ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ダーク・フェアリー

2012-01-21 17:46:40 | た行

ギレルモ・デル・トロ製作の
ダーク・ファンタジーです。

「ダーク・フェアリー」56点★★★

ロードアイランド州。
1世紀以上も放置されていた美しい屋敷に

建築家の父(ガイ・ピアース)と
別れた妻との間の娘サリー(ベイリー・マディソン)、そして
父の恋人キム(ケイティ・ホームズ)が引っ越してくる。

サリーは自らの境遇を
「母親から父に譲られた」と理解しており、
父にもキムにもなつかない。

そんなある日。
サリーは閉ざされた地下室を見つける。

そしてそこに
封印されていた「秘密」を解き放ってしまい――?!


怖い度は
ホラーとショッキング・スリラーの中間くらい。

「ギャー!」は少なく、
夜眠れなくなるほどじゃないんで、
ゴチゴチのホラーが苦手でも大丈夫。


なかなか姿を表さない敵は、
イタズラ好きで子どもの歯が好物という邪悪な妖精で、

中盤までくると
「ああ、あの風習に着想したのか」と納得。


元ネタがあり、
米のテレビ映画「地下室の魔物」(1973年)という作品。
デル・トロは子ども時代にハマって
いつか映画化したいと切望していたそうです。

ストーリーも要素も定番といえばド定番なのは
そんな背景があるのかも。


父と恋人と娘、という三人の微妙な関係を背景に、
ジリジリと脅かしていく技も構成も
まとまってはいますけど

物語の背景に哀しみや因果など、
深みがあればもっとよかった。

そう考えると
当時は正直、好きじゃなかったけど、
やっぱり「パンズ・ラビリンス」は凄かった。

この映画でも
ラストまでどうなるかわからない、と気を揉ませるのは、
やはりまだ「パンズ~」が尾をひいてるんだな、と思いますねえ。


にしても。
本作や「永遠の子どもたち」など
若手監督をサポートし、
すっかりプロデューサーなデル・トロ。

こういう映画はもう自分で作らんの?
観たいんだけどなー。

★1/21(土)からシネマサンシャイン池袋ほか全国で公開。

「ダーク・フェアリー」公式サイト
コメント
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