な話である。寺が営業しないから(笑)
 営業しないクセに、葬儀社等に営業している寺、すくなくとも『営業活動している寺』に対して陰口三昧。
 あるいは、イオン等が葬儀業界に参入する事を『高見から嘆く』
 まあ、幕末の旗本八万期や、諸藩の、いや、当初は長州藩内ですら奇兵隊に対する評価が低かったように、「あれでも侍か?」なんぞと嘲りを受けた様に、逆の立場の新撰組も嘲りを受けた様に、嘲る側の呑気な『高見からの嘲り』には本気でわけ解らん。
 例えば『直葬』なんぞという葬儀のスタイルがある。恐らく『僧侶』としては『心ある人』なんだろうが、「直葬は人間をゴミ扱いしている」なんぞと。え~。。。お前等、ホンマに仏教徒か?っちゅうか、それ以前に人間か?まあ、娑婆の苦労を知らんから、あるいは娑婆の『人情』を知らんから、そんな無礼極まりない、人権無視の差別発言以下の鬼畜の発言が出来るのだろうが、単に自分たちにとって都合が悪いだけの話じゃんけ(笑)自分たちにとって都合のイイ『葬儀』というスタイルが取れないだけの話ではないのか?世話になった人たちを『ゴミ扱い』、っちゅうか、『ゴミ』も本当は世話になったから手を合わして念仏申して送り出すべきなんだろうが、世話になった人を誰が『ゴミ扱い』出来る、っちゅうねん。まあ、中にはそういう人も居てるだろうが、『直葬=ゴミ扱い』なんぞであり得るわけがない。多分、名誉毀損で告訴したら勝てると思うぞ。「この坊さんは私の大切な人をゴミ扱いしました」なんぞと。

 話が。。。
 イオングループが葬儀ビジネスに参入したら、ほんの少しだけかも知らんが、日本人の死に対するイメージが変わったりするかも知れん。なんせ『イオングループ』やし。ネットでは紹介されてなかったが、仏壇業界大手の所と組んで「イオンから買うと安くなりまっせ」みたいな事もやり始めるらしいし。そのうちに墓石業界なんぞも加わるかも知れん。イオンモールの中に納骨堂が出来て「お買い物のたびにお参りも出来る」みたいな事になるかも知れん。非常におもしろい。

 『葬儀』は別に『寺』『僧侶』の特権的な職業ではない。特定の宗教者が加わらなくとも葬儀は出来る。
 だからこそ私は寺の住職なので熱心に『営業』をしなければならないだけの話である。

 「布施は法施に対するものであって、法施がなければ単なる泥棒です」

 と、故・竹中先生は仰られた。
 『営業』と云う言葉は多分キライだっただろうが、元水商売の私には一番しっくりくる。

 昨日も書いたが、恐らく娘が最初に会う衣を着たいわゆる『坊主』は私が最初になるだろう。
 娘がどうやって生きて行きたいのかは娘が勝手に決めればエエ。私は娘に対して真宗仏教の営業活動をするだろうが、それで気に入ってくれればそれで良し。親のワガママだから。特定の宗教に興味を持たなくても構わないし、うちにある『パパの本棚』からキリスト教系の本を好きになってクリスチャンになっても構わん。「パパ、私も本田神父みたいに上智大学に行きたい」なんぞと別に相談して呉れんでもええけど、まあ、金の問題もあるから相談するんやろうけど、上智に行って、っちゅうか、その前に洗礼を受けようが何をしようが構わん。パパの営業がヘタだった、っちゅう話やし。まあ、「本田神父って上智の卒論は親鸞やったらしいぞ」ぐらいは言うが(笑)

 どうでも、エエけど布教って営業やろ。坊さんが偉そうに「お金がなくとも葬儀はします」なんぞと言っても、んなもん、色んな商売人もやってないか?前に住んでた近所にあったし、今住んでる所の近所にもある自転車屋チェーンなんぞ、部品代がかからん修理で金、取られた事ないぞ。そこで買った自転車やなくとも。それでも低姿勢で「またよろしく御願いします」なんぞと言ってくれるぞ。それが商売で営業やろ。