これをタイムリーと言わず
何と言うか。
「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」70点★★★★
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1945年、ビルマ。
ビルマ独立運動の国民的指導者のもとに
生まれたアウンサンスーチー。
だがスーチーが2歳のとき、父が暗殺され
ビルマは軍事政権に支配されてしまう。
ビルマを出たスーチー(ミシェル・ヨー)は
やがてイギリス人の研究者と結婚し、
二男をもうける。
だが母の看護のため
ビルマに帰国した彼女に、
苛酷な運命が待ちかまえていた――。
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リュック・ベッソン監督が
アウンサンスーチー氏の半生を映画化したものです。
正直「え?ベッソン監督?」と危ぶんだけど(かなり失礼!失笑)
しかし大丈夫!
誠意とリスペクトを感じる正統派で、
姿勢を正して133分の注視させる力がありました。
なにより
スーチー女史に扮するミシェル・ヨーの演技は、
素晴らしいの一言。
メリル・ストリープ=サッチャーのような
モーフィング芸とはまた違って、
演技を積み重ね、
時間とともに「ハッ」その人に見せていくタイプで
見応えありました。
スーチーさんの話はだいたい知っていても、
彼女がどういう立場の人なのか、
なぜ、ここまで民衆のアイコンになったのか?
はたまた
イギリスに夫と息子がいたことや、
どのようにしていまの状況になっていったか、など
知ってるようで意外に知らなかった
ビルマの歴史もよくわかります。
ただ一点残念なのは
彼女が政治運動に踏み出す、
超・肝心な最初の決意部分が弱いこと。
おそらく父の影響、民衆の期待、
そして軍事政権の絶句する非道を目の当たりにした怒りから
だとは想像できるけどね。
そして非道はいまも続いている。
この映画を見て、
いま、ビルマが一歩を踏み出している
リアルタイムの状況がよくわかりました。
★7/21(土)から角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。
「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」公式サイト