上映時間、6時間39分!
でも一瞬たりとも飽きなかったし、面白い!
「ジョルダーニ家の人々」83点★★★★
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現代のローマに暮らすジョルダーニ家は、
割りと裕福な中産階級の一家。
技師の父(エンニオ・ファンタスティキーニ)と、
専業主婦の母(ダニエラ・ジョルダーノ)は仲良く、
長女(パオラ・コルテッレージ)は出産間近。
長男(クラウディオ・サンタマリア)は外務省に勤めるエリートで
まだ高校生の三男(アレクサンドロ・スペルドゥティ)は
ガールフレンドに夢中だ。
そんななか
大学生の次男(ロレンツォ・バルドゥィッチ)は
やや疎外感を感じていた。
が、ある日、一家を不幸が襲う。
そして次第に一家の秘密が明らかになり――?!
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「輝ける青春」(6時間17分!)の脚本家による作品で、
イタリアのテレビドラマ4本分をつないで
1本で見せています。
途中休憩ありですが、
しかし6時間39分という壮大な上映時間に
はっきり言ってビビった。
でもこれが、全然飽きない!
一瞬たりとも寝ませんでしたぞ(笑)
これで2800円は絶対にお得。
まず
見せるところと見せないところの選択が絶妙にうまく、
無駄一切なく、退屈する部分がない。
説明過多にならない切り上げ方も絶妙だしね。
見終わる頃には
完全にこの家族の一員になってますマジで(笑)
一応、中心になるのは次男で、
彼の成長物語にもなっていますが
あるときは兄の、あるときは次男の、あるときは父と母の、と
それぞれのストーリーを編んでいくスタイルで、
またそれぞれにドラマがあるんだこれが!(笑)
嬉しいことも、悲しい出来事も、
すべて温かく穏やかな色彩の映像で包まれ、
実はすごくドラマチックなのに、そう感じさせない。
日常の細部や状況を丁寧に、しかし自然に描いて、
ドラマにのめりこませるんですよ。
おおらかでも決してご都合主義ではない
脚本がうまいんですねえ。
ひとりひとりの内面がそれほど描かれるわけじゃないのに、
それぞれの気持ちになって
胸がツンツン痛んだりするんですわ。
特に長男とその恋人(これがいいヤツなんだ・・・フフフ)の愛が響いたなア。
人の世はなんという不思議な縁でなりたっているのか。
人とは哀しくて、でも愛おしいものなのか。
最終章では、すべてに涙、涙でした(笑)
特に家族&人間ドラマが好きな人は、
ぜひ1日「映画に浸る日」を作って、観て欲しい。
後悔は、させません。
★7/21(土)から岩波ホールで公開。ほか全国順次公開。
「ジョルダーニ家の人々」公式サイト