エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

今夜は十五夜

2013年09月19日 | ポエム
昨夜は、ほぼまん丸のお月さまが天空にかかった。
「かぐや姫」が降臨しそうな、美しい月である。



今夜の十五夜は、さぞ名月で現れるだろうとワクワクするではないか。
ススキの若き穂が少し垂れ気味に月にかかる。
お団子を食べる。

明日は彼岸の入りである。
今日の中秋の名月、満月の十五夜であるけれど、次は8年後だそうだ。

白いまん丸の団子が良い。
白い団子の中には、餡子が入っている。
その甘さが堪らなかった。

ぼくたちが子どもだった頃、団子は例外なく米粉で作ったものだ。
子どもたちは、その団子を突きに行く。

竹槍を作って、家々を回ったものだ。
夫々の家は、団子を突かれるのを楽しみにしていたものだ。

ぼくたちは、団子を突いて、お菓子を貰った。
楽しい記憶である。







「団子突く童の手並み三五の夜」







秋・・・カラタチの実は金色に色づく。
それも間もなくである。



こうした記憶の無い子どもたちが増えている。
日本人の優しい習い、である。

自然を歌にする。
団子を捧げる、食う。
それも美しい習いである。




        荒 野人