ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マイ・マザー

2013-11-08 17:10:41 | ま行

「わたしはロランス」よりも断然いい。
キュンときましたよ。

「マイ・マザー」75点★★★★


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カナダに暮らす17歳のユベール(グザヴィエ・ドラン)は
毎日イラ立っていた。

原因は母親。

ダサいインテリアで部屋を飾る様も
服のセンスも、
ブレる答えも、
なのに息子をコントロールしようとする態度も

すべてが気に食わず、衝突ばかり。

我慢の限界に達した彼は
「家を出たい」と母親に申し出るのだが――?!

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公開作が相次いだ今年一番のニュー・カマーといえば
グザヴィエ・ドラン監督。

彼の19歳でのデビュー作にして主演作、
カンヌ3冠を成し遂げた作品。

母親のすべてにイラ立つ17歳少年の
衝突と叫びの日々を自伝的に描いていて、

自分のなかに一番くすぶっていたことを
思い切りぶちまけたような
ストレートな力を持っていると感じました。

まあ6歳から子役をやっていたという
監督のルックスのよさにも驚きますが

10代にしてとてつもない客観性と、何より自己の確立を果たしており
(セクシャリテイゆえの摩擦や孤独を経験したこともあるのかな)

本当に「恐るべき子ども」だと思う。


母親の食べ方から服のセンス、無教養な様・・・・・・と
何もかもにいちいちイラっとくる思春期の心、
少し歩み寄っては、しかしまたすぐにぶつかってしまう母と息子の姿を
見事に活写しています。

ワシも小学生時代から、ずっと母親と折り合いが悪かったんで
(いま考えると最悪ですな。苦笑

相性の悪い親子というのはあるのだ、そういう時期があるのだと
ものすご~く共感した。

それを解決するのは、適度な距離と、
時間に他ならないわけで。

この30年後か?と思えるような
フランス映画「母の身終い」(11/30公開)
ぜひ、セットで見てほしいっす。

★11/9(土)から渋谷アップリンクほか全国順次公開。

「マイ・マザー」公式サイト
コメント
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