エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

憤怒!

2013年09月05日 | ポエム
憤怒を抱いた空があった。
刹那、周囲は暗闇に包まれ豪雨に襲われた。
実に、禍々しい有り様であった。



高橋和己は、憂鬱なる党派の中で褐色の憤怒と色付けた。
その憤怒は、寂寥であり追悼であり、自己撞着の憤怒であった。

いまぼくたちは、この憤怒に何色を冠そうか!

雨は、激しく降り忽ち晴れ上がった。
だがしかし、憤怒の雲は蟠っている。



周囲を流れる大気は、涼しくも穏やかである。
明るさを増す世間は、秋いろである。

西村寿行の小説(1974年発行)に「君よ憤怒の川を渡れ」という作品があった。
冤罪を描いた小説であった。
映画化され、文化大革命の後、最初に中国で上映された映画として有名になった。

中野良子などは、この映画で今なお中国では女優として知られている。







「憤怒色という感情の昂ぶれり」







この憤怒、なんとも例えようも無い。
だがしかし、今日は昼前には雨が上がった。
雨上がりだと云うのに、風は温い。



            荒 野人